渡辺克義『物語ポーランドの歴史』 [書評]
2017年に出された新書。ポーランドの歴史を大まかに知りたい人にはうってつけの新書ではないかと思われる。複雑で分かりにくいポーランドの歴史であるが、ポイントをうまく整理してくれている。第二次世界大戦以降、特に1990年移行はザッとまとめられてしまった感じで物足りないが、これは他の本を読んで補足するしかないだろう。まあ、新書なので、さっと要点が分かるということを優先した編集方針などだろうし、その点はしっかりと押さえているかと思われる。また、コラムが章の終わりに描かれているのだが、これがなかなか読書の参考になっている。事例や事件の解説によって、ポーランドがその時代、どのような状況にあったのかがイメージできるような内容となっており、有難い。ということで、ポーランドをあまり知らない人(まさに私のような読者)にとっては、読み甲斐のある新書であると思われる。
物語 ポーランドの歴史 - 東欧の「大国」の苦難と再生 (中公新書)
- 作者: 渡辺 克義
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2017/07/19
- メディア: 新書
タグ:『物語ポーランドの歴史』 渡辺克義