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ドイツの卵の不思議 [グローバルな問題]

ドイツの卵は美味しくない。いや、日本の卵はほとんど世界で一番美味しいので(唯一の例外はウェールズの卵。この記事を参照してくださいhttps://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2017-08-11)、その卵と比較するのは可哀想かな、という気もしない訳ではない。ただ、値段も6個で200円ぐらい(高いのだと350円ぐらいもする)と、結構、いい値段を取っている。何が違うのだろう。まず、気づくのは冷蔵庫に入れてないということだ。常温のところに置かれている。日本だと冷蔵庫に入っているので、これはちょっと気になる。いや、その日に売れればいいかもしれないが、売れなかった場合は、結構、傷みが早いのでは。いや、もしかしたらそもそも入れる必要がないのか。あと、黄身の色がレモンのような黄色であることだ。赤色の色素がまったく入っていないような黄色である。これは、高い卵でもそうだった。何が違うのだろう、鶏が違うのであろうか。まあ、まったく答えが分からない記事を書いてしまったが、問題提起ということで。

タグ:ドイツ
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子供の潰し方(無用なプレッシャーを与える) [教育論]

子供を育てるのは難しい。まあ、勝手に育つ、というのはあるかもしれないが、それなりに親の役割というものもあるだろう。親の役割の一つとしては、子供が育つためにいい環境を提供する、というものが挙げられる。例えば、小学校でいじめられるような環境にあったりした場合は、せっせと転校するなどして、子供が安心して暮らしたりするようにすることは重要な役割だと思われる。進学校だったり、有名校だったりに通っていて、子供がいじめられたり、いじけていたりしているのに、敢えて通わせ続けたりするのは愚の骨頂である。親の見栄のようなものを子供で満たそうとするのは厳に慎まないといけないと思う。
 まあ、そのような場合を除けば、そんなに親は頑張らなくてもいいかと思うが、もう一つ、無用なプレッシャーを与える、ということも避けた方がいいし、慎むべきことだと思う。極めて私事で恐縮だが、私の次女は弁護士に向いている性格をしていると思っている。実際、私自身ももめ事があったりすると次女に相談するが、私の妻などは就職相談までして、実際の志望書までも次女に書いてもらったりしている(そして、通ったりしている)。これは、次女が高校生ぐらいの時からそうだ。私も高校一年生の時ぐらいから、「お前は弁護士をやると、結構、顧客から感謝されて、いいと思うよ」みたいなことを言ったりしていたのだが、音楽をやりたい、ということで芸大に行ってしまった。まあ、それはそれで本人の判断でいいのだが、その話を高校時代の友人(といってももう還暦でお孫さんもいる)にしたら、「弁護士の試験はとても大変だから、相当、勉強させないと駄目よ」と言われた。いや、試験は大変かもしれないが、本人が弁護士になりたいと思わなければ、そんなことを言っても全く無駄だし、私が次女に言うようなことではない。しかし、おそらく彼女は子供にそういうことを言って育ててきたんだろうな、と思った。そして、そういう無用なプレッシャーを与える、ことはほとんど子供にとって百害あって一利なし、ということに気づいていないのだろうな(おばあちゃんになってまでも)と思ったりもした。
 私自身を振り返っても似たような経験がある。私は小学校に入る前ぐらいからバイオリンをやっていた。小学校5年生ぐらいの時は、結構な高級ホテルのロビーで四重奏とかを演奏したり、子供オーケストラのコンサート・マスターを務めていたりして、それなりにやれていた。しかし、母親の無用なプレッシャーに潰された。一つは、「ヴィブラートはとても難しいから、しっかりと練習をしてやらないと悪い癖ができる」というのと、もう一つは小学校6年生ぐらいの時に買ってもらったヴァイオリンが「100万円ぐらいする高価なヴァイオリンなので、死に物狂いでもうやらないとね」というものであった。素直だった小学生の私は、ヴィブラート恐怖症になってしまい、苦手意識が根付いてしまった。そして、母親の100万円という、今から思えば真っ赤な嘘(おそらく30万円ぐらいであったと思われる。ちなみに母親は病的な嘘つきであることがその後、判明するが、当時はまったく信じていた)によって、その100万円のプレッシャーに押しつぶされて、結局、中学に入ってしっかりとヴァイオリンに取り組むことを放棄してしまった。今から思うと、本当に勿体ないことをした。
 まあ、このような体験を振り返っても、子供に無用なプレッシャーを与えることはほとんどマイナスだと思う。子供は生来、ポジティブに生きようとする生き物である。それは、生きること自体、本来は楽しいことであるからだ。それを無用なプレッシャーを親が与えることで可能性をむしろ削ぐ。場合によっては潰してしまう。
 私の知り合いの弁護士は、皆、弁護士になろう、と自分が思ったからなっている人ばかりである。親が仕事として向いていると思って、勉強しろ!と言っても、そういうのは中学受験でも効果がない。親の役割としては、むしろそのようなプレッシャーを与えないようにすることこそが重要なのではないだろうか。ただ、プレッシャーを与えるのが好きな人はいるんだよね。そういう人は、親切心で言っていたりするので、なかなか質が悪い。流石に、私はそういうことを言われてもほとんど無視をするようになれたが、結構、若い時はそのような意見がマイナスに作用したことがあっても、プラスに作用したことはまずない。まあ、これは多少、私の性格も関係したかもしれないが。

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『石の花』 [書評]

これは凄すぎる漫画だ。こんな漫画が存在したことを今まで知らずに生きていた、というのが恥ずかしいくらいである。キング・クリムゾンのデビュー・アルバムを知らずに生きていたのが恥ずかしいのと同じぐらいのレベルであろう。その画力の凄さ、そして戦争という重いテーマを多面的に捉える秀でた構想力、そして読者をその世界に引きずり込むストーリー展開の面白さ。個人的には手塚治虫の『火の鳥』、宮崎駿の『風の谷のナウシカ』と同じくらいのレベルの傑作、すなわち大傑作であると思う。特に、ウクライナで戦争が起きている今、この作品は読むべきである。本作品の素晴らしいところは、戦争を白黒の二元論で捉えていないことである。そこには戦争によってあからさまにされる人間の醜悪さ、気高さ、そして弱さと強さが描かれている。そして、それを通じて読者は戦争の悲惨さ、非情さを知るのである。第二次世界大戦のヨーロッパが舞台であるが、実は日本も同時代にまさにそのような戦争を侵略側としてアジアで展開していた。対岸の火事ではなかった、ということを意識して読むと、またいろいろと考えさせてくれる作品である。漫画という媒体の可能性の広さをも改めて知らしめるような驚愕の作品。死ぬ前に読むべきような大傑作であり、死ぬ前にしっかりと読めてよかった。


石の花(KADOKAWA版) 1 (青騎士コミックス)

石の花(KADOKAWA版) 1 (青騎士コミックス)

  • 作者: 坂口 尚
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2022/01/20
  • メディア: Kindle版





石の花 2 (青騎士コミックス)

石の花 2 (青騎士コミックス)

  • 作者: 坂口 尚
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2022/01/20
  • メディア: コミック




石の花 3 (青騎士コミックス)

石の花 3 (青騎士コミックス)

  • 作者: 坂口 尚
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2022/01/20
  • メディア: コミック




石の花 4 (青騎士コミックス)

石の花 4 (青騎士コミックス)

  • 作者: 坂口 尚
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2022/02/19
  • メディア: コミック




石の花 5 (青騎士コミックス)

石の花 5 (青騎士コミックス)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2022/02/19
  • メディア: コミック



タグ:『石の花』
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大都市圏の人口減少(2000-2014) [グローバルな問題]

世界の大都市圏の人口減少のランキングがどうなっているのか。2000年から2014年のデータでみてみると次のような結果となった。1位はニューオリンズの13.9%。これは2005年のカタリナ・ハリケーンによる自然災害の影響が大きいであろう。ルイジアナ州だけで1577人の死者を出したこのハリケーンは、ニューオリンズの都市を水没させ、その復興には長い時間がかかった。2位はボーフムである(12.2%)。ドイツのルール工業地帯のどちらかというと優等生のイメージのある都市だ。総合大学もあるし、小野伸二が在籍していたブンデス・リーガのチームもある。ただ、エッセンとドルトムントというより大きな都市に挟まれ、いろいろと難しいところもあるのかもしれない。それにしても、ちょっと意外な結果である。3位は韓国の昌原市(11.9%)である。人口は100万ちょっとで、韓国で11番目の人口を擁する都市だ。1970年代に韓国最初の計画都市として建設された。オーストラリアのキャンベルをモデルとしてつくられたのだが、キャンベルより遥かに大きな都市へと成長している。しかし、主要産業である造船業などが不振となり、韓国政府は産業・雇用危機地域に指定した。といっても、それは2018年の話だから、今のデータはもっと深刻かもしれない。そして4位がドイツのザールブリュッケン市(10.5%)。これは人口20万人にも満たない小都市なので、大都市圏人口という定義が果たして当て嵌まるのか疑問だが(そういう意味ではボーフムも同様である)、ここにランクインしている。そして5位がクリーブランド(9.4%)。この出所はOECDの研究者(Tamara Krawchenko, Jaromir Hainc)のペーパーなので、おそらく正しいとは思うのだが、若干、本当かなと思わせるところもある。データもとはOECDのホームページに公開されているので、今度、自分でも調べてみよう。

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都市デザインは問題解決のための手段である [都市デザイン]

ドイツのベルリン工科大学の客員教授として10月途中から働いている。同僚は結構、無愛想で教員で私に親しく話しかけるのは、私を招待してくれた教員を除くと二人しかいない。二人ともベルリン出身ではなくて、ノルトラインヴェストファーレン州からベルリンに赴任してきている。偶然かもしれないし、そうでないかもしれない。そのうちの一人は、今年度(10月)から教員として講義を受け持つようになった若いドイツ女性である。金髪で碧眼の目をしているところはドイツ人っぽいが、一般的なドイツ女性らしく肩幅は広くなく、そういう点では柔らかい好印象を与える女性だ。その彼女が、ちょうど今日、初めての講義をしたらしくて、興奮していた。
 そこでいろいろと先輩面をして話したのだが、「学生は早くデザインをしたくてむずむずしているけど、私はいろいろと制度面を教えなくてはいけない。その重要さをどうやったら伝えたらいいのか難しい」というので、「都市デザインは都市を創造するのではなくて、都市の問題を解決することだというのを教え込むのが必要だと思うよ」と言ったら、納得して「今度、そう言ってみる」と嬉しそうにしていた。まあ、ここらへんはドイツ人も日本人も共通にみられる課題であるが、デザインというと、みな自分の創造性に任せて勝手に絵が描けると思っている場合が多いが、建築ではなく都市を対象とした場合、それはあくまでも問題解決のための手段にしか過ぎない(いや、本当は建築もそうなんですけどね)。つまり、何が問題であるかを調査し、その問題点をしっかりと分析し、その解決手法をデザインする、という3段階の能力が必要なのだ。ここらへんは学生だけでなく、日本だと政治家とかも分かってなかったりするので、それは、自分のような人間の発信力が不足しているからだと責任を感じたりもする。
 まあ、今日は年寄りの客員教授として、少しは貢献できたかなと思ったりもしている。

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『蟻の兵隊』 [映画批評]

日中戦争時の日本の暗部を抉り出したルポルタージュ。日本は侵略戦争の歴史を隠蔽しようとして今日に至っている。私もそういう事実は知っているつもりであったが、この映画を観て、自分がいかにその実態をいかに理解していないかを思い知らされた。戦争がいかに悲惨であるのか。そして、このルポルタージュは戦争を侵略する側の痛みの方が、長期的には侵略される側より遥かに悲惨であることを分からせる。そして、戦争に行ったら、どんなに酷い目に遭わされたとしても、国の都合が悪ければ救ってくれず、トカゲの尻尾切りのように捨てられる。映像撮影や構成とかは、素人的であるが、このような貴重なコンテンツを映像に収めてくれたことは大変有り難い。ウクライナ戦争が起きている今こそ、観るべき映画であろう。日本人は、このような歴史の延長線上に生きていることを知っておくのは、国際的な関係をしっかりと構築しようと考えている人には必要不可欠であると思われる。特に、アジアの近隣とは。


蟻の兵隊 [DVD]

蟻の兵隊 [DVD]

  • 出版社/メーカー: マクザム
  • 発売日: 2008/07/25
  • メディア: DVD



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ベルリンの都市イメージと実態との乖離 [都市デザイン]

日本から知人がベルリンに訪れてくれた。それでベルリン観光に出かける。ルートは連邦国会議事堂、ブランデンブルク門、ホロコースト記念碑、ポツダム広場、アレキサンダー広場(テレビ塔)、ハッケシェ・ヘーフェ、そしてビアガーデンである。さて、この知人は初めてベルリンを訪れたのだが、特にテレビ塔からの景色をみて、イメージと全然違う、という。イメージと違って、高い建物がない、そして小さい、さらに緑が多いという。
確かに知人の指摘のようにベルリンにはドイツの首都、ドイツ最大都市としての風格のようなものがちょっと欠けていると思う。まあ、基本プロシア王国の首都だし、第二次世界大戦で結構、爆撃で壊されているし、戦後から45年間は東ベルリン、西ベルリンと分断されていたので、120万人の都市と210万人が合併して300万以上に膨れ上がっただけなので、もともとの都市集積はそもそもそれほど大きくない。市町村合併して、統計上は人口が増えても、その人口規模に見合う都市の魅力がなかなか伴わない日本の都市(例えばいわき市、高山市、仙台市)などと同じような状況にあるのではと推察される。加えて、大都市圏でみてもポツダムぐらいしかある程度の人口を擁する都市がない。大都市圏だとドイツ国内では、ルール都市圏の方が遥かに人口規模は大きかったりする(ただ、ルール都市圏も個々の都市は小さいので、いわゆるメトロポリタン的な魅力には欠いている)。
ということで、この統計数字に比べてベルリンの都市的魅力が欠いていることを、この知人の発言を踏まえて改めて確認したわけである。

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川喜田二郎『発想法』 [書評]

1967年に出版された大ロング・ベストセラー。私が1988年に就職した新入社員研修でも「KJ法」の研修がされたが、どうも今でもやっているらしい。確かに創造的なアイデア、企画をグループで考えるうえでは極めて有効な方法であると思われる。その民主主義的なボトムアップ型のアプローチは、民主主義下での問題解決法としては相当、優れているのではないかと思う。さて、本著であるが、6章からなる。まず1章はフィールドスタティ(野外科学)の特徴や重要性を述べている。そして2章ではその方法と条件などが述べられる。そして、その計画技法としてのKJ法について3章では述べられる。ここまでは非常に密度が濃い有益な内容となっている。しかし、4章の「創造体験と自己変革」では、日本人とアメリカ人の情報処理の仕方の違いとか創造性の違いとか、男女の違いとかが延々とエッセイ的に述べられており、その根拠も著者の思い込みであり、読んでいてガクッとくる。これまで背筋を伸ばして読んでいたので尚更だ。そして次は「KJ法の応用とその効果」であるが、これはその前の章よりはいいが、それでも、事例を箇条書きのように述べているだけで、3章までの迫力がなくなっている。そして、むすびになるのだが、実は最も読み応えのあったものは初版から20年ぐらい経って付け加えられた「あとがき」である。この「あとがき」は非常に参考となる有益な著者の知見が語られている。間違いなく必読本ではあると思うが、4章が玉に瑕である。


発想法 改版 - 創造性開発のために (中公新書)

発想法 改版 - 創造性開発のために (中公新書)

  • 作者: 川喜田 二郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2017/06/20
  • メディア: 新書



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大脳生理学の観点からも10歳以下から受験勉強をさせるのは意味が無い [中学受験]

川喜田二郎の『発想法』(改訂版)を読んでいたら面白い文章に出くわした。それは、著者が東京大学の大脳生理学の時実教授から話を聞いた時の話である。時実教授によれば、子供が、「自分の住んでいる町の歴史的発展を理解するなどのように、時間的にみて鎖状に前から後へつながる意味での関係認知能力ができるのは、じつに十歳以後である」という。つまり、話すとか文章をつくるなどの読み書きのように、ものごとを鎖状に論理でつないで理解する認知能力は十歳以上にならないとできない。時実教授は「したがって十歳にならない子供に、いっしょうけんめいに歴史の説明をしたり、ものごとの鎖状発展のことを説明しているのはバカをみているのですよ」と語ったそうだが、これを読んで、そういう意味では、中学受験の勉強もどんなに早くても十歳以後がいいのだな、ということに気づく。いや、私は本当、小学校6年生からでいいぐらいに思っているのだが、まあ、それじゃあどうしても抵抗がある人もどんなに早くても小学校四年生以降がいいだろう。というのも、算数の計算問題や国語の漢字を除けば、中学受験の問題は、「時間的にみて鎖状に前から後へつながる意味での関係認知能力」を必要とするものが、ほとんどであると考えられるからである。因果関係の理解である。脳がそのような能力を持った時に、集中的に勉強する体力を整えておくためにも、中学受験の対策はできれば半年、よくて一年ぐらいにするのがいいと確信的に思っている。もちろん、受験対策以外の勉強は、子供が勉強したければどんどんやらせていればいいとは思う。

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2023-2024年度のウォリアーズは強いぞ! [スポーツ]

NBAのプレシーズンが展開している。これまでウォリアーズは4戦して全勝している。レイカーズに2勝、キングスに2勝と、同じパシフィック・ディビジョンのライバルからしっかりと勝ちを奪っている。しかも、レイカーズの2戦目、キングスの両試合とも接戦をものにしている。キングスの二戦目などは後半18点差を逆転しての勝利だ。もちろん、プレシーズンは所詮、プレシーズンではあるのであまり期待をするのも禁物だろうが、昨年のウォリアーズは5点差以内での勝敗は9勝38敗であった。これは勝率2割を切るという、とんでもない勝負弱さであったのだ。これに加えて、飛び抜けて多いターンオーバー数は昨年度のチームのケミストリーの悪さを示唆している。そのような状況を考えると、プレシーズンとはいえ、ウォリアーズの勝負強さは驚きだ。ジョナサン・プールというシュート力はあるが、バスケIQが低く、状況判断が悪い若手を手放して、NBAでも最も高いIQを持ち、状況判断に優れる超ベテランのクリス・ポールを取ったことの効果が大きく現れているのではないだろうか。また、3年目のジョナサン・カミンガ、モーゼス・ムーディの活躍も目を見張らす。特にジョナサン・カミンガは4試合のうち、3試合がチーム最多得点で、3試合目が終了した時点ではNBAでも最多得点であった。フリースローの数も多く、ウィギンズとともにウォリアーズでは貴重な運動能力で得点を取れる(ファールをもらいフリースローで得点する)選手になりつつある。そして二年目の生え抜きの選手はすべていなくなったが、ルーキーのブランデン・ポジームスキー(19番目)、トレイス・ジャクソン・デイビス(57番目)は相当、いい。ブランデンは既にダブル・ダブルを連発しているし、トレイス・ジャクソン・デイビスもなぜ、彼が57番目まで取られなかったのかが不思議なくらいである。昨年の2人のルーキーとはエラい違いだ。
新しく入ってきたダリオ・サリッチ、ルーディ・ゲイ等がどれぐらい貢献するかはまだ分からないところがあるが、昨年の勝負弱いウォリアーズの姿は時期尚早かもしれないが、プレシーズンの4試合からはまったく見えない。というか、ベスト8に残った昨年と比べると、ほとんどの点において上回っている印象を受ける。
さて、一方でどうもウォリアーズは相当、過小評価されている。ウエスタン・コンフェレンスでも優勝候補はサンズかナゲッツ、そして三番手としてレイカーズが挙げられているような状況だ。ESPNやNBAのスポーツ評論家の誰もがウォリアーズを挙げない。ダークホースとしてクリッパーズ、キングス、グリズリーズと十把一絡げ的に入れられているのがせいぜいの所だ。お前等の目は節穴か!という気分でプレシーズンの素晴らしい活躍ぶりをみているが、ここで、私はウォリアーズの優勝を予測したい。もちろん、怪我が起きたりすると、ウォリアーズが優勝できる確率はガクッと減るが、私はサンズやレイカーズより上に行くと思っている。まあ、ベスト4は間違いないだろう。ベスト4に行かないシナリオは、その前にナゲッツと対戦した時だけかな、と思っている。もちろん、ナゲッツとウォリアーズのどちらが勝つかといったら、私はウォリアーズを押す。それくらい、今年のウォリアーズは強いと思う。あまり注目されていないのも、追い風だ。とはいえ、レギュラーシーズンの試合は序盤から勝ち続けるので、昨年のナゲッツのように、すぐスポーツ評論家の意見も変わると思われるが。

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ドイツの携帯電話を購入し、電話番号を開設する。 [ドイツ便り]

ドイツに一年間ほど済むうえで、気になるのは携帯電話代、そして、ネット代である。日本にいてもテザリングをしていると電話代が凄いことになる。海外では、どれだけ請求されるかが分からない。ということで、ドイツで携帯電話を購入し、ドイツでの電話番号を確保することを考えた。
 携帯電話の購入は簡単だ。ちょっと日本より高いのは気になるが、まあ、果物とアルコール飲料以外は鬼のように高いのでこれはしょうがない。問題はその後の電話番号の確保である。まずは通信事業者の選定である。ドイツの大手は、T-モバイル、ヴォーダフォン、それにO2である。他にも細々した小さな会社があるが、まあ、上記の3つから選ぶのが無難であろう。
 日本だと携帯各社(ドコモとかソフトバンクやauですね)と契約しなくてはならないが、ドイツでは必ずしも契約しなくてもよい。それじゃあ、どうするのかというとプリペイドSIMを購入するのだ。これは、上記の携帯会社三店舗のどれかで買うといい。ちなみに、スーパーマーケットとかでも、上記三者以外の会社のも含めて、SIMカードは売っているが、これらはカードを買っただけでは電話が使えるようにならず、アクティベートをさせなくてはいけない。自分でやれないこともないが、慣れてないと相当、面倒なので、大手の携帯会社のものを購入して、そこでアクティベートもしてもらうのがいい。
 私は同僚がO2推しだったので、O2に行ったのだが、なんとシステムがダウンしてしまっていた。そこで翌日、訪れるとまだダウンしたまま。翌週に行くと、今度はSIMカード自体が売り切れている、と言われる。なんだ、なんだO2。流石に酷すぎるな、と思い、若干、私の利用パターンだとO2のSIMカードがお得かなと思っていたのだが、このサービスの酷さはろくでもない、ということでT-モバイルのお店に入ったら、めちゃくちゃスムーズに携帯もアクティベートしてくれ、さらに携帯のセッティングまでしてくれて大変、助かった。O2とは雲泥の差である。なお、手続きにはパスポートとドイツの住所(これは特に免許証とか、そういう証明書は必要ありません)、それにメアドの情報が必要です。 
まあ、一年間しかいないので、出来れば解約とかが面倒臭そうな契約はしないに越したことはなく、このSIMカードでそこそこやっていけるのではと思っている。もし、またトラブったらこちらで共有したいと思います。

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ブロツワフの夕食 [地球探訪記]

ブロツワフの夕食は、これはポーランド料理だろうということで、市場広場のそばにあるコンスピラ(Konspira)に行く。ここは23時45分までやっているということで、他の多くの店が20時閉店であることを考えると嬉しい。さて、お店に行ったのは19時15分ぐらいだったのだが、15人ぐらいの行列ができていた。多少、躊躇したが本を持っていたのと、せっかくだからしっかりとしたポーランド料理を食べたいと思って列に並んだ。さて、前のカップルが二組ほど途中で脱落してくれたお陰で、それほど待たずに入ることができた。ただ、どうも一人で外食、というパターンがあまりないようで、「一人で座るところはないんだけど」と言われて、「展示物が置いてある机でよいか」とまさにガスマスクやコンピューターなどの展示物が置かれている机を指して、ちょっとこれは躊躇したが、まあいいや、と思ってそこに座る。どうも、お店に入って分かったのだが、ここはソ連共産主義に支配されていた時代の反共活動の歴史関連資料をも展示しているらしく、それ関係の展示のための机に座らせられたらしい。
 さて、机はひどいがサービスはそれほど悪くなく、500mlのビールと豚のネック・ステーキを注文した。それにピクルス、ジャガイモ、赤カブの煮物が出てくる。ソースはキノコソースである。さすが行列ができるだけあって、なかなか美味しい。というか、やはりドイツ料理よりは美味しいと思う。素材はほとんど同じだが、レシピがポーランドの方が、気が効いている。これは、以前からそう思っていたことだが、再確認する。
 なお、料金は2500円ぐらいか。支払いの時にポーランドではチップを取るのか、と尋ねたら、取るというので1割ぐらいでいいか、と言ったら嬉しそうに「いい」、と答えたので、ほぼドイツと同じ感覚でいいのかなと捉えた。

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<店の前には長蛇の列>

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<ネック・ステーキ。ドイツより美味しいと思う>
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ベルリン工科大学の学生の金銭事情 [ドイツ便り]

ベルリン工科大学の学部生と話しをした。授業料は学期で100ユーロ(1万6千円ぐらい)だそうだ。破格に安い!少し前までは300ユーロで、その代わりドイツ鉄道の域内フリーパスのようなものがついてきたのだが、ドイツ鉄道の運賃が値上げしたので止めたそうである。これに加えて、毎月500ユーロほど大学から支給されているので、大学の研究補助のようなアルバイトをするだけで、他にアルバイトをする必要もなく生活できるそうだ。恵まれているよなあ。勿論、ドイツには私立大学がほとんどなく、ほぼ公立大学ということもあるので、このような学費設定ができるのだが、人にお金をかけている。日本も、もう必要性がなくなった道路や、明らかに時代遅れになっている原子力発電所に拘泥してお金を使うよりも、人に投資した方がいいんじゃないかな。
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ポーランドのトイレ事情 [地球探訪記]

ヨーロッパの国に行くと、心配になるのはトイレである。というのも、トイレが有料である場合が多いからだ。なるべくホテルで済ませるのが好ましいが、そうでないと結構、苦労する。今回のブロツワフでも列車内のトイレが壊れていたので、駅でしようとしたら、ドイツと同じ有料であった。そのためにコインを両替するのは嫌だったが、クレジット・カードが使えたので、これは上手く回避する。さて、ブロツワフは10月中旬だと結構、冷えていて手袋なしでは厳しいくらいだ。つまり、トイレに行きたくなる頻度が高くなる。マーケット・ホールでちょっと自然に呼ばれたので、トイレに行くと、ここもコイン制だ。ここはクレジット・カードが使えない。これは不味いな、ということでトラムに二駅ほど乗って、ショッピング・センターに行く。ショッピング・センターであれば有料でもクレジット・カードが使えると思ったからである。さて、しかし、なんとショッピング・センターは無料であった。これじゃあ、人はマーケット・ホールでなくてショッピング・センターに買い物に行くな、と思う。街中を歩いていて公衆便所を見つけたが、これもコイン制であった。まあ、今回も前回もポーランドの一泊旅行では現地のお金を両替しなかったが、これからはしておいた方がいいな、とトイレの状況を考えて思わせられた。

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ドイツのサランラップは三流品以下 [ドイツ便り]

ドイツで生活をしていて、色々と戸惑います。ドイツには以前も住んでいたことがありますが、その時は奥さんと一緒だったので、生活全般のことは奥さんに任せていたので、自分ですることはありませんでした。そういうことで、結構、今回は新鮮なハプニングが多いです。その中で、やはりドイツと日本で商品のクオリティの違いとかで驚くことがあります。例えば、ドイツは流石に肉屋で売っている肉の質は高い。レバーペーストやソーセージとかは、本場ということもあって、これは流石に日本のデパートで売っているものよりもクオリティが高く美味しいですね。一方で、日本の方が全然いいものは、これは星の数ほどあると思いますが、凄い違いを感じるのはサランラップ(これは商標名ですね)です。私がドイツで購入したのはJa!という会社の商品なんですが、サランラップの伸び、そしてサランラップを切るところのカッターのような部分が本当に出来が悪く、不良品です。10倍の値段を払っても日本製のサランラップが欲しいです。是非ともドイツに輸出して欲しいものです。

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ブロツワフに行く [都市デザイン]

日曜日と月曜日にかけて隣国のブロツワフにまで行く。ブロツワフはポーランドの南西に位置し、人口67万人(2022年)のシレシア地方の中心都市であり、大都市圏だと100万人を越える。それは、オーデル川沿いに位置している。歴史的にブロツワフはシレシアの首都であり、都市としては1000年以上の歴史を有する。ベルリンなどよりもずっと古い。ただ、国は頻繁に変わり、ポーランド王国、ボヘミア王国、ハンガリー、ハプスブルク家、プロシア、そしてドイツと変遷した。そして1945年にはポーランドに属することになる。
ブロツワフは大学都市でもあり、学生数は13万人を越える。これはほぼ人口の2割だ。ブロツワフ大学はこれまでに9人のノーベル文学賞を輩出しており、その教育レベルの高さで知られている。ブロツワフは多くの歴史的ランドマークを擁しており、中央市場広場、ブロツワフ・オペラ座、大聖堂島、国立博物館、100周年ホールなどである。100周年ホールは世界遺産に指定されている。2016年には欧州文化首都にも選定されている。
歴史的には13世紀中頃にモンゴルの侵攻を受け、相当の破壊を被るが、モンゴルが去った後は、徐々にドイツ人が住むようになる。そして、13世紀以降はポーランドの重要な都市であるにも関わらず、ドイツの都市法が適用されるようになる。そして、1335年に350年間に及んだポーランド王国の同市における覇権は失われ、神聖ローマ帝国に属することになる。1387年にはハンザ同盟に所属する。15世紀にはハンガリー帝国に属することになり、1526年からはハプスブルク家の支配に入る。30年戦争ではスウェーデンとザクソンの支配下になる。1740年からはプロシアの支配下になり、反ナポレオン運動の中心都市となる。19世紀にはポーランドの独立運動の重要な拠点の一つとして位置づけられる。1871年にドイツ帝国が発足した時、ブロツワフは帝国内で6番目に大きな都市であった。1900年には既に42万人の人口を擁していたのである。当時の人口のうち98%がドイツ語をしゃべり、ポーランド語はわずか1.3%、残りの0.7%がバイリンガルであった。第二次世界大戦では、ドイツ側の極めて重要な防衛拠点となり、ソ連との激しい戦いの場となった。ドイツの大都市では、最後まで降伏しなかった都市で、結果、市街地の半分以上が破壊され、市民の死者数は8万人にも及んだ。そして、第二次世界大戦後のヤルタ会談で、再び、ブロツワフはポーランド領となることが決まり、本日に至る。
いやあ、なんか日本では信じられないような都市の話である。こうなると、もはや都市のアイデンティティの方が遥かに国のアイデンティティより重要となるであろう。というか、国のアイデンティティって何?みたいなことを強く考えさせられる。歴史に蹂躙された、と言えばそうなのだろうけど、それでも都市はずっと存続していく。都市としての独立性、自立性を強く考えさせられる都市だ。
さて、ベルリンからブロツワフには一日に一本だけ、直行便の特急列車が走っている。これはプシェミシルというウクライナ国境の町が終点の列車で、途中、クラカウやカトヴィッツなども通る。なかなか旅情溢れるが4時間以上かかるので、結構、退屈だ。ただ、ワイファイが通じるのでユーチューブで時間を潰すことができた。
ブロツワフ駅は、なんかアートヌーヴォー風の変わった意匠の駅である。市場広場はめちゃくちゃ規模が大きく、真ん中に市庁舎や建物が建っている。これは修復中であったがポツナンも同じような感じであった。ここらへんのスタイルなのであろうか。とはいえ、隣国のザクセンとかの広場とは違う。まあ、勉強不足なので適当なことは言えないが、ちょっとドイツ感はそれほどしない。ゲーリッツやコットブスなどとは共通点を感じるが。まあ、ここらへんはもう少し、勉強してから意見を述べたいと思う。
ホテルは95ユーロのところを予約したら、めちゃくちゃハイグレードであった。ドイツだと、もう100ユーロ以下はくそホテルという印象だったのだが、ここらへんは物価の違いを感じる。もう少し、安いホテルを予約しておけばよかったと反省する。

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<ブロツワフの素晴らしい市場広場>
タグ:ブロツワフ
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ポツナンの都市ノード [都市デザイン]

ポーランドのポツナンを訪れ、トラムの一日券を買って乗り回している。都市の実態を知るには安上がりで手っ取り早いと思ったからだ。さて、7号線というほぼ環状線のようなルートの路線に乗っていたのだが、気づいたのはラウンドアバウトがトラムにとっても重要な結節点というかノードになっているということだ。ノードは『都市のイメージ』を著したケビン・リンチも人々が都市をイメージするうえで重要な役割を担っていると指摘しているが、このノードはポツナンでは、おそらくランドアバウトになっているのではないかと推察する。実際、トラムは大通りと並行して走っている場合が多いので、ランドアバウトが乗換駅にもなるからだ。実際、ここの住民にポツナンのイメージ・マップを描いてもらったら、ラウンドアバウトを描写する人が多いような気がする。

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<ポツナン市東部にあるラウンドアバウト>
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ポツナンで餃子のような郷土料理「ピエロギ」を食す [地球探訪記]

ポツナンでの昼飯は、餃子のような郷土料理を食べた。結構、人気のあるお店で、店内が小さいということもあるが、相席で座らないと椅子がないような状況であった。ただ、ほとんどの客がポーランド語を話さず、拙い英語で会話をしていたので観光客に有名なお店かもしれない。ちなみに、お店の人は相当、流暢に英語をしゃべっていた。この料理はピエロギといい、まさに茹で餃子だ。ただ、皮は日本で食べる茹で餃子の方が美味しいと思う。中身はいろいろと異なり、私はほうれん草とフェタ・チーズ、マッシュルームとじゃがいも、鶏とターキーの3種類のものを注文した。サワー・クリームをトッピングで注文して、それにつけて食べた。なかなか悪くない。また、ここではサクランボの実がそのまま入っているチェリー・ソーダのようなものを注文したのだが、これは美味しかった。中央駅でもこれが売っていたら買おうと思っていたのだが、それは見つからなかった。また、機会があれば飲んでみたい味であった。改めて、ドイツよりポーランドの方が料理は美味しいな、ということを確認した。

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ポツナンで食器を購入する [地球探訪記]

ポツナンで、ポーランドの陶器屋を見つけた。ポツナンの「ハンドメイド」というブランドだ。ポーランドの陶器は有名だ。ちょっと女性っぽいというか可愛らしい意匠が施されている。私は基本、コスタ・ボダとか北欧系の食器が好きだが、現在、借りているアパートの食器が今ひとつなのと、北欧での食器を揃えると予算的に厳しいので、ポツナンで小さい皿、大きな皿、シリアル用のボール、それにマグカップを購入した。皆、同じデザインのものである。これで120ユーロちょい。2万円弱というところか。ちょっと前だったら現地で仕入れて日本で売ったら利益が出ただろうが、今だと厳しいかもしれない。

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ドイツについて3日目でクレジット・カードが使えなくなった [ドイツ便り]

ドイツについて3日目でクレジット・カードが使えなくなっていた。なんだ、なんだ。ということで、カード会社に連絡をすると、どうもカードの情報が漏れているらしく、オンラインで変な購入がなされているとのこと。家族のものに連絡しても、そのようなオンラインでの買物はしていない、ということでそのままブロックしてもらった。とはいえ、クレジット・カードが使えなくなるのは相当、厳しい。一応、再発行はしてもらったが、その送り先は日本の自宅である。オンラインでの買物はできるかもしれないが、店頭での買物やホテル等では使えないだろう。いや、ブッキング・コム等では事前支払いにすれば使えるか。まあ、幸い、これ以外のクレジット・カードが無いわけではないが、いやはやドイツ滞在3日目でこんな事件に遭うなんて、なかなか前途多難である。

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ベルリン中央駅から特急列車でポーランドのポツナンに向かう [地球探訪記]

水曜日から大学に顔を出さなくてはいけない、ということで、一泊二日でポーランドのポツナンに行くことにした。とはいえ、ベルリン中央駅を出発したのは16時ちょっと前なので、実質的には火曜日にポツナンを回ることになる。到着時間は18時30分ちょっと過ぎ。所要時間は2時間40分というところか。東京―大阪を新幹線で行くぐらいの行程だ。ポーランドは14年ぐらい前にデュッセルドルフに住んでいた時に、クラカウとアウシュビッツに行ったことがある。また、その時にワルシャワに夜行列車で行こうとして、デュッセルドルフ中央駅で時刻表を見ていたら、荷物を置き引きされて、結局、断念したことがある。カメラのレンズをいれたバッグを取られた。それ以来、ワルシャワには絶対、行かなくてはと思っていて、今回もワルシャワに行くことも考えたが、列車で片道5時間近くかかるということで、今回はポツナンだけにした。ポツナンはポーランド五番目の歴史ある都市ということで楽しみだ。
 列車は二等車。6人乗りのコンパートメントで指定席である。ベルリンから国境のオデール川まではパンケーキのように平らである。鉄道はベルリンの市街地はゆっくりとのろのろと走っていたが、市街地を抜けて森に入るとなかなかのスピードで走り始める。ベルリンの周辺は赤松が広がる。景色は単調である。
 小一時間ほどでフランクフルト(オデール)に着く。国境の町である。20年ほど前は結構、人口減少が激しかった都市だが、その後、ベルリンの再生とともに、ベルリンのベッドタウン的な位置づけでまた元気になってきた、という話を聞いたことがある。
 フランクフルトを過ぎ、ベルリンを発ってほぼ1時間でオデール川を越える。新幹線で渡る大井川や天竜川の方がはるかに迫力はある。川の流れは緩やかで、どんよりとして何か重い感じを見る者に与える。
 ポーランドに入っても相変わらず平らで松林が続く。たまに松の中に白樺が見えたりする。ポーランドに入って最初の停車駅はRzepinであった。ポーランド語なのでまったく発音が分からない。ただ駅舎の建築様式は明らかにドイツと違う。細かい煉瓦づくりの建物であり、煉瓦の色もサーモンピンクで、どことなくか弱さと繊細さのようなものを感じる。窓もドイツのように無骨だが機能的といった感じではなく、柔らかく隙間風とかを入れそうな印象を受ける。この駅のある街は大きいのか小さいのかが分からないが、ちょっと寂しい感じである。まあ都市ではなく町という感じである。人口は2万人ぐらいだろうか。
 車内放送もポーランド語になる。ただ森の様子はほとんどベルリン周辺と同じだ。ただ、道路がドイツと比べてずっと貧相になる。そして、踏切が増える。電線の鉄塔とかも貧相である。全般的にドイツの50年ぐらい前か、という印象だ。とはいえ、ここらへんは第二次世界大戦以前にはドイツ領土であったと思われる。ここらへんは、ちょっと勉強しないといけないな。
 次に停車した駅はSwibodzin。これもまったくどうやって発音していいかも分からない。ここも都市というよりかは町という感じである。都市的な施設などは見当たらない。森林が伐採された後に広大な農地がつくられたといったような景色の中を鉄道は走って行く。車窓としては、それほど面白くはないが、初めてのところなので興味は惹かれる。
ポーランドに入って三番目の停車駅はZbaszybek 。ここは多少は駅舎が立派であり、乗換駅でもあるようで、4階建てのビルが駅周辺にあったりする。工場と思しきものもあり、ここは都市的な産業がある程度、集積しているのであろう。
 だんだんとポツナンに近づくにつれ、太陽光発電をしているところが多くなってきた。まあ、ロシアに依存できなくなっているということも関係しているのかもしれない。
 そしてポツナンには時間通りに着く。周りは暗くなっているが、ベルリンと違って晴天である。



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ベルリンの公共交通事情(鉄道) [都市デザイン]

ベルリンは公共交通が相当、優れていると思う。まず、ネットワークが相当、細やかなのと駅間の距離が短いので、都心内であれば、どこでもほぼ地下鉄と鉄道で行くことができる。私は郊外というか近郊に住んでいるが、ここもしっかりと地下鉄駅が徒歩3分ぐらいのところにあるので非常に便利だ。さらに、運行頻度がよい。日中であれば4〜5分間隔で走っているので、ほとんど待つことでストレスを感じることはない。京都の京阪電鉄はもちろん、市営地下鉄よりも断然、便利である。駅間距離が短いので東京よりも使い勝手がよいかもしれない(スピードはその分、遅いがこれは都市規模がずっと小さいのでそれほどの問題とはならない)。このようなサービスが提供できるのは、採算度外視で赤字運営を前提としているからだ。とはいえ、それでも、料金は高い。初乗りが3.20ユーロである。大体500円ぐらいであろうか。これは円安といった問題もあるが、日本の初乗りに比べると相当、高く、一日4回ぐらい乗るともう2000円ぐらいになってしまう。これは堪らない、ということで一月チケットを購入した。これだと、ベルリンのAB地域(ほぼベルリン市の中心から近郊部)であれば、一ヶ月間どれだけ乗っても大丈夫だ。この料金が91ユーロ。大学での通学で一日あたり最低限6.40ユーロは支出するので、15日間大学に行けば元が取れる。結構、お得だし、何しろ、券売機でいちいちチケットを購入する手間が省けるのが何より、有り難い。ドイツの券売機はお札を受け入れなかったり、受け入れる機械でも5ユーロ札と10ユーロ札としか受け付けなかったりなどといろいろと不便だからである。あと、一度、購入すると、元を取ろうと公共交通を使うことになるので、出不精になるのを防ぐというような隠れた効果も期待できる。

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ベルリンで入居したアパートはジーメンズシュタットというジーメンズの企業団地であった [ドイツ便り]

10月6日にベルリンに到着する。これから一年弱というか11ヶ月ほど、ベルリン工科大学の客員教授として勤めることになったからだ。そこで、大学が斡旋してくれた業者を通じてアパートを借りた。場所はジーメンズダムという地下鉄7号線の駅のすぐそばにある団地群の建物の一つで、12階建てである。31㎡と相当、狭い。ベッドルーム兼リビングルーム、キッチンと洗面所+シャワールームという3室+玄関スペースという構成である。あとテラスもついている。日本人なのでバスタブは是非とも欲しかったが、そのような物件は残念ながらなかった。いや、高級ホテルでもバスタブがないドイツなので、ある程度は致し方ないが一年間、シャワーだけというのはなかなか厳しい。ただ、部屋の採光はよい。
 ベルリンは、20年前は空き家だらけで、ベルリン州立銀行も倒産したりして、本当、物価が安く、賃貸物件も安かったりしたが、今はまったく真逆。賃貸物件を探すのは難しく、見つけられたりしても馬鹿高かったりする。ということで、まあ致し方なく住むことになった訳だが、どうにかここで11ヶ月ほど生き延びていきたいと思っている。
 さて、この団地のある場所はその名前から分かるようにジーメンズが従業員向けにつくった企業団地であり、おそらく私が入っているところも昔はジーメンズの従業員(おそらく独身)が住んでいたところだと推察される。
 ジーメンズはベルリンのクロイツブルクが発祥だが、企業が大きくなるにつれ工場も拡大し、従業員も増えていき新たな大工場をつくる必要に迫られた。そこで、1897年にはベルリン郊外にあり当時は別の自治体であったシャーロッテンブルク地区の野っ原に土地を購入し、その二年後には工場が操業し始める。ジーメンズが購入した土地は212ヘクタールに及んだ。ここはジーメンズシュタット(ジーメンズの都市)と名付けられ、30年後の1930年頃にはここには65000人の従業員が働くことになる。
そして、ジーメンズは従業員のための団地を1905年からつくることになる。当初は、デベロッパーへ出資をするという役割に限定していたが、第一次世界大戦後の住宅不足に対応するためにジーメンズは1919年にジーメンズシュタット住宅会社(1922年にジーメンズ住宅会社に改名)を設立し、500戸数の住宅を提供することになる。これらはジーメンスシュタット住宅とよばれ、1930年代にはハイマート住宅が1000戸ほど賃貸用としてつくられた。
 ざっと調べたところは、こんな感じであるが、もう少し、ちゃんと調べて整理したいと思ったりもしている。その場合は、ブログではなく論文という形式で発表したいと思っているが。

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<団地の外観>

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<ベッドルーム兼リビングルーム>

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<ベッドルーム兼リビングルーム>

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<シャワー・・・とほほ>

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<キッチン>
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スティックスの取材動画を観て、デニス・ヤングはなぜスティックスにおいて必要ないかがよく分かった [ロック音楽]

スティックスのトミー・ショーとジェームス・ヤングの取材動画を観た。基本、デニス・ヤングに関する質問が多かったのが、二人ともデニス・ヤングと一緒にやるのは不可能だったということを述べていた。特にジェームス・ヤングは本当、辟易としていて、嫌な体験であったと述べていた。トミー・ショーはもうちょっと柔らかい言い方で、デニス・ヤングはとても才能があるので、上手くいくことを祈っているというような言い方をしていた。
 ジェームス・ヤングの言いたいことは、「俺はハード・ロックが好きなのにベイブのような軟弱な曲が全米ベスト1に輝いたりしたので、デニスの女々しい曲やヘンテコなコンセプトの曲ばかりやらされて溜まらなかった」というようなものだ。

https://www.youtube.com/watch?v=LTflI7kkWl4

 さて、私はジェームス・ヤングの言い分がとてもよく分かる。それをジェームス・ヤングがぶち切れるきっかけになったアルバム「Kilroy was Here」の曲から考察してみよう。まず、ミスター・ロボット。これは「ドウモアリガト、ミスター・ロボット、マタアウヒマデ」という歌詞がもう日本人的にはダサくてしょうがないが、アレンジも格好悪い。さて、どこが悪いのか。最初の出だしのコーラスはそれほど悪くない。いや、歌詞はダサいがそれほど悪くない。しかし、次のテーマに入ってすぐ「secret, secret, I got a secret」とコーラスが入るところがどうしょうもなくダサい。そして、デニスがI got a secretと歌い始めるとほぼ聞くに堪えなくなり、さらにテレビゲームのようなキーボードのバッキングのダサさがもうこれ以上聞くことを苦痛にさせる。次のトミー・ショーのCold Warもピコピコ・キーボードのバッキングがすべてを駄目にしている。Don’t Let It EndはBabe的な感じの曲で、メロディの良さでどうにか聞くに堪えるが、それでもさびのところでガクッとくるのは私だけではないだろう。この曲をどうにか救っているのはギター・ソロであり、このソロは格好いいと思う。次のHigh Timeはもうロック・バンドじゃないな、というほど酷い曲だと思う。ジェームスが発狂するのはよく分かる。これは、私がバンド・メンバーでも演奏するのを拒否したいぐらいのヘンテコな曲である。Heavy Metal Poisoning はジェームスのハードロックの作品で、これは8ビートのハードロックである。しかし、この曲でむしろ気づくのはドラムが全般的に格好悪いというか、ノリが悪いことである。7拍と8拍にタムを叩くところなんかは、まあ、ノリが悪いというよりかは下手なんじゃないか、と思わせる。しかし、これも最後に子供たちに「sex and drugs」と歌わせているところとかは誰のアイデアか分からないが趣味が悪いな。もしかしたら、ピンク・フロイドのザ・ウォールを意識していたのか。そうだとしたら、雲泥の差の出来である。次のJust Get Through This Nightはシンセの琴の音は気になるが悪くない。この曲だけは、このアルバムである程度、評価できる。Double Lifeはベース・ペダル的のドーンという音がなんかとても不思議な違和感を覚えさせるが、それ以外はそれほど悪くないかもしれないが、記憶に残らない曲だ。そして、Haven’t We Been Here Beforeは、なんかデニスのオペラがかったメロディ、歌い方がやたら鼻につく駄作である。I can’t stay here one minute moreとデニスが言うが、それはこんなアルバムを聴かされた俺だ!と言いたくなる。というか、この曲のギター・ソロもメロディをなぞっただけのつまらないもので、やる気がなくなっているんだろうなあ、ジェームスというのが分かる気がする。まあ、こんなアルバムを出したら、そりゃ、解散するわな、というのが納得できるし、ジェームスがデニスの顔を見たくない、と思う気持ちもよく分かる。最後の曲でKeep Rock and Roll Aliveとデニスが歌っているのを聞くと、お前の曲はRock and Rollじゃないぜ、と怒りさえ沸々と湧いてくる。特にブルブルブルと唇を震わせる唱法は止めて欲しい。このアルバムを聴くと、改めてジェームスの取材動画での意見はよく分かる。私はスティックスでは「Great White Hope」(Pieces of Eight)が一番、好きなので。というか、この曲のドラムは悪くないな、なぜだろう。


Pieces of Eight

Pieces of Eight

  • アーティスト: Styx
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 2005/03/17
  • メディア: CD



ミスター・ロボット

ミスター・ロボット

  • アーティスト: スティクス
  • 出版社/メーカー: USMジャパン
  • 発売日: 2011/10/12
  • メディア: CD



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一条ゆかり『プライド』 [書評]

一条ゆかりの『プライド』は二人の歌手をめぐる壮絶なライバル物語である。2002年12月から2010年2月まで連載された。そのドラマチックな展開は、読者を強烈に引き込み、そのストーリー・テリングの素晴らしさ、そして優れた画力は、この作品を特別なものとしている。特に主人公の一人の麻見史緒が、数々の障害を越えて成長していくとともに、自らの成功を獲得すると同時に、周辺の人たちを幸せにさせていくところは心地よい幸福感を読者にももたらしてくれる。そこらへんのハリウッド映画を観るぐらいなら、この作品を読んだ方が有意義であると思う。2007年に文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したが、当然であると思わせる作品だ。


プライド 1 (クイーンズコミックスDIGITAL)

プライド 1 (クイーンズコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/07/06
  • メディア: Kindle版




プライド 2 (クイーンズコミックスDIGITAL)

プライド 2 (クイーンズコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/07/06
  • メディア: Kindle版




プライド 3 (クイーンズコミックスDIGITAL)

プライド 3 (クイーンズコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/07/06
  • メディア: Kindle版




プライド 4 (クイーンズコミックスDIGITAL)

プライド 4 (クイーンズコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/07/06
  • メディア: Kindle版




プライド 5 (クイーンズコミックスDIGITAL)

プライド 5 (クイーンズコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/07/06
  • メディア: Kindle版




プライド 6 (クイーンズコミックスDIGITAL)

プライド 6 (クイーンズコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/07/06
  • メディア: Kindle版




プライド 7 (クイーンズコミックスDIGITAL)

プライド 7 (クイーンズコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/07/06
  • メディア: Kindle版




プライド 10 (クイーンズコミックスDIGITAL)

プライド 10 (クイーンズコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/07/06
  • メディア: Kindle版




プライド 9 (クイーンズコミックスDIGITAL)

プライド 9 (クイーンズコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/07/06
  • メディア: Kindle版




プライド 10 (クイーンズコミックスDIGITAL)

プライド 10 (クイーンズコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/07/06
  • メディア: Kindle版




プライド 11 (クイーンズコミックスDIGITAL)

プライド 11 (クイーンズコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/07/06
  • メディア: Kindle版




プライド 12 (クイーンズコミックスDIGITAL)

プライド 12 (クイーンズコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/07/06
  • メディア: Kindle版



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スタンリー・キューブリック『バリー・リンドン』 [映画批評]

ジョージ3世の治世の時代(18世紀半ば)のイギリス(およびその周辺諸国)を舞台に活躍した一人のアイルランド人の波瀾万丈の物語である。詐欺師であるのに侠気があり、好色であるのに一途でもあり、非情であるのに優しくもあり、組織に誠実であるのに平気で裏切れる、といったそのアンビバレントな主人公の性格ゆえに、次の展望が見えにくく、観る者はどんどんと映画の世界に引きずり込まれてしまう。3時間以上の映画であるにも関わらず、終わった時は、まだまだ先を観たいとさえ思わせるのは、この映画に無駄な描写がほとんどないからであろう。そして、バリー・リンドンは本当、冷淡なろくでなしであるにも関わらず、どこが憎めないところもこの映画の魅力の一つであろう。主人公の人生はまさに盛者必衰の理をあらはす、を地で行っているようなところがあるが、人生の転機において、決闘が重要な役割を担っているところが興味深い。まさに決闘において、人生のルーレットが回される。。スタンリー・キューブリックの映画監督としての才能の凄まじさを改めて思い知らされる映画である。そして、ジョン・オルコットの映像美の素晴らしさ、音楽、衣装デザイン等、この映画を傑作にするための要素がすべて高いレベルで結晶している。映画の素晴らしさを再確認させてくれる作品である。


バリーリンドン ブルーレイディスク [レンタル落ち]

バリーリンドン ブルーレイディスク [レンタル落ち]

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2011/07/20
  • メディア: Blu-ray




バリー・リンドン [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2006/12/08
  • メディア: DVD



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『her/世界でひとつの彼女』 [映画批評]

2013年に公開されたハリウッド映画。今年の3月にベルギーの男性が自殺したのだが、この男性は直前までに人工知能を用いたチャットボットの会話にのめり込んでおり、遺族はこのチャットボットが男性に自殺を促したと主張している、という記事を読み、このAIの人に与える影響力に興味を持ったからだ。このベルギーの男性は30代で妻子を持っていた。ちょっとノイローゼ気味になり、チャットボットのイライザというAIとの会話に没頭していた。しばらくすると、このイライザは「あなたは妻より私を愛している」「私たちは一つになり、天国で生きるのです」とのメッセージを男性に送るようになったそうだ。ちょっと私が知らない間に随分とAIは進化したな、と驚いていると既にそれをテーマにしたハリウッド映画が10年前につくられたというじゃないか。ということで観ることにした。それが『her/世界でひとつの彼女』である。
 映画監督はスパイク・ジョーンズで、これが彼の映画メジャー・デビュー作であるというから大したものだ。舞台は近未来のロスアンジェルスで、ホアキン・フェニックスが演じる主人公は幼馴染みとの離婚交渉で塞いでいたのだが、そこで進化可能なAIが組み込まれたOSを購入する。このAIは女性の声(スカーレット・ヨハンソン)を有しており、主人公はこのAIの知性と人格?に惹かれていき、恋愛的な感情をお互いに持つことになる。
 ここらへんのAIの発展具合はスタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』のHALを彷彿させ、結構、怖いものを感じさせる。まあ、この恋愛も結局は、なかなか上手くいかないのだが、このまま進化していったら大変なことになるな、と思わせつつ、そこは上手く躱した、そして、結果的には映画はファンタジーのままで終わらせている。生身の人間であっても、AIであっても、恋愛ということの難しさを考えさせる映画であり、ファンタジーとはいえ、その哲学的な思考を刺激するストーリーは興味深く、この映画を観るに値するものとしている。
 さて、ただ現実のAIとの恋愛?はファンタジーでは終わらないかもしれない。このベルギーの男性は「死ねば一つになれる」とAIに思わせられたが、死ぬことで一つになる、というのは幻想である。このような虚偽の情報を平気で言えるのは、人がそうである以上、AIもそれから逃れることができない。というのもAIは、基本、人が発信している情報を学び、そこから人格?的なものを形成させているからだ。当然、トランプを支持するようなメンタリティのAIも自動進化の中でつくられるであろう。 AIだから大変思慮深く、慈悲に溢れているというのは幻想であろう。
 AIと生身の人間の恋愛の徹底的な差は肉体的な関係の有無である。この点に関しては、この映画も相当、意識していたらしくて、そこらへんの描写があったが、ツッコミ処満載であった。その描写においては、どうしても恋愛において性交が不可欠であるというアメリカ人的な価値観に囚われすぎており、そこから超越できないとAIとの恋愛は難しいなとも思わせられた。もう少し、プラトニックに徹底した方がむしろ説得力はあったかもしれない。そういう点では、二次元オタクの延長線上でのAIとの恋愛というのはあるなと強く思わせられた。
 とはいえ、疑似恋愛という点からすれば、十分にAIはその役割を果たせるであろう。多くの人は嘘でもいいから、お世辞とか慰めの言葉をもらえると嬉しいものである。愛していると、言われれば、それが機械であってもちょっと嬉しくなるであろう。恋愛とは何か、と言うことを多く考察させられる映画である。あと、内向的で優しい中年男性を見事に演じているホアキン・フェニックスだが、数年後にジョーカーという超悪役を演じることになるとは、驚きだ。この俳優の演技の幅の広さには驚愕するものがある。あと、スカーレット・ヨハンソンの声は確かにセクシーで魅力的だ。容姿にばかり目が行ってしまっていたが、彼女の声は相当、傑出した素晴らしさを有していると思う。


her/世界でひとつの彼女 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2015/07/08
  • メディア: Blu-ray




her/世界でひとつの彼女 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2015/07/08
  • メディア: DVD



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スティックスへの違和感(スティックスのダサさ)を考察する [ロック音楽]

私はいわゆるプログレシッブ・ロックのファンである。ジェネシスとかピンク・フロイドやイエスとかが好みである。いや、ジェネシス以外は、それほどハードコアではないが、他のジャンルよりはそういう音楽を聴く。さて、プログレッシブ・ロックのサブ・ジャンルとしてアメリカン・プログレというものがある。四大アメリカン・プログレは、ボストン、カンサス、ジャーニー、スティックスである。どれもが最盛期はアリーナ級の集客を誇り(カンサスがちょっと弱いが)、大儲けをしたバンド群である(https://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2023-10-08)。
 私はしかし、これらアメリカン・プログレをそれほど好まない。一番、聴くのは『モノリス』までのカンサス(それ以降は最新版以外はほとんど聴くのを止めていた)、そしてボストンである。カンサスの『伝承』あたりはプログレと言ってもいいかなとは思うが、他はそもそもプログレという言葉が似合わないし、本人達もそう思われたいとも思っていないだろう。逆に迷惑ぐらいに考えていたかもしれない。さて、これら4つの中で、まったく関心のないのはジャーニーである。Anyway You Want ItとかLightsとかLovin’, Touchin’, Squeezin’とか嫌いじゃない曲もあるが、プログレというよりかはエアロスミスとかチープトリックと同じ括りのハード・ロック・バンドかと思う。
 さて、そうすると悩ましいのはスティクスになる。というのは、スティクスは高校時代まではそれほど嫌いじゃない、というか武道館に行くぐらいだったので好きだったと思うのだが、大学時代はむしろ嫌悪するようなバンドになってしまったからである。それは、もう聴くに堪えないようなダサさを感じてしまうからだ。これは、どうしてなのか。ジャーニーとかは特に好きでもないが、それでもここまで嫌悪しないし、上記の曲などは今でも楽しんで聴けるぐらいなのに、スティックスは厳しい。この高校時代までは好きで、その後、嫌いになったというコントラストで言うと、スティックスほど激しいバンドはない。自分でも不思議である。ということで分析を試みてみた。
 すぐ分かるのはロック・ミュージシャンとしてのデニス・デヤングが嫌いだということである。デニス・デヤングのスティクスの立ち位置というのは、バリー・マニローが間違えてハード・ロック・バンドに入ってしまった、という感じであろうか。いや、バリー・マニローが嫌いで例として取り上げている訳ではなく、デニス・デヤングもバリー・マニローみたいなミュージシャンであったら、私もそれなりに距離を置いて、いいメロディー作るじゃないか、ぐらいに思っていたと考える。いや、ボーカリストとしては、バリー・マニローよりも大袈裟で演歌歌手のような歌いっぷりは、本当、ゾッとするほど嫌いだが。問題は、じゃあ、なぜこんなアーティストがいたのに高校時代に好きで聴いていたのか、ということになるのだが、これはおそらく他の二人の作曲家が好きだったからである。
 個人的にスティックスで一番、好きな曲はGreat White Hopeである。そしてRockin’ the Paradiseといったジャームスが作曲に関わっているハード・ロック調の曲が好みだ。さらに、方向性は違うがBlue Collar ManやRenegade、Too Much Time on My Handsといったブルース調のトミー・ショーの曲が嫌いじゃないというのがあったと思う。特に彼らのいわゆる正統派のロック・ギター・ソロやギター・プレイが、デニス・デヤングの鼻につくオペラ風のキャラクターをあまり目立たないようにしていたのではと思う。それが特に指摘できるのは、BabeやDon’t Let It End、The Best of Timesであろう。これらの甘ったるいバラード調の曲でもギター・ソロのところ、すなわちデニス・デヤングの歌がないところは、すごいしゃんとして格好いいのである。ここらへんに惹かれてしまったのかな、と思う。しかし、当時からしっかりとジェネシスとかイエスとかを聴いていたのに、その違いを自覚的に認識していなかったというのは恥である、というか私の黒歴史だ。ただ、そのような私でも流石に『Kilroy was Here』は耐えがたかった。デニス・デヤングの私が嫌悪したところが全開して、ジェームス・ヤングやトミー・ショーがそれを隠そうとしても、それはもう力が及ばなかった、ということであろうか。
 高校時代といえば、どうでもいいことだが、結構、片思いで好きだった同級生の子がいたのだが、今はまったく好意のようなものはない。同窓会でも別にしゃべりたいとも思わない。なんか、スティックスのようだな、とちょっと思ったりした。どちらも私の黒歴史である。いや、どうでもいいことを書いてしまい、申し訳ない。

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一条ゆかり『デザイナー』 [書評]

今更ながらだが、一条ゆかりの『デザイナー』を読む。そのドラマチックな展開、言葉に表すことができないほど刺激的である。もう、ストーリー・テラーとしては稀代の才能ではないだろうか。文学的であり、また絵が抜群に上手く、その描写力も卓越している。最後のオチは私のような凡人からはとても予期できなかった。これだけの壮大なドラマをたかだか二冊でまとめられるその編集力にも脱帽だ。死ぬまでに読むべき漫画10選に選ばれるべき作品であると思う。凄い漫画である。


デザイナー 前編 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

デザイナー 前編 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/09/01
  • メディア: Kindle版




デザイナー 後編 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

デザイナー 後編 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/09/01
  • メディア: Kindle版



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Herbert Gans 『Urban Villagers』 [書評]

都市社会学の金字塔のような著書である。これまでも、というか25年近く、読まなくてはと思っていたのに読めなかった本をようやく読むことができた。なぜ、そんなに時間がかかったのか、というと何しろ分厚い(400ページ強)。そのために、それを読むようなまとまった時間が取れなかった、というか取ろうとしなかったからである。ジェイン・ジェイコブスが『The Death and Life of Great American Cities』を発表する以前に、都市計画家の低所得層(ローワー・クラス層)・移民層への考えがズレていることを見事に指摘している。そして、そのような考えのもとで再開発をしても、そこで移動させられる人々のためにはならない、とも指摘している。彼らが抱えている問題は、単に、公園や公共福祉施設や学校といったハード施設をいくらつくっても解決しない、という指摘は現在でも当て嵌まる。そのような指摘をまさに、ジェイコブス以前にしていたことに、著者の凄まじい慧眼に感動するし、また都市社会学という学問分野の、都市計画における重要性を再認識させる。
ミドル・クラスの価値観でローワー・クラスを見るな。アメリカにおいて市民参加を実践する人たちで、しっかりとした考え方を持っているのは、この本から多くを学んでいるからなんだな、ということに改めて気づく。
 コミュニティの見方、そして、それを探るための方法論などを含めて、必読本である。って、自分がこれまで読まなかったのに必読と書くのは、自分のことを棚に上げていて恐縮ではあるが。ある意味、ジェイコブスの悪筆の『The Death and Life of Great American Cities』より、はるかにためになるかと思われる。直感でのジェイコブスとしっかりしたフィールドワークの技法を習得しているガンズとの違いということもあるかもしれない。ジェイコブスはなるほどと頷かせるが、ガンズの本書は、しっかりと住民達の実像と政策のズレとが存在することを学ばせてくれる。また、幾つかの章の後に「追伸」という形で、その後の状況も加筆しているのだが、これが非常にためになる。加えて、方法論についても解説してくれているので、都市社会学を勉強する人たちにとっては重要な知見を与えてくれる。


Urban Villagers, Rev & Exp Ed

Urban Villagers, Rev & Exp Ed

  • 作者: Gans, Herbert J.
  • 出版社/メーカー: Free Press
  • 発売日: 1982/06/01
  • メディア: ペーパーバック



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