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原発被災地域のコミュニティ・デザインに参加して絶望的な無力感を覚える [サステイナブルな問題]

コミュニティ・デザインの国際サークルのイベントに参加する。会場は福島の原発被災エリアである。これらの地域の将来像をどのように考えればいいか、を日本人だけでなく、世界の人たちと検討するというイベントである。コミュニティ・デザインであるから、アプローチはボトムアップ型になる。あれだけの巨大な被災を受け、しかも大量な放射性物質に汚染された地域をボトムアップで再生させることは絶望的である。それは個人やコミュニティでどうこうできる状況ではないからだ。とはいえ、多くの地域で全域避難指示が解除され、人々は徐々にではあるが戻りつつある。そして、ようやくボトムアップ型での将来像を考える余裕ができるような状況になる。これは、このようなイベントが震災から12年経ったこの時期にようやく開催された理由である。
さて、しかし、その手法は「とりあえず考えなくてやっていくだけだ」というようなものだ。短期的にどうなるものではないので、長期的に楽観的にやっていくしかない。私もその地域、そしてそこで生活する人々へのエンパシーはあるが、どうしても絶望的な無力感を覚えてしまう。
なぜなら、このような悲劇を地域にもたらした巨大なる社会システムが今でも継続されているからだ。このようなコミュニティ・デザインの会議が開催され、その将来像を模索している中、また、放射性物質を含む水が太平洋に排出されている中、そのような事態をもたらした原因である原発依存のエネルギー・システムに回帰しようとしている。高浜原発をはじめとして多くの原発が最近、再稼働し始めている。福島から学ぶべきことは「ネバー・福島」である。このような悲劇は二度と起こしてはならない。
そして、そのためにはその要因となった原発依存型の社会から脱皮することである。北海道とほぼ同じ規模のデンマークはほぼ再生可能エネルギーでエネルギーを賄うことができている。福島の原発をきっかけに原発から脱却したドイツでは、再生可能エネルギーの割合は46%になっている(2022年)。その再生可能エネルギーへのシフトの道は決して平坦ではなく、いろいろと問題があるが、その道を目指すことで、初めて具体化することができる。それが必要条件である。日本は、目の前にこれだけ悲惨な現実があるのに、それから目を背け、同じ過ちを繰り返す条件を再び揃えつつある。そうであれば、いつまでも原発という「麻薬」から抜け出すことができない。しかも、その「麻薬」で快感を得られるのは、一部の電力会社関係者と政治家、そして地域の有力者ぐらいである。
この根源的なシステムを再構築しなくては、原発被災エリアにも希望をもたらすことはできない。同じ過ちを繰り返さない、ということでこのような悲劇を繰り返さない社会システムを新たに構築して、初めてこのような地域、そして日本の将来に展望が開ける。
私は、日本の将来展望が非常に暗いことが最近、気になっているが、これだけ世界に顰蹙を買うような大失態をしても、そのシステムを変えられない硬直性がその要因ではないか、と考えている。先週までドイツ、デンマークなど、新しいエネルギー・システムに積極的にシフトしていた国を訪れていたこともあって、このコミュニティ・デザインに参加していても、暗澹たる気持ちにさせられる。

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