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会津駒ヶ岳(百名山57座登頂) [日本百名山]

紅葉の最中、会津駒ヶ岳に挑戦した。前日に七入山荘に宿泊。本当は登山口の檜枝岐村の宿に泊まりたがったのだが、すべて満室。仕方なく、ちょっと距離のある七入山荘に泊まったのだが、この宿のサービスがとてもよかった。特に朝食のおにぎりが美味しかったことは有り難かった。まだ暗い中、4時50分頃に宿を出る。登山口は10分もしないで着く。

さて、会津駒ヶ岳は登山口に駐車場があるが、駐車場台数は20台ぐらいである。車中泊をする人が多く、5時頃でも結構、厳しいかもしれない。ここに駐車できないと、結構、歩くことになるので、ここに駐車できるかどうかで、中門岳まで行けるかどうかの判断に大きく影響を与えることとなる。登山口まではくねくね道の狭い道であるが、こういう登山道へのアクセス道路としては決して悪くない。路駐もできるスペースも幾つか見つけたので、仮に駐車できなくてもそれほどダメージもないかなとも思い、多少、安心する。

登山口の駐車場であるが、最後のスポットに運良く、駐車することができた。これは大きい。最初は懐中電灯をつけて歩き始めようかとも思っていたのだが、山間の谷は明るくなり始めると、すぐに周りも明るくなる。5時30分頃には、懐中電灯がなくても歩けるほどになったので出発する。駐車場からちょっと歩くと、登山口。そこからいきなり、階段となる。そして、階段を登り切った後も急登が続く。ただ、全体において急登が一番、きついのはこの登り初めだけであった。歩き始めであり、急く気持ちを抑えて、ゆっくりと一歩一歩進んでいく。登山の体験を通じて、序盤で調子こくと痛いしっぺ返しが来ることを、身をもって知ったので。

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<登山口からいきなり階段>

さて、序盤戦の急登は厳しいものがあったが、徐々に斜度は緩やかになっていく。通常の山は山頂に近づくにつれ、斜度がきつくなるのとは逆だが、これは太股や膝には優しい。会津駒ヶ岳はブナの森が美しく、紅葉の色彩は見事の一言につきる。本当、日本の紅葉は世界に誇る美しさだと思う。しかし、これは山に登るから知ったことで、山に登らなかったら一生、知らずに過ぎてしまったかと思う。登山をしていてよかったと思うのは、こういう時だ。

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<南会津の山々に雲海が広がる幻想的な風景>

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<広葉樹の紅葉が美しく、目を楽しませてくれる>

広葉樹の森を歩き続けて3時間ぐらい経つと、視界が開けて会津駒ヶ岳が見える。周辺の紅葉した山々も見え、また、東側には雲海に覆われた山々が展望できる。今日は本当に素晴らしい登山日和だ。

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<駒の小屋に近づくと展望が開け、足取りも軽くなる>

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<駒の小屋周辺は湿原が発達しており、木道を歩くことになる>

さて、駒の小屋に到着したのが9時10分ぐらい。休憩時間を贅沢に取ったので、コースタイムよりは時間がかかっている。そこで荷物を置かしてもらい、会津駒ヶ岳に登る。登頂したのは9時30分。山頂には、記念写真を撮影する行列ができている。何しろ天気が素晴らしく、眺めも最高なので、中門岳にまで足を伸ばす。中門岳までのルートは木道で、ほぼ平ら。ただ、この木道は滑ることで有名。私は、そうじゃなくても滑りやすいので、十二分に注意をしながら歩を進める。中門岳の手前に中門大池がある。まるで鏡のように空模様を移している。会津駒ヶ岳から中門岳までは、ワイルドフラワーで有名らしいが、この紅葉の季節でも、周りの山々を展望しながら湿原を歩くのは、空中散歩のようで大変気持ちがよい。というか、このルートこそ会津駒ヶ岳登山のハイライトなのではないかと思ったぐらいだ。

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<会津駒ヶ岳の山頂からは見事な燧ヶ岳を見ることができる>

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<会津駒ヶ岳の山頂>

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<山頂から中門岳への湿原を通る道は、空中散歩のようでとても爽快だ>

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<中門大池>

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<中門岳からは360度の見事な展望が得られる>

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<中門岳と会津駒ヶ岳を結ぶ道から燧ヶ岳の素晴らしい山容を望む>

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<この看板は怖い!しかし、無事に滑らずに往復することができた>

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<駒の小屋周辺からの展望。紅葉が彩るランドスケープが美しい>

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<駒の小屋のすぐそばの展望>

さて、12時には駒の小屋に戻り、そこで昼食。今回の昼食はみな、カップ麺系。そのために三人分の水を運んだので、結構、重かったがそれから解放されて、帰りはちょっと荷物が軽くなった。12時50分に小屋を発つ。その後、ほぼ休憩なしのピッチで下り、14時40分には登山口に到着する。天気がよくて、登山道もあまりすべらずに戻ることができたが、雨の後とかは相当、滑りやすそうな泥道なので、留意することが必要であろう。

その後、近くの温泉で汗を流し、16時頃に帰路につく。紅葉シーズンの晴天日の登山は、本当に素晴らしいことを再確認。足が動くうちは、一年に最低でも一回は観に行きたい。

登山道整備度 ★★★★☆(しっかりと整備されており、歩きやすい。ただ、雨が降った後などはぬかるみができるであろう。駒の小屋近くや、山頂付近は木道が整備されている)
岩場度 ☆☆☆☆☆(岩場はない)
登山道ぬかるみ度 ★★☆☆☆ (晴れていたので気にならなかったが、雨だと登山口からちょっと先まではぬかるみで歩きにくいかもしれない)
虫うっとうしい度 ☆☆☆☆☆ (10月中旬ということもあるが、虫はまったく気にならなかった)
展望度 ★★★★★ (会津駒ヶ岳山頂から中門岳までは空中散歩のよう)
駐車場アクセス度 ★★★☆☆ (最後のスポットに駐められたのはラッキーだったが、駐められないと国道の駐車場に駐めることとなる)
トイレ充実度 ★★☆☆☆ (駒ヶ岳山荘にはしっかりとトイレがある)
下山後の温泉充実度 ★★★★★ (登山口のそばに温泉がある)
安全度 ★★★★☆ (一部、木道が滑りやすいが気をつけて歩けば大丈夫。特に危険なところはない)


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「15分間都市(15 minute City)」は怪しい [都市デザイン]

 コロナで移動制限がされた際、注目されたのが「15分間都市(15 minute City)」というコンセプトである。これは、パリのアンヌ・イダルゴ市長が政策として採用したことで広く知られることになったが、これは自宅から徒歩・自転車で15分以内にアクセスできるところに仕事場、学校、小売店、アウトドア・レジャー、コミュニティ活動、病院、レストランなどが立地していること、すなわち、自宅から15分以内で日常生活に必要な用が足せるという都市環境のことを指している。このコンセプトを提唱したのはソルボンヌ大学のカーロス・モレノ教授である。
 自宅が都市計画の中心として位置づけられるのは、興味深い発想である。というのは、自宅はほとんど無数にあるために、これを計画するのは従来とは異なる考え方が求められる。つまり、学校、小売店、公園ごとに15分以内でほとんどの住宅をカバーするように設置することが求められる。これを都市計画で実践させるためには、学校や公園はともかく、小売店、コミュニティ活動の立地を計画的にコントロールすることが必要となる。そんな社会主義的な都市計画を本当に、我々は求めているのだろうか。そもそも、これってニュータウン計画の基本であり、まったく真新しくもない。そして、多くのニュータウンのコミュニティ・センターの小売店や銭湯(千里ニュータウンの場合だが)は閑古鳥が鳴いている。イギリスのニュータウンであるスティーブニッジやハーロー・ニュータウンでも近隣センターはシャッターが降りていて、薄ら寒い印象を与える。
 このような事態が生じたのは、人々が自動車で移動するようになったからだ。逆にいえば、自動車を持たない生活が選択できるような人が住んでいるところは、ほぼ「15分間都市」の条件を有している。東京23区はほとんどの場所がその条件を満たしている。私は目黒区に自宅があるが、まったく歩いてほとんどの用事が済む。公園も駒沢公園がすぐそばにあるので、気晴らしにはいい。それで済まないのは楽器屋ぐらいであるが、これは電車で渋谷に行くのが便利だからであって、歩いて行く範囲に楽器屋がない訳ではない。あと映画館やライブハウスなどは15分だとちょっと厳しい。
 仕事場のある京都市の中京区でもほとんど歩いて用事が足せる。ここは楽器屋も歩ける範囲にある。というか、ここはデパートも15分圏内なのでしごく便利である。ちなみに、ここでは映画館は小さいものだが15分圏内にある。
 さて、パリには住んだことがないので、なんとも言えないが、京都や東京のようなレベルには達してない気がする。いや、モンマルトル周辺とかだとできるかなとも思うが、東京の目黒区(自由が丘のそば)が劣るとはまったく思わない。ドイツのデュッセルドルフには住んだことがあって、ここも旧市街地のそばに住んでいたので、相当、便利ではあったが、東京や京都の足下には及ばない。というのは、そもそも流通が日本はおそろしく発達しているので、家の周辺に本当に物が溢れているのだ。これは、パリとかでもまったく足下にも及ばない。おそらく東京の都市が15分圏内を考えた時、公園が大きなネックになるかと思うが、私の場合、駒沢公園があるので、その条件がクリアできているというのはあるかもしれない。京都の家は御所がすぐそばにあるので、それでこの条件をクリアできている。
 サンフランシスコの近郊のバークレイに住んでいたこともあるが、ここは15分圏内ではほとんど用を足せない。クルマは必須に近い。ロスアンジェルスに住んでいたこともあり、ロスアンジェルスの場合は、最も歩行者に優しいと指摘されるサウス・パサデナ市に住んでいたが、それでも15分圏内ではほとんど何もできない。
 いや、何をつらつらと書いているのかと思われるかもしれないが、それは日本の大都市がいかに「15分間都市」として優れているかを理解してもらいたくて書いたのである。パリが参考にしなくてはいけないのは東京や京都であって、逆ではない。最近、なんか日本人の中で「15分間都市」が盛り上がっているので冷や水をかける意味で、徒然に書かさせてもらった。
タグ:15分間都市
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