SSブログ

テキサス州の中絶禁止法からみられるアメリカの吐き気がするような矛盾 [トランプのアメリカ]

9月1日、アメリカのテキサス州で妊娠6週目以降の中絶を禁止する州法が施行された。妊娠6週間というのは、多くの女性が妊娠をまだ自覚していない時期であり、この州法によって実質的にほとんどの女性が中絶を受けられなくなる。この法律の女性へ対する人権侵害は甚だしいが、事態をさらに悪化させているのは権利擁護団体などが連邦最高裁に差し止めを求めたが、最高裁は5対4でその請求を退けたことである。ちなみに、退けた5人のうち3人が、トランプが指名した判事である。

この中絶禁止法の卑劣なところは「私的訴権」を認めていることであり、つまり、被害を受けていない人でも、同法に基づいた訴追が可能になることである。これは、余計なお世話的な民事訴訟を中絶反対者が起こすことができるということであり、これによって中絶を行う医師だけでなく、当事者の家族までもが訴えられる可能性がでてくる。これによって、強姦や近親相姦による妊娠でも中絶を認められなくなる。

ここで本当、摩訶不思議というか酷いなと思うのは、銃の保有や、それこそコロナ禍でのマスクをしないことなどの「自由」を強く訴えるくせに、他人が強姦されて妊娠した子供を堕胎することも許さない、それどころか堕胎しなさいといった母親までを訴えようとする、この心の狭さというか残酷さである。これがキリスト教の教えというのであれば、そんな人を不幸にする宗教はいらない。自分のことならまだしも、他人が自分の身体をどうこうしようとそれは勝手であろう。道ばたで泥棒に襲われても助けようとしない人がほとんどのアメリカ人(いや、そういう意味では日本人もそうだが)が、なぜ、他人が堕胎することを法律でも規制させようするのかが分からない。まさにカルト宗教国家のようである。イスラム国を非難できないよ。

しかも、そのようなカルト的異常性を正せない連邦最高裁。こんな国が、本当、日本の同盟国なのか。こんな国の同盟国である日本の将来が本当、心配である。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感