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コロナ禍での人口移動を考察する [サステイナブルな問題]

総務省は8月4日、住民基本台帳に基づく2021年1月1日時点の人口動態調査を発表した。コロナの影響下で、人々がどのように移動したかの傾向が見られる調査であり、興味深い。

さて、まず外国人住民が7年ぶりに減少した。まあ、これは分かりやすい。ただ、大都市から地方という移動はほとんどマクロではみられない。相変わらず、減少率が高い(この1年で1%以上減少)のは秋田(1.40%)、青森(1.23%)、岩手(1.16%)、山形(1.13%)、福島(1.02%)といった東北勢に新潟(1.01%)、高知(1.09%)、長崎(1.09%)である。人口減少が進んでいるところが相変わらず、人口減が激しい。さて、それではどこが増えているのかというと、埼玉、千葉、東京、神奈川の一都三県+沖縄であり、これまで人口増が進んでいるところが相変わらず増えている。きれいに勝ち組と負け組が別れている。東京は昨年に比べると社会増の数が減っているということらしいが、それでも47都道府県の中で神奈川に次いで多い二番目のポジションを得ている。なんてことはない。コロナ禍でも相変わらず、人々は東京に引っ越して来ているのだ。

今後の地方を展望すると、追い風どころか向かい風の強風が吹き荒れているような模様だ。なぜなら、地方に雇用を創出していた工場がどんどんと閉鎖されているからだ。栃木県真岡市のホンダ、豊田市のキューピー、新発田の京セラ、川崎のJFEスチールなどである。これらを後押ししているのは、高度成長期につくられた工場の老朽化や、人工知能などの第四時産業革命への対応、そして経営合理化。

地方で雇用がなければ東京に出てくる(もはや大阪ですら怪しい)ことになるが、その肝心の東京がオリンピックの敗戦処理でこれから経済的に混迷していく。こりゃ、まじで東京でもスラムが出来るような悲惨な状況になる。そういう状況を回避するためには、地方で産業をつくらなくてはダメだ。いや、本当、不味いでしょう。とはいえ、本当に美味しいものは東京ががめるからな。まあ、オリンピックをがめたら罰が当たったけど。そもそも、地方選出の国会議員のほとんどがその地方を知らないで東京育ちだから、そりゃ、ほとんどの国会議員が地方のことをどうしようなんて本気で考えない。私の目の黒いうちに何か大きく、日本を変えるようなことが起きるかもしれない。しかし、それは東京を否定するような、首都機能移転ではなく、既存の都市への首都移転といった大胆なことになるであろう。まあ、行き詰まって戦争やって敗戦からの復活、といったようなバカなことは二度と繰り返してほしくないと強く思うが。話が随分と横に逸れたが、まあ、コロナで東京から地方へ人が移動ということはほとんど見られなかったということが分かった。せいぜい、ちょっと多摩川を越えて武蔵小杉に住む人が増えたというぐらいの変化であろう。

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