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カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』 [書評]

イタリア人の理論物理学者の「時間」論。時間という極めて難解なテーマに対して、一般的な読者にも分かるような丁寧な文章で分析・解釈が為されている。「時間とは人間が生み出すものだ」という論点は、最初は相当戸惑うが、読み進むにつれ、極めて優れた考察であることが理解できてくる。ある意味ではコペルニクス的転換ともいえる時間の解釈であるが、説得力があり、生きることの貴さを改めて理解させてくれるような本である。ここ数年、読んだ本の中でも最も個人的に価値を見いだした本でもある。
私は、圧倒的にいわゆる「文系」的な科目が入試的には得意だったにもかかわらず、間違って「理系」に進んでしまったのは、こういうことに強い関心があったからだな、ということも思い出させた。大学に入ったら、疲れてすべてそういうことも忘れてしまったけど、高校時代には関心があったことを思い出した。


時間は存在しない

時間は存在しない

  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2019/08/30
  • メディア: Kindle版



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