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中崎町を訪れる [都市デザイン]

大阪市の梅田そばにある中崎町を初めて訪れる。もう19時を回っていたので、夜の中崎町であるが、近年、若者に注目されているスポットということで興味津々で訪れた。さて、中崎町は大阪の北の中心地である梅田から歩いて10分もしないで着くことができるような距離にあるが、雰囲気は独特である。阪急、東海道本線、大阪環状線という高架の鉄道が三本走っていて、空間的な雰囲気は大久保っぽい。実際、エントレプレナーが多いという点でも共通しているが、大久保が韓国を中心としたアジア勢であるのに対して、中崎町はちょっとお洒落な若者というところが違う。カフェや古着屋、などが古くからある居酒屋や食堂と違和感があるようで、うまく調和しているところが魅力である。
 とはいえ、梅田駅から近いということもあって、専門学校、オフィスビルなどが立地していて、さらには高層マンションも建っていて、そのカオスぐあいはブレードラナーのようである。ブレードランナー的な都市景観といえば、東京だと三軒茶屋が相当いい感じを出しているが、中崎町もなかなか負けていない。
 中崎町は第二次世界大戦で奇跡的に被爆を回避することができたので、モータリゼーション以前の区画が多少、残っている。このメーズというかダンジェン的な都市空間は、ちょっとわくわくさせる。この点は下北沢と同様だが、ほぼ畑だった下北沢と違って、昔から市街地であった中崎町の方が、その点では下北沢に勝っている。とはいえ、中崎町を分断するような幹線道路が通っており、これが中崎町のいい雰囲気を台無しにしているので、総合的には下北沢に軍配が上がるであろう。とはいえ、下北沢も分断される都市計画道路が計画されているので、いつあのアーバンな雰囲気が壊されるかは分からない。
 中崎町の個性ある店舗は、私が訪れた時はその多くが閉店していたが、それでもそのセンスのよい雰囲気のよさは感じられた。ただ、空を見上げると高層マンションやオフィスビルとのギャップが強烈だ。総じて、アスファルトジャングルの裂け目に美しい雑草が咲き乱れているといった感じの町であろうか。

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