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ヨドバシカメラのサービスの悪さに、日本のサービス産業劣化の兆候をみる [商店街の問題]

DVD-ROMが急に入り用になったので、ヨドバシカメラの京都店に向かう。その後、知人と会う約束をしていたので時間はない。急いで買わなくてはならない。地下一階で「DVD-ROM」を購入したいのだが、と店員に尋ねると2階ですね、と言われる。急いでエスカレーターに乗った時、ふと、もしかして映画などのDVDと誤解しているかもしれないと考え、再確認のため1階で降り、また店員に言う。今回は「コンピューターのデータなどを記憶するためのDVD-ROM」としっかりと伝える。すると、店員は「2階かな、地下一階かなあ。ちょっと分からないので尋ねてきます」と言ってくる。そんな待っている時間もないので、隣にいた女性の店員にも尋ねると、「分からない」と言う。「店員ですよね」と確認すると、「そうだ」と答える。これは、どうしょうもないな、と途方に暮れるが、二階はいわゆる映画などのコンテンツとしてのDVD、そして地下一階はパソコン付属品とあるので、これはやはり地下一階かなと向かう。そこで、支払所にいた二人の男性店員のうち、一人に同じ質問をすると、「分からない」と言う。この店員は中国人で、可哀想にちょっと困惑をしていた。そこで、隣で我々の会話を無視していた店員に聞くと、「ああ、それなら記憶媒体のコーナーにありますよ」と回答する。隣で同僚が困っているならもっと早く言えよな、と内心、その冷たさに腹を立てつつ、急いでそこに行き、購入する。
 DVD-ROMなどは過去の遺物のようなもので、それを購入するような客は少ないかもしれない。しかし、置いてあるのであるなら、どこに売っているかぐらい知っていてもいいだろう。
 このような体験は、京都では薬屋やホーム・センターでも経験したことがあり、店員がどこに何を売っているかを知っていない。これは、ほとんど東京では体験したことがなかったので、驚いたりはしていたが、今回のヨドバシカメラは4名に聞いて分からない、というちょっと愕然とするような体験であった。
 私は日本のサービス産業の水準の高さは世界一であるとかねてから思っていた。ドイツなんかはあまりにもサービスが悪いので比較する意味もないが、オランダ、フランスの劣悪なサービス、さらにはアメリカのサービス産業の客への配慮の欠如などを経験していたものとしては、日本のサービス産業は本当に優れていると考えていた。いや、このサービスのよさが、付加価値を低めてしまっているというのはあるのだが、それゆえに日本の消費者はある意味で世界一、幸せな購買体験ができている。これが、またインバウンドの中国人の観光客が、日本においてメイド・イン・チャイナの商品を買う理由でもある。
 しかしですね、ヨドバシカメラの京都店はサービス悪すぎでしょう。いや、サービスの態度とかではなく、サービス産業に従事している人が持っているべき、商品知識や販売場所、これを有していなかったらまったくもって専門家ではない、というような能力を欠如している。というか、コンピューターやロボット以下である。確かに、私もヨドバシカメラの入り口に、ナビロボットとかいれば、こんなストレスフルは思いをしないで済んだかもしれない。そして、それは世界でも最高レベルであったサービス産業が劣化していることを私に気づかせてくれた。
 最近、読んだ週刊誌に、日本はそのうちアジアで最貧国になる、というような記事が載っていたが、ゆとり教育や働き方改革といい、日本の優れた労働者の質を悪化させるような施策を進めてきた成果がそろそろ顕在化されてきたということだろうか。そのようなことをヨドバシカメラの京都店にて気づかさせられた。

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中国の通関で足止めを喰らい、罰金を取られる [地球探訪記]

中国から日本へ帰国する際、通関で足止めを喰らい、別室に連れて行かれる。何だ、何だと思ったが、どうもビザでの滞在期間の上限14日を1日オーバーしていたらしい。そんなルールがあることを迂闊にも気づかないでいた。一日オーバーするごとに罰金500元を取られる、ということで罰金を払うことになった。現金を持っていたので、問題なく対応できたが、現金を持っていなかったら面倒なことになっていたかもしれない。この手続きに1時間近くかかり、早めにチェックインしていたのでよかったが、ぎりぎりの時間であったら飛行機に乗り損ねたかもしれない。

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中国の農村を走っているゴルフ・カートのような電動の乗り物に日本の地方におけるモビリティ改善の可能性を覚える [サステイナブルな問題]

崇德村を歩いていると、自動車、自転車、オートバイ(電動オートバイ)に混じって、軽トラをさらに小さくしたようなゴルフ・カートのような電動の乗り物が走っている。農家にもあり、自動車に比べてずっと安いようだ。さらに、学生達のヒアリングから、この乗り物はどうも免許もいらないそうだということを知った。崇德村の集落によっては買い物をするのに20分ほど歩かなくてはいけないところもあり、そういう意味で、この自動車未満、自転車以上の乗り物で移動できることは高齢者にとっては有り難いことであろう。
 さて、最近、日本では高級車に乗った高齢者が人をひき殺す事件が頻繁に起きている。これらの加害者は、エリート人生を歩んできた人もいたりして、被害者の人はもちろんだが加害者も一瞬で、それまで積み上げてきたものが木っ端微塵になってしまい、人生が滅茶苦茶になっている。
 このような悲惨な事故がなぜ、生じているのか、というと自動車に乗っているからである。上記のような事故は、東京都港区、東京都豊島区などでも起きているので、これらの加害者は自動車を運転する能力が高齢によって失われてしまったのに、それを自分の都合で手放せなかったという点であまり同情する余地はないが、日本の地方であれば、高齢になっても自動車を手放したら生活していくことが極めて困難になるような人もいるだろう。これは、自動車依存を高めるような道路整備事業に邁進してきた日本の役所の瑕疵であると思うが、そのような責任を追及することより、現実的に自動車依存の生活を余儀なくされている人達には、この崇徳村のゴルフ・カートのような乗り物で移動するようなシステムに転換するといいのではないかと考えた。
 これは速度は出ないが、歩くよりはずっと楽だ。そして、仮に人に当たったとしても、怪我はするだろうが、事故による死亡率は大きく減るのではないだろうか。道路を走行する際に、自動車とこの乗り物との速度差は危険であるが、まあ、そこらへんは自動車運転者のモラル向上でフォローすることはできると思われる。
 また、このような自動車の代替案を提示することで、免許を返上したくても返上できない人達へのインセンティブになるかもしれない。自治体によったら、ある程度の年齢に達していないのに免許を返上してくれた住民には、このゴルフ・カートのような乗り物を購入する際の3割ぐらいを補填するというような措置を採ってもいいかもしれない。
 高齢化時代における新しい乗り物の可能性のようなものを感じた次第である。

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トランプは移民排斥で支持を得ているが、自分の母親も2人の妻も移民。さらに妻の両親を大統領になった後にアメリカに移民として受け入れている。 [トランプのアメリカ]

トランプ大統領はアメリカ人の移民嫌いという心情に訴えるという選挙活動をして、2016年の大統領選に勝つことができた。アメリカ人はそもそも、アメリカ・インディアンを除けば全員が移民なので、これはまさに芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」を彷彿させる身勝手さであるが、ある意味、アメリカ人をもっとも的確に表現する形容詞は「身勝手」かなとも思うので、今更、そんなことで批判する気はない。
 さて、トランプ大統領は自分が大統領としての支持基盤を維持するためには、何しろ、この移民排斥を進めなくてはならないということは理解しているようで、多くの移民苛めを行ってきた。具体的には、アメリカに入国できない国を8ヶ国指定した。移民ではなく、難民の受け入れの数(年間)を歴代最低にした。移民の子供に対しての保護を促す連邦プログラムをキャンセルした。ハイチ、ニカラグア、スーダンの出身者には暫定的に保護するプログラムがあったがそれを廃止した。そして、国境から入ろうとした移民の親子を分離させ、その子供を第二次世界大戦で日系人を隔離していたような施設に入れ、既に数名の子供がここで亡くなっているような状況にあるが、それをトランプは、移民達がアメリカに来たがらなくなるので効果はあるとさえ嘯いている。さらには、不法移民を警察を使って探し出し、国から追放する施策をも遂行しようとしている。
 このようにトランプ大統領は、移民を排斥し、苛めることでその支持基盤の要望に応えているのだが、トランプ大統領は日系人でいえば3世という、つい、最近、アメリカに来た家族の子供である。というか、母親は成人するまでスコットランドで育っていたから、母親側からみれば2世、すなわち移民の息子である。
 そして3人の奥さんのうち、二人は生粋の移民であり、英語もろくに発音出来ない。二人ともなぜかスラブ系であるのは興味深いが、なぜトランプ大統領の支持者が、奥さんを平気で受け入れるかは不思議である。ちなみに、英語圏出身ではない大統領夫人は、アメリカ合衆国の歴史はじまって初めてである。というか、アメリカ人ではないのもアダムズ大統領の夫人がイギリス出身であった以来、190年ぶりである。まあ、おそらく移民排斥というよりかは、有色人種が嫌いな人種差別が根底にあるのではないか、とも推察する。つまり、自分達と同じ欧州人が移民としてくるのはよくても、メキシコ人や我々日本人を含むアジア人、そしてアフリカ人などが移民として来るのは嫌なのだろう。
 その証拠に、奥さんのご両親が最近、スロベニアから移民としてアメリカ合衆国に受け入れられた。一方で移民排斥をしていて、自分の家族は平気でアメリカ人として受け入れる。このご都合主義、身勝手さこそ、トランプの特徴であるが、それはトランプを支持しているアメリカ人も共有していることである。
 私はアメリカで7年間暮らしていたこともあり、アメリカには特別な思いがないわけではないが、もはや、国としてはナチスが台頭したドイツのようなろくでもない国になっていることは、日本人は理解していた方がいいと思う。私がトランプの批判をすると、大抵、団塊の世代であるが、妙に反抗する人がいるが、こういうアメリカに洗脳された世代の言うことをまともに受け入れているととんでもない目に遭うと考えている。

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四川料理は流石に美味しい。が、いい気になって食べていたらお腹を壊した [B級グルメ雑感]

中国料理は4つに大きく分類されるようだが、そのクオリティからすると四川料理と広東料理の二頭であると捉えられているようだ。そうなのか。さて、そのうちの一つの四川料理であるが、その特徴は唐辛子や花椒などの香辛料を調味料として多用していることである。私が滞在している成都のホテル周辺はレストラン街らしく、レストランが多いが、それらの多くは火鍋料理である。火鍋料理以外のレストランに入ろうとすると、ちょっと探さなくてはならないほどだ。
 火鍋はクアラルンプールとかバンコクでスチームボートという名で食したこともあるし、日本でも食べたことがあったが、流石、本場は驚くぐらい美味しい。鴛鴦火鍋と呼ばれている鍋は、唐辛子が強烈に効いた赤いスープと比較的マイルドな白いスープとに二つに仕切られている。どうも見ていると野菜などは白いスープに入れるようだ。これらのスープにしゃぶしゃぶのように豚のホルモンや鶏肉を入れて、それを薬味を入れたセサミ・オイルに浸して食べる。薬味は葱やニンニク、胡椒、砂糖、唐辛子(なぜ、さらに辛くする)、パクチーなどを自分で適当に調合する。セサミ・オイルで辛さを調和するので、まあまあ食べられる。とはいえ、辛い、旨いと強烈で多彩なる香辛料の味覚攻撃に舌が喜ぶが、私はあまりお腹が強くないので注意深く食べていた。舌の快楽のために身体を壊すわけにはいかない。
 さて、接客はほとんど火鍋が多かったことや、ホテル周辺で食事をしようとすると火鍋だらけだったのだが、やはり火鍋以外の四川料理も食べたい。ということで、麻婆豆腐と担々麺を食べに行った。
 麻婆豆腐は火鍋以外の本格的四川料理屋にもメニューにはなく、もしかしたらこれは焼きそばやチャーハンのような庶民的な料理なのかもしれない。ということで、普通の四川料理屋を探して入って食べたのだが、これは人生初めてというぐらい美味しかった。香辛料の使い方が上手すぎるのだ。四川料理の辛さを唐辛子や花椒ではなく、化学調味料を使う場合が多いそうだが、ここは別に高い店ではないが、しっかりとこれらの香辛料を使っているのだろう。鯉の料理を注文したが、これは、もう香辛料の海に鯉が浮かんでいるような料理であった。これも香辛料の美味しさが際立っていた。
 そして坦坦麺であるが、これは本当、立ち食いそば屋のようなお店で出ている。9元ということで150円ぐらいか。麺は今一つだが、流石スープは美味しいと感心したのだが、これを成都で一緒になった東京大学に留学していた北京大学の先生に言うと「いやいやそれは逆でしょう」と言われた。スープは日本のラーメン屋の方が美味しいが、麺はまだ中国には及ばないとのこと。そうなのかなあ。それほど納得しなかったが、私が食べたのは日本でいえば日高屋のラーメンみたいなものなので、もしかしたら絶品の麺が中国にはあるのかもしれない。
 これら以外には、私が日本で食べ慣れているものとして、青椒肉絲、回鍋肉、排骨麺、排骨飯などを食べた。さらに、火鍋以外の高級四川料理レストランにワークショップの初日と最終日に連れて行ったもらったが、そこでは麻婆茄子、棒々鶏、鶏肉とピーナッツの辛子炒め、辣子鶏などを食べた。どれもが、日本で食べたのとは比較にならないぐらい美味しく、本当感心する。
 さて、しかし旅行の前半は注意をしていたのだが、二週間ぐらいこちらに来ていて、徐々に舌が辛さに馴れていたこともあり、最終日の高級四川料理レストランでは、こちらの強烈(50度以上)なお酒と一緒に、思わず「旨い、辛い、旨い、辛い」と食いしん坊に食べていたら、流石、その日の夜に強烈な下痢を体験してしまった。舌が辛さに馴れても、お腹は馴れてはいなかったのだ。どうも、強烈に辛い火鍋を食べて死んだ人もいるそうだから、気をつけないといけないと反省した。いや、あとの祭りですが。

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(火鍋。見ての通り、強烈に辛いです)

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(火鍋には豚、鶏、羊などを入れます)

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(タケノコの名産地なので、タケノコ料理もたくさんあります。これはあまり辛くなかったです)

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(地元の名酒だそうです。50度以上ある、米老酒のようなものでしょうか)

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(貝割れを豚肉で巻いた料理)

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(キノコスープ。これは絞めで出てきます。辛くありません)

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(スペアリブのような料理。山椒が効いていて大変美味)

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(魚料理。多くが川魚です)
タグ:四川料理
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成都の麻雀 [地球探訪記]

成都はどうも麻雀が随分と盛んな地域であるようだ。そして、我々がフィールドワークをした崇徳村も、もうあちらこちらで麻雀がやられている。商店街の中でも一番、多い業種は雀荘のような印象を受ける。もちろん、雀荘以外でも麻雀はやられている。ただ、やはりこちらの人も圧倒的に全自動宅でやりたいらしく、全自動宅で麻雀ができる雀荘は人気のようだ。
 さて、そこで我々もチャレンジしてみた。日本と中国ではルールが違うというのを聞いていたが、実際、やってみてその違いの大きさに驚いた。まず、字牌がまったくない。そして、牌も二種類だけである。そして、なんと手持ちの牌は13牌ではなく10牌であり、11牌目で上がりとなる。あとリーチがないのと、ふりテンがない。こちらでは漫画「ふりテン」君の意味が通じないであろう。さらにはチーができない。これがどういう意味か。日本とは役を上がる確率が大きく異なるようになることだ。例えば、清一色は相当、上がりやすい役となる。逆にイーペイコウは上がりにくくなる。チーができないので、タンヤオは攻撃力を失う。牌数が少ないのでトイトイは有利である、などだ。また、一人上がっても、そこで終わらず、ドベが決定されるまで続けられる。このため先上がりがどうも得ではないようで、敢えて聴牌からイーシャンテンに戻すような打ち方をしている人も見つけた。
 皆、凄い早さで牌を捨てている。日本の麻雀のように捨て牌を読むような必要もないからだ。なんか、楽しいのかなあ、とも思うが、この普及具合は日本の麻雀よりずっと簡単なルールであるかもしれない。あと、気になったのは点数の数え方だが、これはよく分からなかった。

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(崇徳村の雀荘)

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(崇徳村の雀荘で麻雀を楽しむ大学生達)

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(雀荘以外のところでも麻雀は楽しまれている)
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八村塁の25得点、9リバンド、2ブロックの活躍 [スポーツ]

 ちょっと前になるが、7月11日のサマーリーグでのホークス戦で、八村塁は25得点、9リバンド、2ブロックの活躍をする。スリーポイントも3本のうち2本を決める。その活躍ぶりは次のユーチューブで見ることができる。
https://www.youtube.com/watch?v=F-ZAW-gry_0
 解説者は、ちょっとカワイ・レナードを彷彿させると述べている。カワイ・レナードは今年のファイナルMVPである。ある意味、絶賛に近い。ミッドレンジ・ショットのフィールド・パーセンテージが高いことが、彼の武器なのだろうが、これからスリーポイントまでレンジを広げられれば、相当の名選手になることも可能であろう。サマーリーグはプロ野球でいえば、オープン戦のようなものだが、それでも活躍しないより活躍した方がずっとよい。幸先がよいスタートになっている。

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言葉がまったく分からない中国でコミュニケーションのことについて考える [グローバルな問題]

中国の成都にて、国際ワークショップを行っている。ホストとなってくれている大学は四川大学で、国立台湾大学、北京大学、ワシントン大学(アメリカ)、そして私が奉職する龍谷大学の学生が参加している。大学院生と学部生を連れてきているのだが、大学院生はどうにか頑張れているのだが、学部生はもうお手上げという感じである。これは、語学の問題が大きく立ちはだかるので致し方ないところもある。そもそも、ワシントン大学が参加するので、当然、共通言語は英語かと思っていたが、ワシントン大学から来た3名の学生は全員、中国語がぺらぺらなので共通言語がほぼ中国語になってしまったからだ。これは、私も想定外の事態で大いに戸惑った。
 さて、しかしいつまでも嘆いていても仕方がない。私は英語ではほぼ問題なくコミュニケーションができるが、それ以外でもドイツ語(2級)、スペイン語、ポルトガル語と学んでいたのと、フランス語を高校と大学でやっているので、ここらへんの言葉であれば、なんか言っていることの幾つかの単語などを拾うことはできる。まったく分からないという訳ではない。しかし、中国語は麻雀用語と中華料理以外はまったく分からない。もう、本当、しゃべっているのを聞いても宇宙語のようにしか聞こえない。これは、相当のピンチだ。でも、このままの状況は不味い。
 ということで、とりあえず、「あなたの名前は何ていうのですか」「本当ですか」「はい」「いいえ」「こんにちは。ご機嫌よう」「すいません」「いいえ、大丈夫です」「有り難う」「どういたしまして」「美味しいです」「最高!」「ビール」「これは何ですか」「なぜ」ぐらいは言えるようにした。もう50代も後半なので、本当に記憶はできないが、それでもiphoneの動画に知り合いの中国人に発音を吹き込んでもらったのを何回も聞いていると、少しは記憶に定着する。もちろん、ほとんど通じないし、仮に通じても、相手が返事したことはまったく分からないので、コミュニケーションにはならないが、それでも気持ちは通じる。何か、壁のようなものがなくなるような気がするし、相手は悪い気持ちに決してならない。
 それをなぜか日本の私が連れてきた学生はしないのだ。どうも一人は中国語を第2外国語で取っていたらしいので、本当に練習するいい機会なのに、こういうときはなぜか英語をしゃべろうとする。ううむ、不思議だ。
 コミュニケーションは語学の出来の良し悪しだけでは決まらない。相手を知ろうとすること。相手によく思ってもらいたいという気持ちを持つこと。それによって、全然、円滑になるのではないか、ともう言葉がほとんど分からない(とはいえ、漢字なので、そういう点では多少は通じる)中で思ったりした。

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道明村にある竹芝村で日本語が達者な宿屋の経営者と話をする [都市デザイン]

崇徳村でフィールドワークをしているのだが、外国人はいわゆる民宿には宿泊できなく、ちゃんとした宿に泊まらなくてはいけないらしく、近くの道明村にある「竹芝村」というリゾートにあるホテルにて宿泊している。この「竹芝村」は田園風景が売りらしく、どことなく福島県とか茨城県を彷彿させるような風景が広がる。自然景観が優れている訳ではまったくないのだが、まあ、ちょっと落ち着くような田園風景ではある。そこには、このホテル以外の民宿も多くあり、散歩がてらちょっと覗いていたら、なんと日本語がぺらぺらな方がオーナーの民宿があった。これは研修生で以前、山梨県に住んでいたからだそうだ。
 そこでいろいろとお話を聞いてみた。まず、このオーナーは成都に家があり、この宿を弟と友人の3人で出資したつくったそうである。キャピタル・コストは7500万円ぐらいだそうだ。そして、ここは1泊およそ1万5千円ぐらいだ。二食付きであるだろうが、なかなかの値段である。ちょっと日本より高いような気がする。目の前に浅間山や富士山が見える訳ではないので、この値段はちょっと割高だ。ただ、部屋はみてないので、もしかしたらとても豪華かもしれない。とはいえ、温泉もないだろうし、やっぱ高いな。
 お話を聞きながら、ついでにお茶と食事をいただいた。食事は餃子と刀削麺であったが、4人でなんと300元であった。4500円ぐらいか。お茶は確かに相当、美味しかったし、料理も相当美味しいと思ったが、それにしても値段は高い。日本より高いような印象だ。
 このオーナーはまだ40歳代ぐらいかと思われるが(年齢は教えてくれなかった)、自動車はBMWだ。旦那さんはアウディに乗っているようだ。ほぼ毎年、冬には日本のスキー場にバカンスで行くそうだ。北海道に多く行くということだが、そんなことは私は到底、お金がなくて出来ないので、相当、儲かっているのかもしれない。なかなか羽振りはいいという印象だ。
 しかし、温泉もなく、平凡な田園風景が売りで、この値段であることを考えれば、中国人がインバウンドで日本に来たがるのはよく分かる。日本はいつの間にか、物価が安い国に成り下がってしまったのだな、ということによく気づかされた。

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(なかなかお洒落な民宿である)
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崇德村の農家の年収 [グローバルな問題]

崇德村の農家に住む3人の老婦人に取材をする。彼女らは年金は一切もらっていないのだが田んぼを貸しているので年間で2000〜3000元ほどの収入があるそうだ。とはいえ、これはマックスでも48000円ぐらいということだ。月で割ると4000円になる。驚くほど少ないな。ということで、息子さんは青海(せいかい)の土木工事に出稼ぎに行くようである。この出稼ぎでの仕事は年間で200000元ほど稼げるそうだ。これだと32万円か。まあ、48000円と比べれば相当いいが、大きく状況を改善するほどでもない。しかし、なぜ50分で通える成都で仕事を探さないのだろうか。という疑問も湧くが、これは彼らの能力ではそのような仕事にありつけないからだそうだ。いろいろと中国の農家も大変そうである。

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崇徳の村にある小学校を訪れる [地球探訪記]

崇徳の村にある小学校を訪れる。校長先生のお話を聞く。校長先生が赴任した時は学生数は210人だったが、現在は180人となっている。この村は小学校までしかない。小学校を卒業するとどうなるのか。校長先生に尋ねると、分からないという。なぜ、分からないのか、最初は不思議であったがこれは戸籍の問題で、いわゆる都市戸籍を有してない人は都市に出ても内緒か、私のような外国人に報告するような内容ではないことから分からないと回答したようだ。
 ちなみに中国の学校制は9年制。現在、これを12年制に変えようとしているそうだ。9年制を開始したのも20年前である。この小学校の前に包子屋があるのだが、そこのご主人は33歳であるが、小学校卒である。というと、ちょうど最後の小学校卒になるのであろうか。ちなみに中学校はこの村にはないので、公立だが寄宿舎に入る形となる。あとデータはないが、大学にまで行くとほとんど村には戻ってこないそうである。これは、大学まで行くと都市戸籍が取れるからのようだが、ここらへんのシステムを私はまだしっかりと理解していない。
 小学校は村のほぼ中心に位置し、この村の社会的にも中心としての役割を担っていると思う。建物はコンクリートの4階建てである。小学校としては、読書と道徳に力を入れているそうだ。特に前者は入学試験に求められるので重要なそうだ。小学校の運営に関しては、共産党と児童の父母からの支持が不可欠であるようだ。先生の給料はとても安く、校長先生の仕事はこれを補填するような財源を確保することらしいとの説明があったが、具体的な数字や保全方策は聞けなかった。中国はしっかりと教育に力を入れているというイメージがあったが、崇徳のような村レベルであるといろいろと大変な問題が山積みされているようであった。









タグ:中国 小学校
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崇德村の林盤 [グローバルな問題]

崇德村周辺には林盤という農業村落コミュニティが分散されてある。これらは大体10戸から100戸単位で、経済単位であるだけでなく社会単位でもあるそうだ。これらの林盤は、ライバル関係にもあり、特に水利権などでは交渉単位になっているようだ。
 この林盤は前近代的なシステムであると中国政府は判断をして1980年頃から、農地拡大という名目で市街地へと強制移住させる政策をとってきた。市街地へと移住させられた農民は生業であった農業を止めることになるが、代わりに補助金をもらえるので生活をすることはできる。居住先の市街地の住宅は二階建てで一階は商いができるようなつくりにっているが、農家を辞めて商業をするのはよほどの才覚がないと難しいであろう。結果、崇德村の市街地にあるこのような建物の1階はシャッターが閉まっている。いわゆる日本のシャッター商店街は、客が遠のいて店を閉じてしまった訳だが、こちらのシャッター商店街はそもそも最初から店をやっていない。
 さて、そのような元農民が市街地に住むようになって何をやっているか、というと麻雀である。朝からやっている。若者がそもそもいないので、やっているのは高齢者である。女性も多い。麻雀自体は、成都でもよくやられていて、そもそもこの地方では相当親しまれている遊戯ではあるのだが、ここ崇德村はちょっと異常に近い。雀荘の数も半端ではない。10軒以上はある。カフェというか、簡単な食事処よりも多い。崇德村の人口は4000人であることを考えると、また雀荘以外でも麻雀はやられていることを考えると凄まじい、そして、彼らはよく観察すると賭け金が結構、多い。彼らの平均年収は18000元。すなわち、27万円ぐらいであるが、平気で20元札や50元札が行き交っている。ちょっとギャンブル依存症になっている高齢者が多そうで他人事ながら心配だ。また、ちょい悪風情のおじさんがおばさんからふんだくっている様子も見られる。ギャンブルは犯罪の温床にもなる。見ていてこの状況は心が痛い。
 林盤を前近代的であると判断したことは政策的には間違いであると中国政府も最近になって気づいたそうだ。とはいえ、まだ残っている林盤に住んでいる住民に話を聞くと、中国政府がお金を払ってくれるのであれば、市街地へ引っ越したいと言う。何か大切なものを失っているようにしか思えないのだが、それは傍観者の戯言にしか過ぎないのであろうか。

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「林盤の住民に取材をする四川大学の学生達。おばさんもチベットに出稼ぎに行ったことがあるそうだ」

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「林盤の中を通る道」
タグ:林盤
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崇德村のコミュニティを訪れる [地球探訪記]

成都市から車で小一時間ぐらいのところにある崇州市の崇德村のフィールドワークを四川大学、国立台湾大学等の学生達と一緒に行っている。龍谷大学政策学部の学生も3名ほど参加している。住民の状態などはよく分からないので、取材をするしかない。ということで、ある村落に入って学生達が取材するのに同行する。
 この村落は19戸。皆、同じ名字らしい。最初に取材をしたのはおばあさんとおばさん。その後、いろいろと村落の人達もわやわやとやってきたが、取材の中心はこの二人である。おばあさんは82歳。闊達としており、とてもそのように高齢とは思えない。もう一人のおばさんは52歳。このおばさんはとても元気で、以前、チベットに出稼ぎに行き、そこで身体を壊し、心臓手術をすることになってしまった。この治療日が1万元。保険で補填してくれたのはわずか2000元だったので、せっかくチベットにまで行ったのに元が取れなかったようだ。
 なんか凄い話だなと思ったが、どうもこの村落の人達はチベットや青海(せいかい)に土木工事で出稼ぎに行くようだ。チベットとの間に道路や鉄道などのインフラを整備して、より支配下におこうとしている中国政府の野心も見え隠れする。我々の話に途中から入ってきたおじさんもやはりチベットに行っていたそうだ。ただ、人の指図を受けるのが嫌なので、お金が稼げなくても自由な農業をやるためにここに戻ってきたそうである。
 このおばさんが住んでいる家はなかなか立派で、中庭などもあり、最近のシリコンバレーの金持ちが大金をはたきそうな家づくり(最近のシリコンバレーの金持ちはどうも自宅で農業というのが流行りだそうだ)なので、私はてっきり庄屋なのかなと思っていたが、おばさんの話だと収入もなく、とても貧乏だということだそうだ。本当かよ、と思ったりもしたが、チベットに出稼ぎに行くぐらいなのでこれは事実なのであろう。
 この二人に、どこかこの地区でよい所は?と聞いてもらったが、「何もない」とのこと。さらに、周辺につくられている郊外住宅風の強制移転された人達向けの住宅地には是非ともチャンスがあれば引っ越したいという。ただ、この周辺では最も洗練された環境共生型住宅の「五星村」はあまり好きでないようだ。その理由は、妙に周辺の農地と共存していて近代的ではないからだからだそうだ。とはいえ、政府のお金が出ればの話で、自分達では一元も払いたくないそうだ。
 82歳のおばあさんに成都のマンションに引っ越したいか、というと躊躇なく、引っ越したいと言う。そこで私が、しかし友達がいなくなると寂しいのでは、と尋ねると、友達と一緒に引っ越したいという。日本だと農村から子供がいる都会に高齢者が引っ越すと早死にするということをちょっと指摘したい気分にもなったが、それは遠慮した。
 いろいろと唖然とする私に、友人の国立台湾大学の先生は、「この人達の言葉を真に受けたらダメだ。これだけ周辺の環境をしっかりと管理している人達が、土地に愛情がない訳がない」と言ったので、そうかも、と思ったが、私はそれでも現状に対する相当のストレスがあるなとは感じた。

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NBAチームの強豪地図はフリーエイジェントで大きく変容した [スポーツ]

一昨日(2019年7月6日)、今年のファイナルMVPのカワイ・レナードがロスアンジェルス・クリッパーズへと移籍することを発表した。トロントを初優勝に導いたヒーローであり、トロントどころかカナダの英雄とでもいえる彼だが、それでも生まれ育った街への思いは断ちたがったのであろうか。優勝未経験どころか、コンフェレンス決勝へも進んだことのないクリッパーズへの移籍となった。さて、しかし、その条件がベスト・ツー・ウェイ・プレイヤー(オフェンスとディフェンスともに優れている選手のこと)の誉れも高いポール・ジョージをトレードで獲得することだったらしく、クリッパーズはレナードだけでなくジョージまで獲得することに成功する。昨シーズン(というか、今シーズン)、ウォリアーズとプレイオフの第1ラウンドで2勝した実績に加え、オールスターのレナードとジョージの加入は、相当のてこ入れであり、コンフェレンスの優勝候補の一画を占めることになる。
 さて、クリッパーズと同じぐらいアップグレードしたのは、同じくプレイオフの第1ラウンドで敗退したブルックリン・ネッツで、オールスター常連のカイリー・アーヴィングと現在、世界最高選手とも評されるケビン・デュラントの二人を獲得した。デュラントはアキレス腱の故障で来季(今季)は出場が見込めないが、それでも長期的には相当のてこ入れである。2021年以降はネッツはまさに東コンフェレンスの台風の目となるであろう。
 この2チーム以外に強化したチームは、直接的にはフリーエイジェントではないが、ロスアンジェルス・レイカーズである。オールNBAのファースト・チームのアンソニー・デイヴィスを獲得。彼とレブロン・ジェームズの二枚看板の破壊力は相当のものとなるであろう。ちなみにレイカーズはフリーエイジェントでもスリー・ポイントの名手、ダニー・グリーン選手を獲得する。
 ちなみにカイリー・アーヴィングを失ったボストン・セルティクスはオールスター選手のケンバ・ウォーカーを獲得し、ケビン・デュラントを失ったゴールデンステート・ウォリアーズはやはりオールスター選手のディアンジェロ・ラッセルを獲得する。一方、カワイ・レナードとダニー・グリーンを失った昨季の覇者であるトロント・ラプターズは今のところ、動きがみられない。
 他のオールスター選手クラスでは、ブレット・バトラーはマイアミ・ヒート、クレイ・トンプソンはそのままゴールデンステート・ウォリアーズ、セルティックスのアル・ホーフォードはフィラデルフィア・シクサーズ、ブギー・カズンスはレイカーズ、アンドレ・イグアダーラはメンフィス・グリズリーに移ることになった。ただ、これらの選手は怪我、もしくは高齢のために、上述した選手のようなインパクトは与えないであろう。
 今年はフリーエイジェントの大物がケビン・デュラント、カイリー・アーヴィング、カワイ・レナードと多くいたこともあったのと、クレイ・トンプソン以外はチームを替わったこともあって、NBAチームの強豪地図は大きく変容した。
 私が応援するウォリアーズもデュラント以外にイグアダラ、カズンスがいなくなり、寂しい限りである。トンプソンが怪我で来年の春までは復帰が見込まれないこともあって、もう優勝どころかプレイオフ出場も危ないんじゃないのか、とまで言われる始末である。しかし、レブロン・ジェームズといい、カワイ・レナードといい、東コンフェレンスの名選手が西コンフェレンスに来ることになり、そうでなくても激戦区の西はまた随分と厳しいコンフェレンスになった印象である。
 

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台湾人の友人に日本はアメリカを過大評価していると指摘される [トランプのアメリカ]

四川大学のワークショップには国立台湾大学の教員、学生達も多く参加している。国立台湾大学の引率教員は私のバークレイ時代の大学院の友人である。もう25年間の付き合いだ。彼女はその後、メリーランド大学でも教鞭を執ったり、旦那もアメリカ人だったりしたので、アメリカ人のことについては相当、よく知っている。ちなみに日本でも大学の客員研究員を1年ほどしていたので、日本についてもよく知っている。
 その彼女とトランプの話をした。日本人はマスコミを始めとしてトランプを過大評価している。実態以上に遙かに賢かったり、交渉上手であると思っている、と述べた。このような認識はアメリカもトランプが当選した直後には持っていたりしたが、どんどんとメッキが剥がれ、今ではただのモノを知らない嘘つき、口からでまかせの詐欺師というのがトランプ支持者以外の共通認識だと思う。しかし、日本はまだ、トランプを現実から遊離したような過大評価をしている。そういう状況をどう思う、と彼女に聞くと、彼女は日本人はあまりにもアメリカを無批判に信用し過ぎているという。そして、非合理に過大評価をしているとも指摘した。そうなのだ。日本人はアメリカに戦争で負けて、その後、東西の冷戦状況の下、アメリカに精神的にも支配されてしまったので、何かアメリカの言うことは絶対的に正しいと無批判的に思うようになってしまったのである。
 しかし、アメリカ人がトランプのような出鱈目な人間を大統領に選出するほど無責任で、自国のことしか考えないことが明確になった今、大きくアメリカに対する考え方を改めないと本当に酷い目に遭うし、他国からも見透かされるようになるということは自覚した方がいいと、長年の台湾の友人との会話から思わさせられる。

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成都に来て、中国とロシアの近さを知る [グローバルな問題]

成都ではイビス・ホテルに宿泊している。さて、そこには大人数のロシアの大学生も滞在していた。おそらく四川大学との交流なのだろうが、ロシアと中国って結構、親交があるということを知り、驚いた。いや、驚いたのは私が無知だからであって、中国とロシアが近いのはよく考えたら不思議でも何でもない。
 改めてアメリカの核の傘のもと、私は世界をパックス・アメリカーナ的に見ていたことを思い知る。加えて、現在、トランプは各国と一対一で交渉したがり、それで成果を出せると思っているようだが、中国とロシア、中国と北朝鮮、ロシアと北朝鮮などの関係性をしっかりと理解していないと酷い目に遭うのではないかと思ったりする。彼はチェッカー(チェスと言いたいところだが、トランプの頭でチェスができるとは思えないので敢えてチェッカー)をしている積もりだろうが、実際のゲームは麻雀に近いものがあるだろう。
 そういう状況にあることを成都に来て気づく。世界はアメリカを中心に回っている訳ではない。日本はアメリカの動きにつられて状況を見ようとするが、それはオバマのように信頼できる人間を大統領に選出できる国である場合はそれほど問題がないだろうが、トランプのような卑劣感を平気で大統領に選出するような国である場合は大きく状況を見誤るであろう。

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八村塁が、NBAドラフトで1巡目全体順位9位で指名されたことは本当に凄いことだ [スポーツ]

八村塁が先日、NBAドラフトで1巡目全体順位9位でワシントン・ウィザードに指名された。この全体9位というのは、大快挙である。それ以前にも全体5位という専門誌の予測もあったので、ほんとかよ、と思ったりしたのだが、5位でなくても9位というのは凄いことである。それは、まず契約金で分かる。二年で916万ドル。約10億円である。もう、いきなり億万長者だ。
 そして八村選手が比較される時によく出てくるカワイ・レナード。今年のファイナルのMVPであり、ケビン・デュラント、レブロン・ジェームズと並んでトップ3と現時点では評される選手(ジェームス・ハーデン、ステッフェン・カレーごめんなさい)であるが、彼のドラフト順位は1巡目15位である。また、2019年のMVPであるヤニス・アデトクンポもドラフト順位は1巡目15位である。このように考えると9位という評価の高さは凄まじいものがあり驚くしかない。
 逆に全体順位9位での大物としては、2012年のアンドレ・デュレモンド(デトロイト、オールスター出場2回、リバウンド王3回)、2011年のケンバ・ウォーカー(シャーロット、オールスター出場3回)、2010年のゴードン・ヘイワード(ユタ、オールスター出場1回)、2004年のアンドレ・イグアダーラ(フィラデルフィア、NBAファイナルMVPオールスター出場1回)などがいる。
 私が応援してやまないウォリアーズからケビン・デュラントと前述したアンドレ・イグアダーラが抜け、ちょっとNBA熱も冷めそうな気分になっていたが、八村選手の活躍には俄然、目が離せなくなる予感がする。ウィザード、ちょっと今一つなチームだが、今一つであるからこそ活躍のチャンスも増えるかもしれない。

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成都を訪れる [地球探訪記]

成都を訪れる。生まれて初めてである。というか、中国はそもそもチベットと香港以外には空港でのトランジット以外では来たことがなかったのだが3月に南京を訪れ、その3ヶ月後には成都に来ている。大学を変えてから中国が急に身近になっている。
 なぜ、これまで中国に来なかったのかというと避けてきたからである。人生は短いし、私はフィールド研究の対象をブラジルのクリチバ、ドイツの縮小都市と留学をしていたアメリカ合衆国に絞っており、それでも拡散して専門性が全然、高められていないのに敢えて、広大なる未知の土地、しかも多くの日本人が既にクビを突っ込んでおり、さらにまったく中国語が分からない自分がやる必要性は社会的に皆無だなと思っていたからである。知り合いの先生で、あちらこちらの国の調査を食い散らかしてやっており、世間的には専門家とみられていても、専門家からみると何も分かっていないじゃないという人もいるので、こういう人になってはあかんなと反面教師に捉えていたこともある。こういう先生はもちろん、中国にも手を出している。
 とはいえ、いろいろな縁があり、研究生活も残り15年間を切った今、なんと中国と関係性を持つような状況になってしまっているのである。さて、しかし、これもちょっと肯定的に捉えようとしている自分もいる。もう、人生もそれほど長くないので、都市計画を研究するものとしてやはり、中国を全然知らないのも不味いだろうという気分にもようやくなってきたからである。
 さて、それで成都である。まだ三日間しかおらず、昼はほとんど市内の四川大学のキャンパスにいるだけではあるが、まず巨大なニュータウンのようで驚いた。これは、昔の都市の痕跡をほとんど一掃したということだろうか。スクラップ・アンド・ビルドを凄いスケールでやったのではないかという印象を受ける。どうも、旧市街地も保全されているそうで、そこはヒューマン・スケールの都市空間が維持されているようなのだが、まだそこを見ていないので、現時点の印象は、もう千里ニュータウンをそのまま2倍に縮小したかのような規模の都市となっている。100メートルは幅があるかと思われる大通りは上部に高速道路が走っており、その交通量は凄まじい。自動車だけでなくオートバイ、自転車も凄い量で、朝のラッシュアワーの自転車の交通量はコペンハーゲンも凌いでいる印象だ。
 商業施設は充実しており、ショッピングセンターやデパートはほとんど台北やソウルなどと遜色がないくらいだ。イオン・モールよりは洗練されているが、大丸ほどはお洒落ではないという位置づけであろうか。
 また、標高500メートルということで、涼しいのではと期待していたのだが、なんと昨日の気温は34度。京都より暑いじゃないか!学生を連れてきたのだが、京都より涼しいよ、と適当なことを言っていたので嘘つきになってしまった。
 都心部には錦江という川が流れているのだが、ドブのような臭いを放っている。急激な都市化に伴う公害は、大気汚染だけではないということに気づかされる。
 あと、飲食店が多く、食い道楽の都市なのではないかと推察する。これまで、火鍋と四川料理のお店、それに餃子屋に入ったが、火鍋や四川料理のお店はさすが本場は驚くほど美味しく、日本の美味しいと言われる四川料理のお店が大したことがないということを認識する。ちょっと人類の創造力に脱帽したくなるような美味しさである。ただし、辛さはなかなか強烈だが(とはいえ、店の人にはマイルドとお願いしている)。
 最後に成都のシンボルはパンダのようで、街中のあちこちにパンダの看板を見かける。西に車で数時間ほど行くと、パンダの生息地もあるそうで、なんかそういう話はロマンがあって個人的にとても好きだ。その地域に対してのイマジネーションを膨らませる。パンダというと竹だが、竹の植物園もあったりもして、そこもちょっと訪れたが、これは正直、期待外れだった。私でも、この植物園よりいい設計ができるような気さえした。
 ということで、まだ成都の0.1%も知っていないだろうが、とりあえず第一印象ということでメモ書きのような書き殴りをさせてもらうことをお許しいただきたい。

タグ:成都
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中国の大学とのワークショップに参画して、その即興的講義手法は音楽でいえばジャズみたいなものだなとの印象を受ける [教育論]

中国の四川大学で、台湾国立大学、北京大学、そして私が奉職する龍谷大学政策学部の学生達とで成都近郊の村の将来を構想するワークショップに参画している。最初の二日間は四川大学で、それから現地で1週間近く滞在し、そのまとめを再び四川大学に戻り実践するというワークショップである。途中からアメリカのワシントン大学の学生も参加するようだ。
 さて、このワークショップは四川大学が旅費や滞在費(食費を除く)をスポンサーする破格の条件なので、我々としても大変有り難いプログラムなのだが、何しろ、ロジスティックスや内容が直前まで決まらない。決まっていても直前で変更されたりするので、計画がほぼ無効なのである。私も到着した翌日の歓迎会の席で、「あんた、明日の講義をやってよ」と言われて当惑したが、これは逃げられないと思って睡眠時間を削って資料を作成して、翌日、講義を行った。
 このような状況変化は集合時間や講義内容にも及ぶ。この変化に、中国の学生はえっ!と思いつつもしょうが無いと対応する。しかし、私の連れてきた学生達はなかなか対応できない。それはそうだろう。日本の大学では最近では文科省の指導で、シラバス等で半年以上も前から計画を組まされている。私のように政策学部で教えていると、講義内容と関係する時事的なテーマがあるとそれを紹介するために時間を割きたくなるが、そのような余裕も与えられない。これはフィールドスタディでも言えることだが、相手がいるのに半年も前から予定を確約させることは不可能だ。インドネシアとかでも直前に講師が替わり、話す内容が変わったりすることがあったが、これは日本の大学のシラバス制度のもとではご法度である。いきおい、そういう講義をしない方がいいということになるが、そういう覚悟を文科省はしているのだろうか。一方でアクティブ・ラーニングとかが重要であるとか言っているので、本当に論理的に破綻している。
 いわば、日本の文科省が押し付けている大学の講義は、クラシック音楽をオーケストラが演奏するように、しっかりと皆が楽譜通り(シラバス通り)に演奏することを講義で強制しているようなものだ。しかし、政策学部のように生きた内容を教えていたりする科目内容や、フィールドスタディといった現地を相手にする講義、特にこのフィールドが外国であったりする場合は、ジャズの即興のように、相手方が予期せぬ演奏をしたら、それに応えてこちらも演奏しなくてはならない。コード譜ぐらいはあるが、何をやってくるか分からないジャズ演奏が我々にも求められるのだ。
 そして、そういう緊張感の中で学生も対応しなくてはならない。オーケストラの演奏ばかり上手くなっても、現実は計画通りに進むことはまずなく、ジャズ演奏のような即興能力が求められる。私が、今の学生をみていてつくづく思うのは、そういう変化に対応できない柔軟性の無さと、そういう状況変化を厭う姿勢である。これは、まさに学生から「生きる知から」を削いでいると思う。シラバスで確約したことしか学びたくないといった消費者意識は、結果的に学生の損失になっていることに気づいた方がいいと、四川大学のワークショップに参加していて強く思う。

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矢作弘先生の講義を聞いて刺激を受ける [地域興し]

 矢作弘先生の講義を中国の四川大学で聴く。ジャーナリストと学者との違いについての話をした。ジャーナリストは帰納的なアプローチをして、学者は演繹的なアプローチをすると述べていた。つまり、ジャーナリストは現実に何が起きているかから、状況を分析しようとするのに対して、学者は理論から現実を分析しようとする。
 この話は、私の個人的な体験からも説得力のあるものとなった。以前、奉職していた大学の経済学科の先生が、「多変量解析モデルが現実を説明できないのは、現実が間違っているからだ」と真顔で言ったことに仰天したことがあるからだ。なんで現実を説明しようとしているモデルが正しくて、現実が間違っているなどと言えるのだろう。現実は事実であろう。私はこのとき、経済学の研究者は、飛びきり優れている人は別であろうが、そこらへんの私立大学で教えているレベルの人だと、半分ぐらいは信用できないな、と思ったものである。経済学科は二流私立大学以下だと授業料の無駄であるなとも思ったりもした。
 それはともかく、この帰納的なアプローチは個人的にも共鳴する点が多い。また、彼はデンバーのショッピングセンターの記事を書かなくてはいけなかったのだが、取材拒否にあって困った時、ひたすらフィールドサーチをすることで記事を〆切に間に合わせた話もしてくれた。このアプローチが、トリノやデトロイト、ヘラクレスといった街のビビッドな都市分析へと繋がったのだなと納得する。フィールドを理解するうえでの重要な方法論を教えてもらった気がする。

タグ:矢作弘
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ラーメンガール [映画批評]

西田敏行とブリッタニー・マーフィー主演のオール日本ロケのハリウッド映画。アメリカ人が日本のラーメンをどのように捉えているのかを知るためだけに観たので、内容はほとんど期待していなかったのだが、日本のラーメンの魅力を真摯に探ろうとした嫌味のない、偏見のないストーリーで後味は悪くなかった。日本のラーメンに魅了されたうら若きアメリカ女性というのは相当、演じるのは難しい役柄であったかと思うが、ブリッタニー・マーフィーの演技はそれほど鼻につかなかった。とはいえ、ラーメンを食べる姿が格好悪いのは気になった。これは、しかしなかなか演技指導をしても修得することは難しいのかもしれない。あと、西田敏行の演技は流石、貫禄があったのと、ラーメンの達人として伊丹十三が出てきたのは笑えた。まったく期待していなかったが、悪くないエンターテインメント映画である。


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