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九重山((日本百名山35座登頂) [日本百名山]

ゴールデンウィークに百名山の久住山に挑戦する。大型連休ということもあり、九重山(ちなみに久住山と九重山の違いであるが、前者は百名山の山、後者はこれを含む連山を指す時に使うようだ)周辺のホテルは料金がべらぼうに高いものを除けば満室。しかたがないので、熊本空港そばの宿を取る。登山口から60キロほど離れている。早朝、4時30分に出発。5時30分過ぎには着くだろうと思っていたら、なんと国道が工事で通行止め。阿蘇の山麓の道を迂回していくことになり、大幅な時間のロス。結局、牧ノ戸登山口に着いたのは6時過ぎであった。
 さて、この駐車場は200台分あるので、私は流石に駐車できるだろうと高を括っていたのだが、すでに満車であった。恐るべき、ゴールデンウィーク。仕方がないので路駐。さて、結局、登山口から登山をし始めたのは、6時30分くらい。最初はいきなり階段が続く。この階段がアスファルトの絨毯のようなもので覆われていてとても風情がない。とはいえ、おかげで急坂であるにも関わらず歩きやすい。

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(6時30分ちょっと前の牧ノ戸登山口の駐車場)

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(牧ノ戸登山口)

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(牧ノ戸登山口からはアスファルトが絨毯のように敷かれた階段状の坂道を上っていく)

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(朝日を反射して輝くような九重山をみながら標高を稼いでいく)

 この急坂は、沓掛山まで続く。沓掛山は牧ノ戸登山口からは30分ぐらい。ここからは九重連山が展望できる。沓掛山からは梯子などで坂を今度は下りる。ここらへんは上りと下りとでルートが分かれている(左通行)ようなのだが、あまり守られていない。私も下る時にそうであることに気づいた。
 さて、この坂を下りた後は、しばらくなだらかな登り坂が続く。楽ではあるが、逆にアスファルト舗装がなくなり、若干、滑りにくい泥道になるので、その点は留意した方がいいかもしれない。扇ヶ鼻との分岐点にたどり着くと、本当に平坦でなだらかな草原を通っていく。この草原は西千里が浜と呼ばれており、夏になるとコスモスなどの高原植物が美しいようなのだが、今日はまったくそのような色彩的な美しさとは無縁であった。クマザサの緑が目に新しいくらいの色彩の貧困さである。左手に星生山を見ながら歩くと、展望が広がり、久住山をはじめとした九重連山が見える。とはいえ、中岳は見えない。坂を下りると、避難小屋とトイレがある。そのまま、まっすぐ礫の坂を登っていき、中岳との分岐点を右に行くと、久住山に辿りつくことができる。下からみると結構、遠くに見えたが、実際、登っているとそれほどきつくはなかった。避難小屋からおよそ30分ぐらいだろうか。

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(7時30分には扇ヶ鼻との分岐点に着く)

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(西千里が浜は平で歩きやすい)

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(雄大な西千里が浜は歩いていて快適である。大体、ここを下りで通り過ぎたのは10時30分)

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(西千里が浜を過ぎると、九重山の山々の雄大な展望が開ける)

 幸い、天気に恵まれたこともあり、久住山からは見事な360度の展望を楽しむことができた。特に阿蘇山の優大な姿が印象に残っている。祖母山も見えた。ここで、簡単におにぎりなどを頬張る。空腹を満たすというよりかは荷物を軽くしたかったからだ。

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(久住山の山頂から三俣山の方を展望する。山頂に登ったのは8時30分ほど。ほぼ2時間の行程)

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(久住山の山頂から阿蘇山の方面を展望する)

その後、中岳分岐点まで戻り、中岳にチャレンジする。これは、九重連山の最高峰は中岳であるからだ。中岳への道は遠いが、それまでまったく姿が見えなかった御池という小さなカルデラ湖を展望することができたのは嬉しかった。というのも、この時期の久住山というか、九重連山は、色彩が貧相だ。黒と白と黄色の絵の具で表現できるような風景となっている。まるで、老いたライオンのような色なのだ。これは、あとひと月もすれば花も咲き、様変わりするのかもしれないが、ゴールデンウィークの九重山は岩だらけの、イメージ的にはまるで火星のような風景の山であった。もっと、女性的というかたおやかな山のイメージがあったので、これは意外であったが、活火山であることを考えればこのような風景であることは当然かもしれない。これまでに登った百名山では十勝岳をちょっと連想させた。まあ、そういうこともあって、御池の水の色はちょっと景色の変化をもたらしてくれて登山をする身にとっては有り難かった。御池はカルデラ湖(カルデラ池?)であることもあり、澄んでいて美しい色を放っていた。

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(中岳に行く登山道は御池を迂回していくことになる)

 さて、中岳に登頂するのは九重山よりかはちょっと難儀であった。そこからの展望は九重山がどっしりと見えるのと、九重山からは見えなかった御池が見えるので、より優れているかもしれない。避難小屋から山頂までの時間は久住山より中岳の方が倍とは言わないが、1.5倍は長いと思われる。ちなみに避難小屋から中岳に直接、行く場合はちょっとしたショートカットがあるので、それを使われるといいかと思う。

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(登山口から中岳の山頂を望む)

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(中岳の山頂。9時30分に登頂。出発してからほぼ3時間)

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(噴煙を目撃すると、ここが依然として活火山であることを再確認する)

 帰りは楽ではあるが、私は得意になって速く下りると膝を痛める癖があるので、今日は逸る気持ちを抑えてゆっくりと下りた。お陰で心地よい疲労以外、特に身体を痛めずに下山することができた。下山したのは11時30分をちょっと回っていた。総じて5時間ちょっとの登山であった。
 沓掛山から下りる途中、牧ノ戸登山口周辺の道路をみると、長蛇の路駐の列が繋がっていた。どれだけの人が今日、九重山の登山に参加したのだろうか。私は二年前、ゴールデンウィークに筑波山に登ったことがあるのだが、その時はもう大渋滞で、まともに歩けないほどであった。それを体験したこともあったので、今日の人数ぐらいでは驚かなかったが、はしごのところなどでは待ち行列ができていたし、狭い登山道では随分と人を待ったり、待たせたりもした。小さな子供なども登山にチャレンジさせられたり、また赤ちゃんや犬を背負って登山していた人などもいたが、そんなに簡単な登山ではないような印象も受けた。

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(帰りに目撃した駐車場に駐車できない自動車がつくった長蛇の路駐の列)

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(多くの登山客が久住山へ続く礫の登山道を登っていく)

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