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くるり@神奈川県民ホール(2016.05.30) [ロック音楽]

 くるりを神奈川県民ホールで観る。くるりは二年ぶりぐらいか。椎名林檎を除くと、私が唯一、積極的にライブを観たいと思う邦楽バンドだ。今回のコンサートは前半は2004年に発表されたアルバム『アンテナ』の完全再現。そして、後半はジョゼのテーマ、飴色の部屋、ハイウェイ、さよなら春の日(シングル、ロックンロールのB面)、地下鉄、さっきの女の子。アンコールはHello Radio, かんがえのあるカンガルー、ふたつの世界、そして今度シングルとして発表するらしい「琥珀色の街、上海蟹の朝」。Now and Then のツアーでは『図鑑』バージョンが聴きたかったが、その次に聴きたいはこの『アンテナ』だ。私が最も好きなくるりの曲『ロックンロール』が入っていることが何しろポイントが高いが、今回のコンサートでつくづく思わされたのは『How to Go』の格好良さである。結構、ギターを歪ませて、弾きまくっているような激しいチューンが多い。また、後半部でハイウェイ、そして飴色の部屋をやってくれたのは嬉しかった。この2曲も私のくるりベスト10に入るようなお気に入りの曲なのだ。それにしても、今回のコンサートは改めて、くるりの守備範囲の広さと音楽センスの良さに感心させられた。
 それにしても岸田繁は器用だ。ジミ・ヘンドリックスとブラームス、ビートルズそして瀧廉太郎を彷彿させるミュージシャンは世界広しといえども岸田繁ぐらいではないか。新曲はなんかボビー・コールドウェル風のラップ音楽のようなものだったし。

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西地区決勝第六戦(サンダース対ウォリアーズ)は歴史に残るような名試合であった [スポーツ]

 2016年5月28日(現地時間)のオクラホマシティ・サンダーとゴールデンステート・ウォリアーズの西地区決勝第六戦。第四戦を終えてサンダーが三勝してウォリアーズは、第5戦以降はすべて負けたらお終いという背水の陣の状態。第三戦、第四戦はサンダーの大勝。どうやってウォリアーズが勝てるかも見えない状況であったが、第五戦はウォリアーズがホームで勝ち、一矢を報いた。それでも一敗もできない状態は変わらず。サンダースのホームでの第六戦は第五戦以上に厳しい試合になると予想された。第五戦もウォリアーズは勝利こそすれ、接戦であり、ゴール下で圧倒的な強さを発揮し、またサンダーのスーパースターの一人、ウェストブルックがチームメートを活かし始め、ウォリアーズの劣勢は変わらないと思われたし、多くの評論家もそのような意見を披露していた。
 さて、そのような状況であるが、この第六戦でウォリアーズが負けたら、それでシーズンは終了である。今年は、NBA史上最多勝利を記録するなど、以前からのウォリアーズ・ファンとしては、信じられないような快進撃を披露してくれたチームの最終戦はしっかりと見届けなくてはならないと、最初から試合を観戦した。
 さて、試合はサンダーが主導権を握った。第1クォーター、第2クォーター、第3クォーターもサンダースはウォリアーズよりも得点を重ねる。ウォリアーズはクレイ・トンプソンのプレイオフ記録になる3点シュート成功数がなければ、大敗を喰らっていたであろう。それでも、第3クォーターには最大で13点差が開いた。状況が変わったのは第4クォーターである。
 第4クォーターが開始した時は8点差。しかも、しばらくはサンダーのペースであり、トンプソンの3ポイント・シュートしかサンダーに食らいついていく術はないかとさえ思わせられた。しかし、トンプソンが3ポイントを決めていく中で、カリーもシュートを決め始める。イグアダラは素場らしいディフェンスでデュラント、ウェストブルックを抑え始める。
 そして、残り4分48秒でウォリアーズは16対4でサンダーを圧倒した。それまでサンダーはほとんどターンオーバーがなかったのだが、第4クォーターでは、プレッシャーからかターンオーバーを繰り返し、また焦ったようなシュートも増えた。追うウォリアーズの方が落ち着いており、結果的にはとんでもないどんでん返しとなった。
 私はほとんど涙が出そうになるほど、ウォリアーズのファンとしては感動した。もちろん、この勝利は、トンプソンの人間離れした偉業をなくしては語れないような奇跡的なものではあったし、まだあと一勝しないと決勝には進めないが、それでもウォリアーズ・ファンとしては、本当、これまでの20年間の干魃を帳消しにしてくれるような去年、そして今年の快進撃である。ウォリアーズにとっては素場らしい試合であった。

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「街的」ということ – お好み焼き屋は街の学校だ [書評]

 関西を中心とする街雑誌『ミーツ』の前編集長が著した新書。情報化、カテゴライズ化されている街に対する違和感、消費のランドスケープとして街を捉えるようにすることが、いかに街の理解を遠ざけるか、街を楽しむ作法から離れていくのか、ということを指摘している。それは、街は消費する対象ではなく、街にいかに受け入れられるかを考えて、自分を街の仕様に合わせることこそ、街を楽しむポイントである、と述べている。
 また、魅力ある街は「何かやろう」という人が前触れなく突然出てきて、「自分でつくった店」を出汁、そこで「自分が好きなもの」をつくったり見つけてきたりして、「自分で流行させ」、そしてそのような店が集積することでつくられる、と言う。
「それは行政による再開発や鉄道会社の駅ターミナル造成、はたまたショッピングモールやファッションビルなどが建って、それが引き金となってできた類の街とは全く違った「仕方」で」できている、と言及する。
 非常に鋭く、街の本質を解説している本であると考えられる。


「街的」ということ――お好み焼き屋は街の学校だ (講談社現代新書)

「街的」ということ――お好み焼き屋は街の学校だ (講談社現代新書)

  • 作者: 江 弘毅
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/08/18
  • メディア: 新書



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ディープ・パープルを武道館で観る [ロック音楽]

ディープ・パープルが来るというので1985年以来、観に行く。それまでも何回も来日していたのだが、まったく行く気も起きなかったのに、今回、行こうと思ったのは、デビッド・ボウイが亡くなったことが大きい。それ以来、「いつまでも生きていると思うな、親とロック・スター」という気分なのだ。ということで、このブログに書き忘れたが、先月もしっかりとクラプトンのコンサートに行ったし、来週もスティーブ・ハケットのコンサートに行く。さて、パープルといっても、オリジナル・メンバー的なのは3人だけである。イアン・ペイス、イアン・ギランそしてロジャー・グローバーである。パープルはジョン・ロードとリッチー・ブラックモアのバンドである。この二人がジョンとポールである。したがって、現在のパープルはリンゴ・スターとジョージ・ハリソンがビートルズと名乗っているような違和感をしないでもない。しかし、ジョン・ロードはもうこの世にいないし、最もパープルらしいバンドであることは確かである。少なくとも、イアン・ペイスはまだ、あの脅威のドラムを刻むことが出来ている。なんで、あの年齢で、という感じだが、今のうちに見るべきであろう、という気分にさせるには十分である。
 さて、曲目であるが最初がハイウェイ・スター、そして「イン・ロック」から2曲、「ストレンジ・カインド・オブ・ウォメン」。その後は、知らない曲が続く。よく考えると「パーフェクト・ストレンジャーズ」以降、聞いていないからな。初めて聴くということもあるが、どうも二流ヘビメタ・バンドのような感じの曲でがっかりする。ちょっとだれてきたが、「ミュール」そして「レイジー」というギラン時代の曲でまた気分が盛り上がってきて、「パーフェクト・ストレンジャーズ」、「スペース・トラッキン」、そして「スモーク・オン・ザ・ウォーター」。「スペース・トラッキン」、そして「スモーク・オン・ザ・ウォーター」は流石に来て良かったと思わせられた。「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のリフは、これから200年後、300年後も人類は聴いていると思う。それは、ベートーベンの運命のようなものだ。
 アンコールは「ハッシュ」と「ブラックナイト」。70歳を越えたメンバー達は(スティーブ・モーズは61歳、ダン・エイリーは67歳)とっても礼儀正しく、流石にもう毒づくようなことや、アンプを壊したり、ギターを床に叩きつけたりするようなことはしなくなっていた。あと、バーンを始めとしたカバーデール時代の曲は一曲もしなかった。イアン・ギランにとっては、自分が歌った曲だけがパープルなのであろう。
 イーグルスのようにランディ・マイズナーが辞めた後も、彼がつくった「テイク・トゥ・ザ・リミット」をイーグルスのコンサートで歌うグレン・フライよりも遙かに潔い。などということを考えさせられたパープルのコンサートであった。

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『自由が丘スイーツ物語』 [書評]

この本は単なる自由が丘のスイーツ本ではない。それは、スイーツをテーマとした消費文化論であり、またスイーツをめぐるマチ論でもある。自由が丘というマチになぜ、スイーツ店が集まり、ユニークで個性的な魅力あるスイーツ店がつくられたのか。その要因分析をしているのだが、それはチェーン店ではなく、個店であるから。また、大企業ではなく地元の商店街がしっかりと拘った街づくりを展開してきているからだ、と言及している。自由が丘はお洒落だが、浮ついた腰の座っていないミーハーなマチというイメージがあるが、実態は企業ではなく地元の人達が、自主独立精神とチャレンジ精神で、本気で商いを展開してきたマチである。だから魅力があるのだが、本書は、その本質を見事に掴んでいる。自由が丘に住んで、都市を対象とした研究をしているものとしては、「この著者、相当、切れ者である」という印象をこの著書からは受けた。文献もしっかり押さえているし、相当数の取材もこなしている。消費文化論に関しても、ちゃんと流れを把握しており、その流れの中でいかにして日本人が洋菓子を受け入れてきたのかを分析し、整理している。しかし、それを重くせずに、スポンジケーキのようにフワッと論じているので読みやすい。口当たりはフワッとしているが中身は濃厚。まさに、この本で書かれているモンサンクレールのセラヴィのような味わいの本である。

ただ、素場らしい内容ではあるのだが、著者がこの本でお勧めとして紹介した3店のうち2店はもう閉店になっていた。出版してから5年で、著者の眼力に適ったお店が2店も潰れてしまうというのは、この街の厳しさを示唆していると思われる。


自由が丘スイーツ物語―ケーキで人を幸せにする街

自由が丘スイーツ物語―ケーキで人を幸せにする街

  • 作者: 阿古 真理
  • 出版社/メーカー: エヌティティ出版
  • 発売日: 2011/10/12
  • メディア: 単行本



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スティーフン・カリーが延長5分で17点を得点(NBA記録) [スポーツ]

 NBAのポートランド・トレイブレイザー戦でスティーフン・カリーが控えで40点を得点。そのうち、第4クォーターと延長で27点。というか、延長5分で17点を得点した。これは、どうもNBA記録だそうだ。私は、第3クォーターから見始めたが、あまりにも手に汗握るいい試合だったので画面に吸い付けられた。しかし、延長戦に入ったら、カリーのワンマンショーであった。フィールド・ゴール率は6/7。スリーポイントであれば3/3。100%である。まるでテレビゲームのようである。最終的には118対106。オーバータイムだけをみれば、レギュラータイムの接戦が嘘のようであった。
 ウォーリーアーズはバランスの取れた戦力で、またチームワークもいい。オールスターもカリー以外にグリーン、トンプソンといる。控え層もファイナルのMVPイグアダラはもちろんのこと、リビングストン、スペイトなど充実している。しかし、カリーの凄さは、やはり他のチームメートと比べても、頭抜けていることが、今日の試合ではよく分かった。しかも、怪我で2週間のブランクがあったにも関わらずである。今日の試合でカリーは、レブロン・ジェームスやマイケル・ジョーダン、ラリー・バードといった超スーパースターと同じ土俵にのったと思われる。

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大峰山(八経ヶ岳)に登る(日本百名山15座登頂) [日本百名山]

 大峰山(八経ヶ岳)にチャレンジする。大台ヶ原の宿を4時30分に出て、大峰山の登山口である行者還トンネル西口へと向かう。4時30分には、もう明るくなっており、もう少し早く出てもよかったかもしれない、とちょっと後悔する。峠茶屋に出て国道169号で天カ瀬までは道路がスムーズだったのだが、天カ瀬から国道309号に入ると驚くほどの狭く、くねくねの道路の山道になる。渓谷は驚くほど美しく、これだけでもここに来た甲斐があると思われる。ただ、天カ瀬から行者還トンネルまでは距離は短くみえるが、時間は結構かかるので、この点は車で行く場合は留意した方がいいと思われる。
 さて、それでも6時頃には行者還トンネル西口に着いたのだが、既に20台の駐車場は埋まっていた。これは大変だ!と思ったが、20台以上の駐車場スペースがつくられていたので、問題なく駐車できた。とはいえ、あと30分遅かったら満車になっていたかもしれない。雲一つない晴天であるということもあるかもしれないが、自動車で来る場合は、この駐車場の少なさは注意しておいた方がいいだろう。
 行者還トンネルを出発したのは6:15。行者還トンネルからはいきなり急坂を登ることになる。これは事前に調べておいたのだが、それにしてもきつい。また、悪いことに坂を上りはじめる前におおきな咳をしたら腰を痛めてしまった。いきなり、大きなハンディを背負ったままで登ることになる。この急坂は、世界遺産の熊野古道の奥駈道と合流するまで続く。これを登るのに1時間はかかった。奥駈道出合いからの展望は素場らしくて、このきつい坂を登りきったご褒美をもらったような気分になる。奥駈道出合いは7:22。
 さて、奥駈道は尾根道でアップ・ダウンもそれほど激しくなく、どんどんと距離を稼ぐことができた。弁天の森などを経て、聖宝の宿跡に着く(8:45)。ここから弥山小屋までは、また急坂になる。ただ、行者還トンネルから奥駈道出合いまでの坂に比べるとずっと優しい。途中、鹿の害から守るための柵の中を歩いたりして、標高を稼いでいく。登山道からの展望は素場らしく、天気がよかったこともあるが、気持ちよく登っていくことができる。ただし、息は上がる。弥山小屋まで登りきったのは9:25。ここでリュックを置いてカメラと水だけを担いで、八経ヶ岳へと向かう。八経ヶ岳へ着いたのは9:55。近畿最高峰で標高は1915メートルである。熊野灘まで見渡せる、まさに360度の大絶景である。十二分に絶景を楽しんだ後、また弥山小屋にも戻り、そこで昼食。昼食はカップヌードル。十二分に休息を取った後、11:40に弥山小屋を発つ。帰りは結構、スムーズに奥駈道出合いまで戻る。奥駈道出合いに着いたのは13:20。その後、駐車場まで急坂を降りていく。下りも厳しく、ここを登って来られたことが不思議なくらいである。駐車場に着いたのは14:20。休息時間を含めて、ほぼ8時間の行程であった。
 なかなかハードであったが、晴天であることと、その景色が素晴らしいこともあり、とても楽しめる登山であった。

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(奥駈道出合いから弥山小屋に至る尾根道からの素場らしい展望)

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(弥山小屋から八経ヶ岳を望む)

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(八経ヶ岳からの素場らしい展望ー南を望む)

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(八経ヶ岳からの素場らしい展望ー北を望む)

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(八経ヶ岳の看板)

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(芽が顔を出し始めている)

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(素場らしい苔の絨毯)
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大台ヶ原(日本百名山14座登頂) [日本百名山]

 大台ヶ原に行く。前日は強風とともに雨が吹いていたのだが、朝になると雲一つない晴天となっていた。午前中は西大台を訪れ、そして午後に東大台に行く。東大台は、まず百名山である最高峰の日出カ岳を目指す。日出カ岳までは、舗装された非常に歩きやすい道が整備されている。さて、日出カ岳を上る前に、正木峠というところを通る。ここからは、太平洋が展望できるのだが、素場らしい絶景である。こんなに素場らしい山と海とから成る絶景は、ブラジルのパラナ州の大西洋海岸山脈ぐらいしか浮かばない。大分のワルサ山周辺からみる佐伯湾周辺も素場らしいが、高さという点でここが遙かに凌ぐと思われる。
 正木峠の絶景に感動したが、標高1695メートルの日出カ岳からの360度の展望はさらに素場らしかった。ただ、残念ながら山頂には「百名山」の看板がない。これは、百名山ファンにとっては落胆させられる。「日出カ岳」の三角点を記念に撮影する。さて、日出カ岳だけ上って降りるのはもったいない、ということで大蛇嵓まで尾根道を辿っていく。この尾根道からは熊野灘の美しいリアス式海岸が展望でき、とても気持ちがよい。紀伊半島がこんなにも美しいランドスケープを有していたことは知らなかった。ただし、西大台と違い、東大台は台風と鹿によって生態系が乱れ、熊笹が地面を蔽っている。これは、苔の森を主体とする西大台とは大きな違いだが、50年ほど前までは東大台も西大台と同じような植生であったそうだと知って、大いに驚く。生態系の勉強をするにも、極めてうってつけの場所である。大蛇嵓は、噂に違わぬ断崖絶壁の絶景を楽しめる。特に右手側にみえる中の滝(落差245メートル)は迫力があって感動的である。大いに満足して帰路につく。帰路はシオカラ谷は、今はそれほど見所はない、とビジターセンターの人にアドバイスを受けたので、尾鷲辻を通る最短ルートで入り口にまで戻る。コース自体は難しくなく、また歩道もしっかりと整備されていたのと、一回りして3時間ちょっとと子供連れでも行けるコースだと思う。ただ、我々は幸い天気に恵まれたので、とても有意義な素場らしい体験ができたが、雨が多い地域なので、その素晴らしさはお天気具合で変わるかなとも思ったりもする。

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(日出カ岳から紀伊山脈の方を展望する)

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(大蛇嵓から中の滝を展望する)

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(大蛇嵓の断崖絶壁)

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(尾根道から熊野灘を展望する。写真ではその美しさを捉えられていないのが残念)
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