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ヨーロッパでは日本人も中国人もほぼ同類に見ている [グローバルな問題]

日本人の友人とイタリアを訪れた。中国人の観光客も多くいる。ちょっとお上りさん的な振る舞いをする人もいる。ちょっとした会話で「ヨーロッパ人は外見ではほとんど中国人と日本人、韓国人の違いは分からない」みたいなことを言ったら、「中国人と同じように見られるのは不本意だな」と私の友人は言った。この発言を、日本で聞いたら違和感は全然、感じなかったかもしれないが、ベルリンに住んでいることもあってか、強烈な違和感を持ってしまった。というのは、ヨーロッパ人は日本人が中国人より上だ、みたいな意識はまったく持ってないからだ。日本人はそういう優越意識を持ちたいのかもしれないが、実態的には優れているとは到底、思えない。いや、劣っているとも思わないが、欧州の物差しでみれば同じかと思う。ああ、欧州にいる中国人の方が日本人より英語は上手いな。我々だってオランダ人はデンマーク人より優秀だ、とか思わないであろう。それと同じである。
 私の友人はとても知的で、立派な人格者でもある。しかし、そのような人でも、こういう発言をしてしまうというのは、日本全体を蔽う空気感として中国人への差別意識があるのではと思わせられる。アメリカでも欧州でも、差別問題を語るうえで、社会制度的な差別ではなく、そのような意識を持っていることが問題であるとされている。ああ、私のようにアメリカで7年間、ドイツでも2年間住んだような日本人だと、結構、日本人だからと差別をされる経験をしたことがある。そういう経験をすると、自分が不愉快なことを他人にはしないようにしよう、と思うのだが、そういう経験がないと、立派な人でも差別的な意識を持ってしまうのかもしれない。私はドイツでの生活で、同僚で一番、信用でき、一番、仕事ができるなと思っているのは中国人である。決して、ドイツ人ではない。もちろん、そこから一般化するのは危険ではあるが、そういう人を知ると、中国人と同じように見られて不本意とは全然、思わない。誇らしいとも思わないが。

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