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斜陽の国ドイツ(1) [ドイツ便り]

ドイツで15年ぶりに一年弱、生活した。その経験から痛感するのは、ドイツは相当、行き詰まっているな、ということだ。何か、国の劣化がじりじりと進んでいるような気がしてしょうがない。それまでのドイツの強みのようなものが後退し、ドイツの弱みというか、悪いところがどんどんと増殖しているような印象を、こちらで生活していると受ける。まあ、私が住んでいるのがベルリンという、相当ダメダメな都市ということもあるので、ドイツ全体へと一般化することには相当、気をつけないといけないとは思うが、それにしてもなんか社会が上手く回っていないような気がする。ということで、備忘録的に、いろいろとここに自分が考えることを共有させてもらいたいと思ったりもする。

まず、ドイツの劣化を何よりも物語るのはドイツ鉄道であろう。時間通りに運行することはできず、遅刻は日常茶飯事である。したがって、乗り換えをしようとすると乗れない場合がしょっちゅうある。乗り換えの時間は相当、余裕を持たないと不味いであろう。そして、時間通りに走れないくせに、時間帯によって運賃をコロコロ変える。時間通りに走行できてこそ、そのような時間帯ごとの運賃変更が初めてできるのであって、時間が守れないのに運賃変更を細やかにするというせこさが呆れさせる。ここまでやるのであれば、守れなければ運賃を返金するとか、差額を返すなどをやればいいだろうという意見もあるかもしれない。実際、ドイツ鉄道においても、しっかりと交渉すれば返金できるかもしれないが、私の周りでそういうことをした人はほとんど知らない。というのは、交渉するのが超面倒臭くて、また、相手も話をなかなか理解しようとしないので、ストレスがより溜まるからである。このストレスの費用を考えると、損したお金は盗まれたぐらいに考えて諦めた方が、まだ精神衛生上はよい。

まあ、このようにストレスを感じるのは日本の高い定時性と素晴らしいサービスに慣れているからであり、そもそも鉄道はこんなものだ、と考えていれば、それほどストレスを感じないのかもしれないが、このようなアホなシステムなので計画がつくれない。ドイツ鉄道の遅延による経済機会の損失を誰か計算するといいかと思うのだが、おそろしく膨大な数字になると思われる。そして、なぜ、このようにドイツ鉄道がしっかりと運営できないのか。というのは、その運営に携わっている個々人が無責任だからだと思うのである。この無責任の積分が現在のドイツ鉄道の混乱した状態を作り出しているのではないか、というのが私の仮説である。

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