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大学生の抱える問題は「本気を出せない」ということだ [教育論]

3年生のゼミ生と話をする。このゼミの代は屋台カフェで珈琲を販売しているのだが、売り上げが全然伸びず、ほとんど赤字である。このゼミ生はギターを弾き、ギターに関しての知識が豊富で私もいろいろと教わっている。その彼との会話:

「就職先、ギターやエフェクターと関係あるところも考えるといいと思うけど」(私)
「いやあ、趣味は仕事にしない方がいいと思っています」(学生)
「とはいえ、仕事はつまんないよ。君の珈琲の販売の様子をみても、君が営業に向いているとは全然、思えないけど」(私)
「そうですかね」(学生)
「珈琲みたいな売りやすいものでも、売れないし、売る情熱をもてないのに、君が就活しているIT企業のサービスとかを売れるのかな」(私)
「そうですかね」(学生)
「というか、サラリーマンが向いてないのは自分では分からないのかな」(私)
「いや、分からないですね」(学生)
「そうか。それじゃあ、本気を出せばできると思っているわけだね」(私)
「そうですね」(学生)
「じゃあ、屋台カフェでは本気を出してないんだ」(私)
「そうですね」(学生)
「どうして本気が出せないんだろうねえ」(私)

ここで、私はこれ以上、話は続けなかったが、ポイントは「本気を出せない」のが、このゼミ生を始めとした多くのゼミ生の課題なのだ。いつかは本気を出せる、と思っているが、そう思っているうちに、じじいになって一生を終えていく。「本気を出せない」のだけど、自分は「本気を出せばできる」と思っているから、「向いてない」と言われても全然、納得しないし、馬耳東風であるのだ。「本気を出す」ことは結構、大変だ。私もなかなか本気を出せない。ただ、「本気を出さない」ことは本当、後悔をもたらす。本気を出せば納得できるけど、本気を出さないと納得できないからだ。とはいえ、大学までに本気を出すことができなければ、その後、本気を出すことはなかなか難しいと思う。というか、本気を出せる環境を獲得することさえ難しいからだ。本気はその場で出そうと思っても出せる訳ではない。本気を出せる環境を獲得する・・・それこそが就職をするうえでのポイントだと思うのだけどなあ。珈琲売りでさえ、本気が出せないのに、サラリーマンの仕事で本気が出せるというのはなかなか想像できない。サラリーマンの仕事で本気が出せるのであれば、珈琲売りで本気を出すことなどは簡単だと思えるからだ。

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