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開聞岳(日本百名山53座登頂) [日本百名山]

開聞岳に登る。前泊は「民宿かいもん」に宿泊したのだが、この民宿は口コミの評判の高さ通りに素晴らしい民宿であった。まあ、その素晴らしさは、ホスピタリティと食事の美味しさにある。朝は4時30分から起きてもらい、珈琲にサンドイッチまでつくってくれていた。ちなみに、朝食はお弁当としておにぎりを3つも予めつくってもらっていたにも関わらずである。

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<登山全日に民宿かいもんから開聞岳を見る。この日は山頂が見えた>

開聞岳の登山口までは、「民宿かいもん」からも歩いて15分ぐらいかと思うが、この15分間が結構、負担になるかもしれないのでレンタカーで最寄りの駐車場まで行く。駐車場に車を駐めて出発したのは5時30分。日は昇っているが、曇っていることもあってそれほど明るくない。駐車場からは山頂が雲で覆われている開聞岳が見える。この雲がいなくなれば開聞岳山頂からは360度の大展望が得られる筈だ。淡い期待をもって登り始める。駐車場から登山口の二合目までは、まあまあ歩く。

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<登山口からは山容がはっきりと見られた。ただし、山頂は雲がかかっている>

登山口からは、亜熱帯のような森の中を歩いて行く。しばらくすると他の道との交差点に着く。ここが2.5合目だ。そこから森は鬱蒼としてきて、昼なお暗いような感じになってくる。朝が早くて曇っていることもあり、ここでヘッドランプを点ける。3合目についたのは6時。森はさらに深くなっていく。ただ、登山道は整備されていて歩きやすい。4合目についたのは6時20分。ほぼコースタイム通り。そして5合目が6時30分。ここからは海が展望でき、なかなかの景色を楽しむことができる。しかし、結果的にはここが今回の登山で唯一、楽しめた展望であった。

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<登山口からの登山道はよく整備されていて歩きやすい>

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<徐々に森が暗くなっていく。懐中電灯をとりあえず点けて進む>

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<五合目までは坂も緩やかで、木段も整備されていて極めて歩きやすい>

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<五合目からは展望が得られる。しかし、これが結果的には最後の展望であった>

6合目は6時50分。登山路はここらへんから険しくなっていき、それまでは快適であったのが、急に岩場の激しいルートになる。7合目は7時5分。そこからは太平洋が展望できる筈だが、雲の隙間に色で海が判別できるような感じ。もう、雲の傘の中に入ってしまっている。その先は、もう完全な岩場で、ストックはむしろ邪魔。今回は手袋を忘れてしまったのだが、これは大失敗である。ちょっと油断をしたら、濡れた岩に滑って右手を思い切り岩にぶつける。瞬間、手の指を骨折したかと冷や汗をかいたが、どうにか打撲だけで済んだようだ。冷却スプレーを持ってきていたので助かった。ここまで登り詰めで、自分が思っていたより足にきていたようだ。5合目を越えた後は、ほとんど急な坂道なので、筋肉は相当張っていたようだ。もう、この天候だと山頂で展望も得られないし、下山するかと思ったが、あと少しなので頑張って登り続ける。8号目は7時35分。九号目は7時50分。山頂そばの御岳神社に着いたのが8時10分。山頂は8時15分。猛烈な風が吹いていて、体感温度は相当、低い。岩場の陰で風をしのぎ、おにぎりを食べる。視界は悲しいほどゼロ。山頂にはもう一人、地元のおばさんがいた。彼女はもう何回も開聞岳には登っているそうだが、実は屋久島が見えたことはまだないそうである。意外と屋久島は、遠いことを知る。もっと、ずっと近いのかと思っていた。

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<五合目を過ぎると登山道は岩だらけになる。ストックは使えず、手袋は必須であったが、私は手袋を忘れて苦労した>

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<晴れていたら見事な海が望めたろうが、まったくそれは期待外れに終わった>

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<山頂に近づくほど岩は厳しくなる。足下に気をつけないと怪我をする。私も危ない思いをした>

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<山頂そばの御岳神社>

 展望も得られず、あと風を凌いではいても猛烈に寒くなってきたので、そそくさと下山する。8時30分には下山開始である。右手は相変わらず痛いので、丁寧にゆっくりと降りていく。9合目は8時50分。5合目は10時。5合目は行きよりもさらに展望が開け、とてもいい感じである。結局、今回の登山で得られた展望は往復の5合目のそれだけであった。ちょっと悔しい。悔しいといえば、5合目辺りから天気がどんどんとよくなったことである。思わず、登り直そうかと思ったぐらいであるが、流石にそれは右手が痛いのと、仕事が溜まっているので諦めた。登山口に戻ったのは10時50分。往復で5時間20分の登山であった。温泉は山川町の「たまてばこ温泉」に行ったのだが、これは素晴らしくよかった。露天風呂から得られる景観としては、個人的にはベストであった。ここは大のお勧めだ。ここからは開聞岳も見られるのだが、温泉から出る時(12時過ぎ)まではまだ雲が帽子のように開聞岳の山頂にちょこっと乗っていた。登り直さなくてよかったと思いつつ、鹿児島駅方面に向かった。

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<山頂はまったく視界が得られず、また激しい風が吹いていて体感温度は相当、低かった>

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<写真ではあまり分からないかもしれないが、風はなかなか激しかった>

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<五合目までに戻ってようやく展望が得られた。池田湖もみられる>

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<五合目から指宿方面を展望する>

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<登山口に戻ったら、見事な晴天になっていた>

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<ただし、山頂は相変わらず雲に覆われていた>

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<たまてばこ温泉に浸かった時点も、まだ山頂は雲に覆われていた>

登山道整備度 ★★★☆☆ (5合目までは素晴らしい。その後の岩場は険しい)
岩場度 ★★★★☆ (ストックは使えない。手袋必須)
登山道ぬかるみ度 ★☆☆☆☆ (濡れてはいるのだがぬかるみはそれほどない)
虫うっとうしい度 ★☆☆☆☆ (虫が鬱陶しいことはまったくなかった)
展望度 ★★★★☆ (本来は素晴らしい展望が得られるはず。ただ、山は木に覆われているので、登山道からの展望はそれほど得られない)
駐車場アクセス度 ★★★★☆ (駐車場から登山口までちょっとあるが、非常に多くの台数が駐められる)
トイレ充実度 ★☆☆☆☆ (登山口にあるのみ)
下山後の温泉充実度 ★★★★★ (素晴らしすぎる)
安全度 ★★☆☆☆ (低山ではあるが、岩場が多く、また崖を歩いて行くので遭難者が多いのは頷ける)

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