井上章一『関西人の正体』 [書評]
井上章一氏が1993年から1995年に記したエッセイをまとめた本の文庫本。既に著書の他の本を読んでいたので新しい発見はほとんどない。というか、これが元ネタだったんだ、ということが分かった。結構、他の本でもこの内容に類することが書かれていて、そういう意味ではまず、この本から読むといいのかもしれない。最近はしっかりと読んでいる訳ではないが、演歌歌手が似たようなセトリで歌い続けている、という印象を覚える。いや、少なくとも半分ぐらいの「持ち歌」は、この本に書かれているような気がする。個人的には、それでも著者の文体とか、見方が面白いのでいいが、それらはちょっとアレンジを変えて演奏しているものを新しいCDで出しているというようなものである。まあ、それが悪い訳ではないが、内容はほぼ同じだったのだな、ということが本書を読んで理解できた。
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