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医者になるために東大の理IIIを目指すのは愚かである [教育論]

医者というのは素晴らしい仕事だと思う。受験生が医者になることを目指すことは、応援したい気分になる。さて、しかし医学部に入るのはなかなか難しい。なぜなら、入りやすい私立(いや、難しい私立もありますが)は、授業料がべらぼうに高いからだ。家がよほど裕福でなければ公立の医学部に行くしかない。とはいえ、努力をすればどうにかなるぐらいの難しさだと思う。ただ、東大の理IIIは別格の難しさだ。これは、よほど受験勉強が得意でないと入れないと思う。

さて、なぜこのような話をするかというと、東京大学の大学入学共通テストを受験する高校生を切りつけた東海高校の高校生が、逮捕後に「医者になるために東大を目指して勉強していたが、成績が一年前からふるわなくなり自信をなくした」と供述したからである。もう賢明な読者ならすぐ私の言いたいことが分かるかと思うが、この高校生は「医者になるために東大を目指し」ていたのだが、それは大間違いであるということを指摘したいのである。医者になるために東大を目指すというのは、お嫁さんが欲しいから永野芽郁にプロポーズするようなものである。いや、比喩が間違いか。お寿司を食べたいから、銀座のすきやばし次郎に行こうとするようなもの、と言ったらより適切か。いや、お寿司はやはりそこらへんの町中の寿司屋の寿司とすきやばし次郎の寿司とは違うが(などと言って食べたことがないので違いは知らないですが)、東大卒の医者と浜松医科大の医者とでは、医者としての違いはないから、その点は異なる。何しろ、この「医者になるために東大を目指す」というのは間違っていると思う。自らハードル上げすぎだ。というか、よい医者になる条件として、受験勉強ができることは関係ない。東大理IIIに入るには、英語とかもめちゃクチャできなくちゃならないが、いい医者になるために英語は必要ない。

私の高校の同級生で東大理IIIに行ったものがいる。彼は受験勉強は得意だが、医者に向いているとはまったく思わない。絶対、彼には診てもらいたくないと思う。いや、無人島に漂流して、医者が彼しかいなければ診てもらうかもしれないが。この彼とは高校一年の時、生物の実験が一緒だったのだが、なんと蚕を触ることにびびっていた。いや、実は私もびびっていたが、こんな彼が手術をしっかりとやれるとは思えない。あと、ついでに言えば、彼が幸せな人生を送っているとはあまり思わないなあ。お金は確かにあるかもしれないけど、羨ましくもない。ということで、東海高校の高校生は成績が振るわないで自信をなくした、と嘆いて人に刃を向けるような愚かなことをしたが、一番、自信をなくすべきは、医者になろうと思って、東大に行かなくちゃいけない、というアホな思考回路を持っていたことに対してである。その論理の欠如は、悪いけど賢くなさすぎだ。なぜ、東海高校に入れたのか・・・そちらの方が不思議である。

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