野矢茂樹『大人のための国語ゼミ』 [書評]
『論理トレーニング』の著者である野矢茂樹氏の著書。『論理トレーニング』はゼミ生の卒論指導の副読本で使っているのだが、大学一年生の基礎演習の教科書として使えるかなと思い、読んでみた。結論、これは相当、教科書として優れていると思う。国語をなぜ学ぶのか、国語を鍛えることの必要性などが、じわじわと分かってくる。最後の難波博孝氏との対談で著者は「でも真面目に、国語教育が変わることで、日本が変わりうると思っているんです」と述べる。そして、「人間が成熟してくるということの大きな側面は言葉が成熟するということです。言葉が未熟だったら、人間も未熟なままです」とも述べる。
言語が人格を形成する、というのはその通りだと思う。私はいい加減なバイリンガルであるが日本語の人格と英語の人格は異なる。そして、英語の人格の方が浅はかであるが、ちょっと人がいい。とはいえ、トランプ支持者よりは、日本語での思考力がしっかりしているのでいろいろと考えることは出来る。したがって、トランプのいい加減なロジックは見抜けることができる(いや、私の拙い英語脳でも分かるかとは思うが・・・)。
トランプは言語力が極めて低いが、これはむしろ、トランプ支持者との円滑で表層的なコミュニケーションを可能としている。アメリカの民度の低さは英語力(国語力)の低さにあるのだなあ、というようなことをこの本を読んでつくづく思ったりもした。
言語が人格を形成する、というのはその通りだと思う。私はいい加減なバイリンガルであるが日本語の人格と英語の人格は異なる。そして、英語の人格の方が浅はかであるが、ちょっと人がいい。とはいえ、トランプ支持者よりは、日本語での思考力がしっかりしているのでいろいろと考えることは出来る。したがって、トランプのいい加減なロジックは見抜けることができる(いや、私の拙い英語脳でも分かるかとは思うが・・・)。
トランプは言語力が極めて低いが、これはむしろ、トランプ支持者との円滑で表層的なコミュニケーションを可能としている。アメリカの民度の低さは英語力(国語力)の低さにあるのだなあ、というようなことをこの本を読んでつくづく思ったりもした。
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