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トランプのコロナ対策の不思議 [トランプのアメリカ]

トランプはコロナの危険性を知っていたが、それを「普通の風邪と同じだ」と人々に言って対策を怠った。後にジャーナリスト、ウッドワードとの取材でその危険性を知っていたと発言した録音テープが公開されたが、その時は「人々がパニックすることを恐れていたからだ」と言い訳をした。トランプがコロナにほとんど無策であったのは、自らだけでなくホワイトハウスの多くのスタッフ、そして家族もコロナに感染したことでも明らかである。
 さて、先日の大統領選は接戦であった。いや、トータルでみると400万票の差がついたバイデンの圧勝であったのだが、エレクトル・カレッジでのペンシルベニア州、ウィスコンシン州、アリゾナ州、ジョージア州はまさに薄氷の勝利であったことを考えると、どちらに勝利が転んでもおかしくない選挙であったと考えられる。
 コロナウィルスがトランプの敗戦要因だと指摘する声が多い。私も確かにそれはそう思う。ただ、本来的にはコロナウィルスはトランプ政権に対する神風のような追い風であった。トランプ自身が「ワー・プレジデント(War President)」と自覚していたように、国難の時、国民の大統領支持は鰻登りとなる。いわば、選挙の年にこのようなパンデミックが起こった時、中間層はトランプ支持に回ったであろう。それも、しっかりと対応しなくても、一生懸命、対応しているフリをするぐらいで支持をしてくれたであろう。
 トランプは「人々がパニックすることを恐れている」とコロナウィルスの危険性を伝えなかった言い訳を言ったが、日々、人々がパニックし、冷静な判断ができなくなるようなフェイク・ニュースを送りまくっているのはトランプである。選挙で有利になると分かっていたら、コロナの恐ろしさを吹聴すればよかったのである。まあ、それで経済は困窮に至ったかもしれないが、結果的に遅かれ早かれ経済は困窮するのである。むしろ、自分の責任ではないのだから、経済のことを気にしないでコロナ退治に努めればよかったのである。そうすれば、相当支持は高まったであろう。
 トランプはコロナウィルス感染拡大という千載一遇のチャンスを逃して、自分の落選だけでなく、アメリカ人の多くの命を犠牲にしたのである。

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