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カンサス『The Absence of Presence』 [ロック音楽]

アメリカのプログレッシブ・ロック・バンド、カンサスの16枚目のアルバム。2020年6月に発売の予定がコロナ等で物流システムの遅延があり、7月に販売される。スティーブ・ウォルシュとケヴィン・リヴグレンというカンサス黄金時代を築いた二人とも不在のラインナップになってからの二枚目のアルバムである。三代目のボーカリストであるロニー・プラット、ギタリストのザック・リズビが新たにラインナップに入って前作に続く二枚目のアルバムでもある。そして、キーボーディストとして新たにメンバーに入ったトム・ブリスリンの最初のアルバムである。
 まず、単刀直入に感想を言うと、驚くほど優れたアルバムである。9曲のうち、ザック・リズビとブリスリンが作曲しているが、特にブリスリンの「Memories Down the Line」、「The Song the River Sang」はカンサスの遺伝子を継承しつつも、新鮮な魅力を放っている。そして、リズビは表題曲や「Circus of Illusion」、「Throwing Mountains」で、これも死に体であったカンサスに強烈なカンフル剤を打ったかのようなバンドの潜在力を大きく放出させるような楽曲を供している。
 オリジナル・メンバーでずっとカンサスを継続させてきたリッチ・ウィリアムスは70歳、実質的リーダーでもあるフィル・イーハートも70歳である。70歳でこれだけの、若い生命力のある音楽を紡ぎ出しているという事実は驚きである。前作でまさに不死鳥のように甦ったカンサスであるが、このアルバムではフロックではなく、もっと根元的に彼らの底力の凄みを思い知らされる。なんか高校時代にPoint of No Returnで彼らを知ったものとしては、こう目頭が熱くなってくる。


Absence of Presence -Ltd-

Absence of Presence -Ltd-

  • アーティスト: Kansas
  • 出版社/メーカー: Inside Out
  • 発売日: 2020/07/17
  • メディア: CD



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