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JR東日本の終電時刻の繰り上げは、コロナウィルスが及ぼしたテンポラリーな社会変化を硬直的させることに繋がる [サステイナブルな問題]

一時期の勢いはなくなったが、現在でもコロナウィルスは9月4日時点で新たな感染者数は669人、東京都でも136人で、まだまだ予断を許さない状況にある。さて、そのような中、JR東日本が終電時刻を来年のダイヤ改正で繰り上げることを決定した。
 コロナウィルスによって、人々は夜の街に出かけることが少なくなった。これは、コロナウィスルの感染拡大を抑えるためであり、政府が営業時間の時短などを要請したからである。あくまで緊急対応的なテンポラリーな対応である。ただし、その結果、一時的ではあるが夜の時間帯における活動が抑制され、飲食店などは随分と経営的にも厳しい状況を余儀なくされている。当然、交通需要も減ったであろう。
 さて、しかし、これらは繰り返すが一時的な現象ではある。いや、結構、長引く可能性もあるが、今年中にワクチンが開発されるという報道もある中、また、コロナウィルス系のSARSやMERSなどの事例を考えても、それほど長期間にわたって、コロナウィルスの影響下で生活をすることはないだろう。それは、日本においても、東京都においても感染者数が下がっているトレンドから容易に推察できる(多少の増減はあっても、長期的にはその影響は減少するであろう)。つまり、夕方から夜間にかけての経済活動も、現在をどうにかやり過ごせば、以前のような状態には戻れると思われる。もちろん、その間に店を畳むことを強いられる店舗等も少なくないだろうが、逆にいえば生き残ることができれば、将来的には大丈夫であろう。
 ただし、そのような都市活動を維持するインフラが変更してしまったら、その前提条件は大きく覆されてしまう。報道だと、JR東日本は主に東京100km圏の各路線において終電を30分繰り上げるそうだ。これによって、多くの客が終電に間に合うように30分ほど早くお店を出ることになるだろう。これは、30分間営業時間を短くするようなのと似たような効果が考えられ、お店の営業に大きな影響を与えるのではないかと推察される。お客だけではない。多くのお店では従業員を終電で帰させるように勤務シフトを考えているので、実質的にはこの終電時間の繰り上げは営業面で大きなマイナスの影響を与えることになるであろう。
 30分ぐらい大したことがない、と思うのはお店の事情を知らないからであろう。最近、東京都が夜10時までの営業を依頼したが、少なくない店が無視をした。これは、もうそうしないと経営がたち行かなくなるからだ。この多くの客を30分早く帰宅させる今回のJR東日本の決断は、都市経済活動を維持している最も根元的なインフラを自分達が支えているという自覚に欠けていることを浮き彫りにさせている。いや、民間企業だから知ったことがない、といってしまえばその通りなのだが、鉄道路線は民間企業が経営していても「公共」交通である。そして、その「公共」が福祉だけではなく、経済をも含んでいる場合、それを担うものは重大なる責任が伴う、ということはしっかりと認識してもらわないと不味いなと思う。
 個人的には、サラリーマンを辞めた後は、東京にいる時はほとんど下北沢でしか飲まないし、京都で働いている時も、家に歩いて帰れるような店でしか飲まないので、JR東日本が何をしようが構わないのだが、このような動きを社会がし始めると、暫定的なコロナウィルスのマイナスの影響が、硬直化し、パーマネントになってしまう。コロナウィルスは天災かもしれないが、JR東日本のような動きが見られ始めるとそれは人災になる。
 ということを、あまり誰も指摘しないので、代わりに私が指摘させてもらう。

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