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コンテイジョン [映画批評]

私のゼミ生がこの映画がいいと勧めたのでアマゾンで早速、注文して鑑賞したのだが、いやはや緊張感溢れた内容に加え、パンデミックの危機をリアリティ溢れた描写をしていて大いに楽しめた。まるでコロナウィルスの危機を予見したかのような内容には、ちょっと衝撃さえ覚える。というか、しっかりとパンデミックをシミュレーションすると、こういう事態になることが予見できるということであろうか。コロナウィルスを体験した我々からすると、そのシミュレーションの際だった秀逸さが理解できるともいえよう。また、直接的には交錯しないのだが、CDCの医師達、WHOの研究員、陰謀説をSNSで流すフリージャーナリスト、妻と息子をウィルスで失った男性という四つの視点からパンデミックの進展を描いていることで、視聴者は4つの多角的な視座によって状況を俯瞰することができる。それゆえに、画面にぐいぐいと引き込まれて、目が離せない。まったく集中力を途切らすことなく一挙に最後まで観ることができた。CDCのケイト・ウィンスレット演じる若手研究者が感染源を突き止めても、政治的な理由から都市封鎖ができず、無念を抱えたままウィルスに感染して亡くなってしまうことや、ジュード・ロウ演じるフリー・ジャーナリストがSNSを駆使して世論形成に成功すること、さらには人々が買い溜めに走り、暴動するところなど、今のコロナウィルスの状況そっくりである。リアリティ溢れた描写、と前述したが、現在のコロナウィルスの件でCNNの番組に出まくっているグプタ博士がカメオ的に出演していることにはちょっと個人的に受けた。というか、コロナウィルスのパンデミックを経験した我々としては、2011年につくられた作品であるにも関わらず、まるで今の状況を報道しているのではないか、という錯角さえ覚えさせる。コロナウィルスと共生していかなくてはならなくなった人類必見の映画であると思う。エンタテインメントを越えた良質な映画である。

コンテイジョン [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2012/09/05
  • メディア: DVD




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