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トランプがツィッターの閉鎖を訴えていることは、まさに天に唾する大愚行である [トランプのアメリカ]

トランプが、トランプを頻繁に批判する元ジョー・スカーボロー共和党議員が女性部下を殺したというとんでもないデマをツィッターで流したことで、その女性部下の旦那がお願いだからトランプのツィッターを閲覧できないようにしてくれ、と嘆願したのだが、ツィッター社はそれを放っておいた。しかし、さすがにツィッター社も何もしないのはまずいと思ったのか「事実確認を促す警告」をこのトランプのツィートに付けることにした。
 そしてトランプは、警官による黒人の逮捕者を殺人したことを契機にミネアポリスで大暴動が起きていることを受け、「略奪した時点で射殺する!有り難う」というツィートをアップするのだが、これも「暴力的なツィート」ということで、クリックをしないと閲覧できないようにツィッター社は対応した。これは、例えば私のようなものがツィートしたら当然、そのような対応をされるような代物である。
 しかし、そこはトランプ。なんと、これらに対して「表現の自由に反している」と猛烈な攻撃をソーシャルメディア・プラットフォームに仕掛けている。現在、利用者の投稿内容についてインターネット・プロパイだーの責任を免責する「米通信品位法230条」というのがあるのだが、これを撤回するために大統領令にまで署名した。
 トランプは感情的にみえて、結構したたかに計算しているとか、アホのようなフリをしているだけだ、という見方をするような日本人の識者(例えば、橋下元大阪市長)もいるが、この件から考察するに、ただの感情をコントロールできないバカであることが分かる。
 まず、大統領令を署名しても議会を通らないと法律は撤回できず、民主党がマジョリティの下院でこれが通るかは分からない。いや、通るかもしれない。というのは、これは後述するようにトランプにとって相当、不利になるからだ。どちらにしろ、トランプにとって大統領令に署名してもパフォーマンス以上の意味はない。
 また「表現の自由に反している」と主張するが、トランプはむしろマス・メディアの「表現の自由」に対して「フェイク・ニュース」と言い放ち、むしろ表現の自由に対して苛立ちを隠せないでいる。CNNの報道関係者とかはトランプ支持者に身の危険を感じるような経験をさせられている。「表現の自由」というのは、トランプにとっての「表現の自由」であって、他者にとっての「表現の自由」ではない。
 さらに、仮に「米通信品位法230条」が撤回した場合、その表現を規制する筆頭がトランプ大統領である。ツィッターはむしろ、トランプということで、表現の規制をしなかった。トランプの発言に対してツィッターが責任を取ることになれば、将来のこと(トランプが大統領ではなく一般市民に戻った時)を考えると、トランプ大統領の発言は相当、規制せざるを得ない。
 ということで、どちらに転んでも、このけんかはトランプの負けである。というのは、ツィッターを取り上げたトランプは、蛇矛を奪われた張飛、ギターを取られたジェフ・ベックのようなものである。もう少し、感情に支配されずに、けんかをするならしないと。

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