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コロナウィルスでのロックダウンに反対デモをする人々 [トランプのアメリカ]

コロナウィルスでのロックダウンに反対するデモがアメリカで頻発している。それを後押しするかのようにトランプ大統領は「Liberate Michigan」、「Liberate Minnesota」、「Liberate Virginia」と叫んでいる。ロックダウンから「解放しろ!」と、自分がロックダウンを指示しながら何を言ってるんだ、という感じである。コメディアンのトレバー・ノアが「あたかもアメフトの監督がフィールドゴールを狙え、と指示した後に、なんでフィールドゴールを選択したんだとチームを責めるようなものだ」と言っていたが、朝令暮改どころのレベルじゃない。また、トランプ大統領が挙げたミシガン、ミネソタ、バージニアはみな州知事が民主党である。この期に及んで、コロナウィルスを政治的に利用しようとする根性は見上げたものである。
 さて、コロナウィスルを戦争と例える人は多く、トランプ大統領もその一人である。私は戦争と例えることは違和感を覚えるが、兵站学が必要であるという点では、戦争と類似点が多いと思われる。戦争において、どこがロジスティックス上の弱点になるかをいち早く分析し、それに対応することは、敵のロジスティックスのどこが弱点であるかを見抜き、そこを突くのと同様に、戦勝を得るうえでは極めて重要である。
 そのように考えると、コロナウィルスの攻撃に対して、現在の社会システムのどこがウィーク・リンクかというと、それは医療システムである。医療崩壊が起きた時点で、その都市・地域は、コロナウィルスにチェックメイトされてしまったも同然だ。それが故に、ここだけは死守しなくてはならない。そのためのロックダウンであり、ソーシャル・ディスタンスである。これらは、コロナウィルスの猛威が奮うスピードを減速させるための措置である。まあ、洪水に対して土嚢を積むような行為かもしれないが、土嚢を積まないと浸水してしまう。
 確かに、このロックダウンは経済活動の多くを停止させてしまうので、その社会的ダメージは大きい。医療崩壊が起きる前の、コロナウィルスの被害と経済的な被害との損得を計算すると、議論したくなる気持ちが生じるのも分からなくはない。しかし、医療崩壊が起きた時の社会の損失は、ロックダウンでの被害の大きさを遙かに上回るであろう。コロナウィルスの脅威はまさにその点であり、トランプが支持者に「ロックダウンに反対しろ」とツイッターを通じて遠隔操作をしているのは、こいつ本当にアメリカという国を破壊しようとしているのではないかとさえ思わせる。
 日本はアメリカの悲惨な状態を他山の石としないと。橋下元知事のようにトランプを賞賛する人とかもいるので、油断はならない。

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