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失われた30年が意味するもの [グローバルな問題]

バブルが破裂した後、失われた10年という言葉が使われたが、実際は「失われた30年」である。というか、このままだとずっと日本は失われ続けるかもしれない。まあ、現時点では「失われた30年」であろう。さて、なぜそう思うのか。それは、この30年で欧米といった先進国とは大きな経済的格差が広がってしまい、また後進国には猛烈な勢いで追いつき、追い越される過程にあるからだ。マラソンで言えば、皆が走っている時に歩いたり、立ち止まったりしているような状況だ。いや、よくよく考えれば、別にマラソンで一生懸命走らなくてもいいじゃないか、と思わなくもないが、そうすると国際経済的には落ちこぼれになって、とても若者が住みたくなるような国じゃあなくなっていくような気がする。
 なぜ、そう思うのかというと、今、アメリカでいろいろと取材調査をしているからだ。今日はシアトルの市役所の職員と話をしていたのだが、シアトルは低所得者層向けの住宅への申請資格が年収80000ドルだそうだ。これって年収900万円以上に相当する。つまり、シアトルであれば、ほとんどの日本人は低所得者層向けの住宅に申請する資格があるということだ。なんてこったい!驚いた私に、この職員は「何を驚いているんだ。サンタクララ(シリコンバレーにある自治体)だったら、年収100,000ドルから申請できるぞ」と言われてさらに驚いた。
 私がアメリカで生活をしていた1990年代前半、日本より高いものはアメリカではほとんどなかった。多くの日本人が強い円でいい気になって海外旅行を楽しんでいる時代である。今は弱い円と安い物価を目当てに多くの外国人が訪れる国になってしまった。
 このような格差、明らかな経済的な負け状況を目の当たりにすると、本当、脱出できる若者は日本を脱出するべきだなと思わずにはいられない。私のゼミの卒業生も気の利いた奴は脱出しているし、私の長女もそうする計画のようだ。本当、団塊の世代がいい気になっていると、若者がいない国になってしまうぞ。人口減少しているのに移民を入れるのはどうのこうのと言っているうちに、日本が移民を排出する国になってしまうぞ。そのような状況になってしまった背景が海外の経済状況を知るにつけよく理解できる。

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