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ヴィレッジ・ホームスの管理について [都市デザイン]

ヴィレッジ・ホームスの設計者の一人であり、開発当初からの住民にお話をする機会があった。彼女は、ビレッジ・ホームスの考案者であるマイケル・コーベット氏の事務所で、まさにヴィレッジ・ホームスをつくる時に働いていたので、気になる話を聞かせてもらった。まず、コーベット氏は「NOを受け付けない人」だと表現していた。ヴィレッジ・ホームスという極めて斬新でユニークな開発をするうえでは、役所はもちろんだが、金融機関はほとんど駄目出しをする。しかし、その駄目出しを全然、真に受けなかったそうである。こういう新しい事業を具体化するうえでは必要なメンタリティなのかもしれない。信念の人だったのだな、ということを改めて知る。
 また、やはりポイントは維持管理ということだ。道路自体は市役所が管理したりしてくれるが、公共的な空間(芝生)などは三名から四名ぐらいの人を雇って管理しているそうだ。これらはホームオーナーズ・アソシエーションが雇用をしているそうである。このアソシエーションは他にもコミュニティ・センターなどを管理している。一方で、プラムシア(Plumshire)という不動産管理会社もあって、ここはヴィレッジ・ホームス内にあるオフィス、レストランなどの不動産を管理しているそうだ。このプラムシアはヴィレッジ・ホームス以外には物件を持っていないそうである。
 あと、この方は45年もここに住んでいるが、最近では、このヴィレッジ・ホームスで育った子供達が一度はここを出るが再び、戻ってくるという傾向がみられるそうだ。確かに、ここは子供を育てるには相当、いい環境ではないかと思われる。自動車の通過交通はないし、自転車で移動しやすいし、果実はそこらへんに育っているし、自家菜園での健康的な野菜を食べることができる。ある意味で、アメリカの理想的な郊外像を提示しているのではないか、と思ったりする。公共交通の問題などはあるが、自転車で市内であればほぼどこでも快適に移動できるし、ある意味、レッチワースより田園都市的かなという印象も覚える。

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