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『死刑台のエレベーター』 [映画批評]

1958年に公開されたフランス映画。ジャンヌ・モローが主演で、マイルス・デービスのトランペットが映画に哀愁を漂わせることに成功しているが、ストーリーは完全犯罪が、ちょっとしたミスと不運で雪だるま式に悲惨な方向へと転がっていくドタバタ悲劇である。ジャンヌ・モロー演じる大会社の社長夫人が、旦那の会社で働く不倫相手の若いハンサム男に、年老いた旦那を殺させる。そこまではよかったが、ちょっとした隙に、この男の車はチンピラに盗まれ、このチンピラが衝動的に観光客を殺してしまったことで濡れ衣を着させられる。この男は男で、犯行に使ったロープを取り忘れたのでそれを回収しようとして乗ったエレベーターが止まってしまったので、その濡れ衣を晴らすことができない。という、もう見ててイライラするような不合理の連続で、本当、人間アホだよな、と思わずにはいられない。しかし、まあ、こういうアホが多い世の中で、どのように生き延びるのか、ということを考えるきっかけは提供してくれる。まあ、この社長夫人の愛人の男性の場合は、社長夫人とそのような関係にならなければいいのだが、ううむ、これはちょっと拒むことは難しいかもしれない。あとは、社長夫人の旦那殺しの依頼をしっかりと断れることかな。どちらにしろ、人はアホばかりだということをしっかりと映画で表現できる国で、原発をあれだけ稼働させているのは驚くべきことだ。この映画を観たら、原発で何か小さい問題が起きても、それが大爆発にまで至るように悪いことが重なりそうだ、ということには気づきそうなものだが。


死刑台のエレベーター HDリマスター版 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 株式会社アネック
  • 発売日: 2017/06/21
  • メディア: DVD



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