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今更ながら『E.T』を観る [映画批評]

今更ながらであるが『E.T.』を観る。一昨日、恥ずかしながら『ハムレット』を初めて読んだのだが、最近、社会常識として著名な本とか映画の内容を知っておかなくてはまずいみたいな気分になっているからだ。さて、E.T.は少年とその兄弟と宇宙人との交流の物語だが、子供達の純な優しさのようなものが心を打つ。流石、大ヒット作は良質だなと思ったりもしたが、あの宇宙人のデザインは悪い。これは、スター・ウォーズなど他のハリウッド映画にもいえることだが、なんで円谷プロのように格好いいというか、より個性的な宇宙人がつくれないんだろう。ピグモンとかの方がずっと存在感がある。というか、私がこれまでE.T.を観なかったのは、あのヘンテコなデザインの宇宙人に抵抗を覚えていたからだ。その気持ちは映画を観た後も変わりは無い。
 あと、新生チャーリーズ・エンジェルのドリュー・バリモアが子役で出ているのだが、その演技は驚くほど上手い。いや、天才子役という形容が大袈裟ではないぐらいだ。私はなんでドリュー・バリモアがこんなに俳優として引っ張りだこであるのかが不思議だったのだが、それの理由はここにあったのかということに気づいた。
 また、舞台はロスアンジェルスの郊外であるが、この郊外で暮らす少年の生活を見事に演じていたかとも思われる。多くのアメリカ人が郊外で生活をするようになった1970年代当時の新しい郊外でのライフスタイルや価値観(離婚を含む)などをうまく表現しているようにも思える。郊外の希望が幻想であったのかとアメリカ人が気づき始めた時代感、イーグルスが『ホテル・カリフォルニア』でカリフォルニアへの人々の期待を皮肉った時代感を表現しているようにも感じた。そのような不毛な地にちょっとしたファンタジーを展開させることは、アメリカ人の心の琴線に触れたのかもしれない。


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