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ジェームス・ボンド『死ぬのは奴らだ』は駄作だ [映画批評]

ジェームス・ボンドの『死ぬのは奴らだ』を機内で観る。1973年の作品である。この映画はポール・マッカートニーの映画と同名の曲『死ぬのは奴らだ』で有名であり、私もこの曲はよく聴くが、どんな映画か知らなかったので、ちょっと観ておきたいと思ったからである。加えて、私は結構、ジェームス・ボンドの映画が嫌いではない。さて、しかし、この作品は酷かった。ワニとかサメとかを登場させているのだが、まったく手に汗を握るようなスリリングな描写がないのだ。一人ぐらい腕とか足を食べられた方が、スパイ映画ということで、ちょっとハラハラさせられたかもしれない。ワニとか、ただの因幡の白ウサギのように、いとも簡単に危機から脱出したからな。せっかくカリブを舞台にしているのに、その美しいランドスケープの描写にも失敗している。ヴードゥー教の気味悪さを強調しようとし過ぎているが、それに対する理解が不足しているので、全然奥行きにもかけている。そして、肝心のボンド・ガールがそれほど魅力的でもないのだ。本当、なんかドリフのどたばたスパイ劇を観させられたような気分である。これじゃあ、ちょっとポール・マッカートニーの素晴らしい曲がもったいない。

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