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『ラ・ラ・ランド』 [映画批評]

『ラ・ラ・ランド』は一度、機内で観ようとしたのだが、ちょっと10代向けという感じが強かったので、5分ほど観ただけで挫折していた。しかし、私が最近きになっているソノヤ・ミズノも出演していることを知ったのと、また、私が敬愛する60代半ばの建築家の先生が「面白いよ」と言ったので最後まで頑張って観てみた。ソノヤ・ミズノは前半においてエマ・ストーン演じる主人公とシェアルームしている役で出て、4人で踊るのだが、4人の中で一番、スタイルがよくて、しかも踊りもキレキレであった。本当、日本人の血が半分入っていると思えないほどの格好良さである。
 話の展開はちょっとペーソス溢れていて、思ったよりは楽しめた。とはいえ、完全な娯楽作品であり、まあ漫画のような感じのミュージカル映画である。ただ、このべたべたになりがちなロマンス映画をどうにか観られるようにしているのは、エマ・ストーンの爽やかさというか、清潔さであるかと思う。ジョディ・フォスターをちょっと柔らかにした感じのキャラクターはなかなか大器な印象を与える。
 あと、『ラ・ラ・ランド』とタイトルにしているだけあって、ロスアンジェルスの魅力を映画で表現しようと意図されているのが分かる。ロスアンジェルスという都市への愛に溢れているが、ロスアンジェルスは都市としては相当、出来損ないなので、この映画のように感じよく描くのは相当、至難の業なのではないかなと思う。グリフィス・パーク、サンタ・モニカ・ピア、ワッツ・タワーなどロスアンジェルスのランドマークをしっかりと抑えているが、逆にダウンタウンはまったく出てこない。いかに、ロスの住民がダウンタウンなしで暮らしているか、ということを逆に示している。
 また、重箱の隅を突くような指摘で恐縮だが、セバスチャンがミアを実家のボルダーにまで朝の8時に自宅に迎えに行き、その日の17時30分にロスアンジェルスで行われるオーディションに届ける話があるが、ボルダーからロスアンジェルスまではどんなに車を飛ばしても9時間30分で着くことはできない。ということは、自分の車でデンバーに行き、そこから飛行機でロスアンジェルスにまで飛んだということだろうか。こういうのが気になると、映画のストーリーに集中できなくなってしまうので、そこらへんは筋を通して貰えるとよかった。


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