SSブログ

『ソフィーの選択』 [映画批評]

 トランプ大統領がメリル・ストリープのことを「史上最高に過大評価された女優」とツイッターで批判したので、これまで観たことのなかった彼女の傑作の一つである『ソフィーの選択』を観た。というか、これを観ると素人でもメリル・ストリープが天才としか形容できないような女優であることが分かる。背筋が寒くなるほどの演技力である。こりゃ大した大女優である。少なくとも『ソフィーの選択』のメリル・ストリープは、どんな絶賛も過大評価になることはない。というか、この映画の主人公であるソフィーという地獄を見させられた女性の複雑な多面性を演技できる女優がこの世にいるというだけで驚きである。ソフィーは潔癖であると同時に官能的であり、ユーモラスであると同時に悲しみに溢れ、そして圧倒的に絶望的である。第二次世界大戦におけるドイツのユダヤ虐殺が、いかに多くの人生を狂わせることになったのか。それは観る者の心を大きく揺さぶるであろう。
 最近は日本を含めて世界中で人種差別的な動きが活発化しているが、そのような考えがどれほど人の醜悪さを晒し、無実の人を崩壊させるか。トランプを支持する3割ちょっとのアメリカ人も、トランプのいい加減なツイートを信じるより、この映画でも観て、生きることや人種差別の負の側面について、ちょっと立ち止まって考えるべきであろう。そして、このような女優を「大根女優」のようにしか捉えることができないバカな大統領を選んだ自分達の愚かしさを反省するといい。


ソフィーの選択 [DVD]

ソフィーの選択 [DVD]

  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • メディア: DVD




ソフィーの選択 [Blu-ray]

ソフィーの選択 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • メディア: Blu-ray



nice!(1) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1