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大雪によるドイツ鉄道のダイヤの乱れの日に、東京の交通システムの脆弱性について考察した [サステイナブルな問題]

 3月中旬のドイツは大雪に見舞われた。この日はライプツィヒからマンハイムまで移動しなくてはならない。ライプツィヒの中央駅に行くと、案の定、大混乱状態であった。指定席を取っていないので、列車が遅れても特に問題はない。ライプツィヒからマンハイムまでは乗り換え無しで行くICEが2時間に1本の割合で走っているのだが、もう、とりあえずマンハイム方面に行った方がいいだろうということで、中央駅に着いたフランクフルト中央駅に向かうICEに乗り込む。列車は定時から2時間遅れで出発したが、私が列車に乗り込んでから出発するまでに待っていた時間は1時間ぐらいであった。列車が出発したら、座席から拍手が起きた。ところどころ止まりつつ、列車は走行していったが、17時20分にはフランクフルト中央駅に着いた。ダイヤ的には3時間ぐらいの遅れかもしれないが、実際の走行時間的には30分ぐらいの遅れにしか過ぎない。
 しかし、そこからマンハイムへ行く列車がない。ICEは皆、150分遅れとか、訳の分からない数字を電光掲示板に示している。ということで、急いで各停のローカル列車を調べて、そちらに乗ることにした。ちょうど上手い具合にマンハイム行きの列車が18:06に出るのでそれに乗り込む。これは、6分遅れの18:12に出発した。ライプツィヒのあたりは一面、白い世界であったが、フランクフルトは雪が降った形跡もない。ローカル列車がそんなに遅れる理由はあまりない筈である。ICEはドイツ全国土にネットワークを拡張しているので、雪が降った地域を走っている列車は悉く遅れている。そして、その遅れがドミノ倒しのように、他の列車にも波及していっているのである。混乱が混乱を招くというような状況だ。そもそも正常な状況でも、ドイツ鉄道はICEを定刻で走らせることが困難である。雪がこれだけ降ったら、ほとんど麻痺状況になるのも致し方ない。
 東京も雪が降ると、結構、交通が麻痺してしまう。大学の同僚の先生が、これはどうにかならないのか、と聞いてきたことがあるのだが、ある程度、雪が降ってもまともに交通が機能するようにするのには、とてつもない経費がかかるであろう。というか、そもそも、山手線の駅周辺にどんどん商業ビルを建設して交通需要を集中させるような都市開発を促進させたり、東横線が西武池袋線や東武東上線と接続して運行し、リスクマネジメントができないほどシステムを拡張させたりしていることこそが問題をより深刻化させているのである。
 つまり、東急東横線でいえば、ダイヤの乱れを収束させることを可能にした渋谷駅というターミナルを喪失し、より脆弱なシステムへと移行させてしまった。しかも、そうでなくてもキャパオーバーの渋谷駅にさらに商業ビルの床面積を増やすような開発をして、リスクをさらに高めている。それが降雪とかに対して東京の交通システムをより脆弱化させている大きな要因であり、そのようなことを放置して、降雪に対してレジリエンスを高めるようなことをしようとしても、放火犯を放置しておいて、消火活動を強化しようとしているようなものであり、無駄であると思われる。
 などということを、ドイツのダイヤの大乱れの日に考えた。

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(雪景色のライプツィヒ中央駅)
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