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『それなりのつよがり』 [宇宙団]

 宇宙団の全国流通アルバムとしての二枚目(インディーズでの自主制作アルバムを入れれば三枚目)。一枚目の『星眠る島』が驚くほどの傑作だったので、流石にその発表から1年という期間での二枚目は、一枚目を上回るのは難しいのではないかと思っていた。いわゆる二枚目のジンクスである。しかし、その私の心配は杞憂に終わった。これは一枚目をも上回る傑作である。個人的には一枚目には「ファンタジア」やら「ツアー」といった、プログレッシブ・ロックにも通じる望月志保がつくりあげる壮大なるドラマチックな音世界がとても好きだったので、そのような曲は2枚目では「夏に寄せて」ぐらいかな、と思ったりするのだのだが、逆に1枚目にはなかった飛びきりのポップな曲が二枚目には含まれている。それは「ラブリーチューンXX」であり、この曲はもう出来た時点でクラシックになるような強烈な存在感を有している。それは一聴しただけで、覚えてしまうようなメロディアスな曲であると同時に、若い女性特有の瑞々しい感性が凝縮された詩など、乃木坂46が歌ったら世界的ヒットになるのではないかとさえ思われる。キャッチーなメロディという点では、「文明鎮座」のさびもそうだ。一回聴いたら忘れない。そして、一枚目よりポップになってはいるが、猫の目のようにころころと曲が展開する「宇宙団節」は二枚目でも健在である。また、演奏レベルは確実にアップしていて、聴いていても安心である。ここらへんは「日本のヒーロー」で特に顕著に分かる。いやはや、弾けるのはもう時間の問題というか、導火線には火がついていると思われる。
 Thee michelle gun elephantやフィッシュマンズをはじめとして多くのミュージシャンを輩出している明治学院大学に15年間、勤続して、ようやく天才的なミュージシャンと出会えた。正直、嬉しい。これからも、彼女たちがしっかりとミュージシャンとして生きていけることを見守っていきたい。
 

それなりのつよがり

それなりのつよがり

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: わびさびレーベル
  • 発売日: 2018/01/17
  • メディア: CD



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