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セントラル・ステーション [映画批評]

 映画はそれほどではないが、人並みに観る方だと思う。私は集中力がないので、なかなか映画を2時間、見続けることが苦手である。しかし、この1998年に制作されたブラジル映画には本当に惹きつけられた。心を揺さぶる力を有した傑作である。こういう映画を観ると、映画の持つ凄まじい力を思い知らされるし、映画は素晴らしい芸術であるとも思う。ただ、問題は滅多にそういう映画に出会えないということだが。
 本作品を魅力的にしているのは、主人公のフェルナンダ・モンテネグロの演技であることは間違いない。小悪人ではあるが、根っからの悪人にはなりきれない。そして、心の底にあった良心というか優しさに突き動かされて行動していると、最後にその暗闇に被われていた心に光が点る。生きていくのも厳しいブラジル社会の中、このような良心が人にあるということが、明日への希望へと繋がる。観た者の心にも小さな光を点す感動的な作品である。また、この映画はロード・ムービーでもあり、リオデジャネイロの街並み、ブラジルの荒野、ブラジルの片田舎などを主人公と一緒に旅しているような気分にもさせてくれる。これも、日本人にとっては大きな魅力であると思う。


セントラル・ステーション [DVD]

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  • 出版社/メーカー: アミューズ・ビデオ
  • メディア: DVD



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