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『帰ってきたヒットラー』 [映画批評]

この映画は凄い。2012年に著された小説をもとに2015年に映画は公開された。ヒットラーというドイツ最大のタブーを直視しない「ポリティカル・コレクトネス」を意識し過ぎていることで、ドイツ社会はむしろ欺瞞的になっていることを風刺する、という視点が極めて刺激的であるが、何より、現在のトランプのアメリカの状況を予言しているかのようなストーリーに引きずり込まれる。映画の最後の方で「私を選んだのは国民である。選挙をやらないとでも言うのか」とヒトラーが語るのだが、それはまさにトランプ大統領を選んだアメリカのことを示唆しているかのようである。トランプのハチャメチャから目が離せない私は、そういう視点でこの映画を見て大いに楽しませてもらったが、そのような問題意識がない人にとっても単純に楽しめるようなストーリー展開になっており、見て決して後悔しないであろう。個人的には久しぶりの大ヒットであった。

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