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『ある結婚の風景』 [映画批評]

4時間以上もある作品。スウェーデンの映画監督イングマール・ベルイマンによる1973年の作品。6つの章に分けられた構成になっており、章ごとにエンドロールが入る。このエンドロールが、映画の緊張感をほどよく和らげる効果を有している。この緊張感とは、次がどのように展開するのか分からないサスペンス映画が観る者に与えるようなものである。ただの夫婦の話であるにも関わらず、そしてほとんどが二人の会話だけで話が進んでいくだけなのに、次にどうなるのか、ハラハラとさせられる。しかし、夫婦というもの、結婚生活というものは、詰まるところ傍から見るとそのようなものなのかもしれない。個人的には、旦那の子供への愛情の恐ろしい欠如、さらには妻への情のなさ、というか自分のエゴだけを最優先に捉える身勝手さに不快感しか覚えなかったが、そういう自分も傍からみるとそう思われるのかなとも考えたりもした。結婚という行為の不合理、矛盾などが見えつつも、離婚してしまうことの不合理なども考えさせられる、なかなか深遠な作品であると思われる。





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