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オバマケアの意義 [トランプのアメリカ]

 オバマケアとはアフォーダブル・ケア・アクト(ACA)の別名である。2010年に議会を通過した医療保険制度を改革する法律で、具体的にはより多くのアメリカ国民に医療保険に加入してもらえるようにした。それまでは、保険会社は持病を抱えている人の保険加入は断れたし、保険金の支払いの上限を設けることができたが、医療費の自己負担分の上限も設定された。
 マイケル・ムーアが2007年の映画「シッコ」で描かれたような、高額の医療費を保険がカバーできずに治療できずに亡くなるような人が、このオバマケアで激減することになった。オバマ政権のレガシーとして捉えられている。
 しかし、このオバマケアはトランプが大統領になることと、共和党が政権を握ることで、風前の灯火と言われている。また、多くの州において保険会社が独占的状況にあったため、想定した市場での競争がみられなかったところは、むしろオバマケアが導入された後、保険が高まったりして、それを理由にオバマケアが失敗だと指摘する人もいる。
 ただ、このCNNのニュース動画では、長年共和党を支持していた人が、このオバマケアを廃止させるために先頭を走っているポール・ライアン議員に、「オバマケアは本当に素晴らしい、なぜ変える必要があるのか。オバマには心から感謝している」と述べている。まあ、ライアン議員には蛙の面に小便といった効果しかなかったのかもしれないが、私はちょっと心を揺さぶられた。『シッコ』が描かれた時代では亡くなっていたであろう人が、オバマケアのおかげで生き延びることができた。こういうのが政治なのではないか、と思わさせられた。そして、トランプはオバマの政治的成果を無に帰そうとしている。なんて愚かな。そして、そんなトランプを大統領に選んだアメリカも愚かな国である。
http://edition.cnn.com/2017/01/12/politics/audience-member-paul-ryan-town-hall-obamacare/index.html?iid=ob_lockedrail_topeditorial
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