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シン・ゴジラ [映画批評]

この夏、話題となっていたシン・ゴジラを観る。ゴジラの暴れっぷりもなかなかよかったが、やはり面白いのはゴジラの出現によって慌てて対応する人間模様である。ゴジラが暴れているのに意思決定が全然できない役人達の姿は、福島の原発事故に適切に対応できなかった東京電力や官邸、経産省などを彷彿させる。その中で、特別チームがつくられ、どうにか東京に国連軍が核爆弾を落とすというシナリオを阻止できたというのも、吉田所長を初めとした一部の人たちの獅子奮迅の奇跡的な活躍で、福島の事故の最悪の事態を回避できたこととも通じる。

また、ゴジラが放射能をばらまき捲っているのと、それに対してSNSがその情報を拡散しているというのも福島の事故を想起させる。そういう意味で、福島事故を体験した日本人が観るとなかなか考えさせられる点が多い映画であるが、まあ、何がやはり凄いかといえばゴジラの暴れっぷりで、エヴァンゲリオンの使徒のような絶対的な強さを備えていた。科学力で対処しようとした点や、美人の理系秀才が活躍することなどの類似点も多い。一点、興醒めだったのはパターソン女史が100%日本人的な風貌の女優である石原ひとみであったこと(まだ、スザンヌとかの方が説得力があった)と、アメリカ人なのに難しいところは日本語でしゃべり、簡単なところは英語でしゃべっていたことである。普通、逆でしょう。

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