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トランプが大統領になった日。それは、パックス・アメリカーナが終わった日でもある [グローバルな問題]

 米国民はトランプを大統領に選んだ。私はマイカル・ムアーの『Trumpland』を観て、改めてヒラリーこそがアメリカ最初の女性大統領にふさわしいことを確信し、また、トランプはFox NewsのMegyn Kellyとの会話などを通じて、まったくもって大統領にふさわしくないことを痛感していたので、今回の結果には、本当にショックを受けている。トランプのどこが大統領にふさわしくないのか。まず、まったくもって明らかな嘘つきであることだ。英語でBig Fat Liar という言葉があるが、トランプはまさにその言葉がふさわしい嘘つきである。彼がいかに嘘つきであるかは、数多くのYoutubeの画像で明らかにされている。
 二点目は、彼がまったく知識がないことだ。彼は選挙中、「Change America」と連呼していたが、どのような政策でアメリカを再び強くするのか、その点は全く述べることができていなかった。このようなスローガンを叫んでいる人が、そのまま多くの投票者の心を掴むとは驚くべきことだ。日本や韓国、サウジアラビアに米軍滞在費を負担させろと言っているが、既に日本は7割ほどを負担している。はっきり言って負担し過ぎである。米軍は日本にある米軍基地を自由勝手に使っているが、そんなに嫌なら出て行ってもらって結構である。沖縄の基地問題もそうしてもらえれば解決である。そういう基本的なことを分かっていない。
 三点目は彼の人格がよくない、ということだ。ムスリムやヒスパニックへの差別的発言、女性を見た目で判断するというセクシストの側面、ちょっとでも批難されると攻撃する偏狭さ。どれもが大統領の資質から遙かにかけ離れている。ヒラリーの方が数倍もまともである。
 とはいえ、そのトランプが勝ってしまった。悪い冗談もほどほどにして欲しい。このトランプが大統領になるというのは、トランプのような人間を大統領にするような知性と見識しかアメリカ人の少なくとも半分ぐらいは持っていないということだ。アメリカ人の半分以上が、このようなファシストのような扇動に煽られてしまったというところが、今回のトランプ勝利がなぜ、ここまで人々を落胆させているかの理由であろう。
 マイカル・ムアーが『Trumpland』で述べたように、トランプに投票をして「ざまあみろ」という爽快な気分は1日は持続できるであろう。もしかしたら1週間はいい気分でいられるかもしれない。うまくいけば1ヶ月ぐらい。ただ、それからは暗黒の4年間が待っている。
 トランプが大統領になった日。それは、パックス・アメリカーナが終わった日でもある。奇しくもこの日、11月9日はセプテンバーイレブンの月と日が逆になっただけである。11と9というのはアメリカの呪いの数字なのかもしれない。
 日本も戦後70年経って、ようやく独立を本気で考えなくてはいけなくなったということか。まあ、しかしアメリカがこれだけ信頼できないのであるなら、それも致し方ないであろう。我々、日本人にとってもとんでもない時代の幕開けだ。既成の価値観を超克して、頭を使っていかないと大変なことになるであろう。

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