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若者はなぜ、原発に賛成するのか? [原発問題]

 朝日新聞社が10月15日、16日に実施した全国世論調査では、原子力発電所の運転再開に対して「反対」が57%、「賛成」が29%であった。3年前でも反対は58%であったから、一貫して反対派が多いことが分かる。
 さて、しかし、世代別・性別にみると、その傾向には違いがあって、18〜29才の男性は「賛成」が6割、「反対」が3割となる。
 これは個人的には驚愕の事実だ。というのも、福島原発のような事故があればもちろんだが、通常の稼働時でも原発から微量だが漏れてくる放射能のマイナスの影響を受けるのは子供や若者であるからだ。高齢者は実は放射能に強い。しかも、余命も短いので、万が一、被爆したことで癌などの病気になっても、失うものはそれほど多くない。したがって、単純に原発のメリット・デメリットだけを考えると、高齢者の方が若者よりも効用が高い施設であるために、高齢者が賛成し、若者が反対といった図式ができるはずである。しかし、事実は異なる。合理的な説明ができない非合理な現象であると思うのだが、それは私が何かを見られていないからであろう。
 ただし、学生と日々、接していて感じられることは、原発の事故のことにあまりにも学生達が無関心であるということだ。全員ではないが、多くの人が、たとえばキノコの放射能汚染の話などをすると大変驚く。これから福島を中心に低線量被爆の被害者が徐々に顕在化していくのに、若者達があまり状況を理解していないのであれば問題だ。そのような原発事故がもたらした被害、東電の賠償金を国民に転嫁させようと政府が動いていることなどを理解したうえで、原発に賛成しているのであれば、それは納得できるが、知らないで賛成しているのであれば、それは民主主義という制度が包摂する大いなる問題であると考える。
 

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