SSブログ

「No War Know Nukes」というキャンペーンの最終イベントを主催した [サステイナブルな問題]

昨日(2016年10月10日)、「No War Know Nukes」というキャンペーンの最終イベントが明治学院大学にて開催され、私は主催者の一人として列席した。このイベントは二つの部から構成され、第一部では、鎌中ひとみ監督の『被爆者 世界の終わりに』を上映した。この作品は個人的には何回も観たものであるが、2003年の作品で多くの賞を受賞しており、福島原発の事故で原発の危険性を広く人々が自覚する以前から、その問題を鋭く映像で報告した佳作である。今回、改めて、低被爆者の恐ろしさを再確認すると同時に、この映画がつくられた後に多くの低被爆者が福島を中心に増えていて、今後、徐々に顕在化していくという現在進行形の恐怖に戦慄を覚えさせられる。
 第二部では、トーク・セッションを行った。トーク・セッションでは、イラクの現場でボランティア活動を実践し、その活動を通じたいくつかの著書も執筆している高遠菜穂子さんをお迎えして、この「No War Know Nukes」のイベントの主催者である鎌中ひとみ監督と映像作家の丹下こうきさんとでクロストークを展開した。イラクで本当に起きていること、そして、そのような本当に現場で起きていることと、我々がメディアで知ることの隔たり、その問題についてじっくりとお話をしていただけた。というか、パネリストの御三方は皆、マシンガントークでまさにクロストークという感じで、聞いている人も会話に引き込まれるといった素晴らしいイベントであった。ファシリテーターは明治学院大学の大学院生である林田光弘君が務めたのだが、彼は若いのに、非常にうまく場を仕切っていて、その手腕にも感心させられた。うちの大学にもこんなしっかりしている学生がいたのか、とちょっと驚く。4時間を超える長丁場ではあったのだが、あっという間に時間が過ぎたというような濃密な時間が展開できた。
 それにしても、川内原発のそばの阿蘇山が噴火をしたり、新潟県知事の選挙も控えたり、また伊方原発の再稼働が可能性を増すなど、失敗から学ばない国、失敗のリスクを軽視する国、日本という状況の中で我々は生きている。そのような状況において、メディアがしっかりと機能していないことが、大きく社会、そして我々が混迷している理由であろう。今回のイベントを契機として、そのような問題意識を再確認し、しっかりと状況を変えていくように努めていくことが必要なのではないだろうか。そのような感想を抱かされた昨日のイベントであった。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0