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江戸時代に江戸を訪れた外国人が「東洋のヴェニス」と形容したんですよ、と言ったら鼻で笑われてちょっとムカッとする [都市デザイン]

 ドイツから都市計画を専攻する大学の教員と学生が東京を訪れている。1日目は六本木ヒルズ、お台場。そして2日目は芝増上寺、港区、そして日の出桟橋から浅草まで水上バスに乗って、そこから京島のキラキラ橘商店街を訪れた。
 水上バスに乗るとき、江戸時代は江戸を訪れた外国人は、その美しさに驚いて「東洋のヴェニス」と形容したんですよ、と説明したら、なんかあまり相手にされず、○○のヴェニスと言いたがる都市は五万とあるんだよね、などのリアクションを受けて、ちょっとムカッとしてしまった。とはいえ、ドイツ人からみれば、隅田川から見える都市風景のどこがヴェニスか、まったく分からないので、そういうリアクションをすることを責めることはできない。しかし、「東洋のヴェニス」と呼ばれてもおかしくない都市美を誇っていたことが想像できる私としては悔しい。それは、戦争中に徹底的に破壊され尽くしただけでなく、その後の乱開発、経済優先の開発等で景観的な配慮をまったくせずに、風情も何もない東京の下町の街並みをつくってしまった同朋に対しての憤りというか、やるせなさからである。だって、ドイツ人のリアクションに対して、反論する気力もないし、反論して説得させる自信がまったく出てこないのだから。
 グローバリゼーションが進展していく中、その都市のアイデンティティをしっかりと強化し、再生することが求められる。そのために東京がすべきことは五万とある。

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