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ハバナ名物のクラシック・カー [地球探訪記]

 キューバのハバナ名物は、チェ・ゲバラ関連の施設、ヘミング・ウェイゆかりのバー、ハンフリー・ボガートを始めとするハリウッド・スターゆかりのバー、それらのバーにて提供されるハバナ・クラブのラムなどをベースとしたカクテル、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブなどで最近また広く世界的に知られるようになったキューバ・ミュージック、植民地時代の歴史建築物からなる街並み、そしてクラシック・カーであろう。
 このクラシック・カーはほとんどが公営ではなく、個人経営のタクシーとして利用されている。私は2台のクラシック・カーのタクシーに乗った。二台目に乗ったタクシーの運転手は、運転がとても丁寧で、しかもこのタクシーを紹介してくれた現地の人によると、キューバ人としては珍しく時間に正確である、ということなので、それ以降は空港から出発するまで、この運転手のタクシーで移動した。
 この二台にしか乗っていないので、あまり一般論として論じることは気が引けるが、まず言えることは、想像を絶したボロさ加減ということである。まず、ドアを開けるのには相当のコツがいるので、運転手に開けてもらうことになる。窓を上下するのも、ほとんどレンチで回すようにしなくてはいけず、これもコツがいる。メーターの類はほとんど機能していない。また、排ガス規制などをしていないので、乗っているだけでその煙でむせてくる。油の匂いも随分とする。一台目の車は、特に何も聞いたりすることはできなかったが、二台目に乗った車は1955年製のオールドモービルで黒色、テールフィンがついたアールデコ的なデザインの格好いい車であった。スピードは全然、出ない。というか、出したらそのまま分解しそうである。シートベルトの類は一切ない。
 それでも、アートデコのデザインが為された動かない時計、動かないスピードメーターなどは独特な空間をつくりあげていて楽しい。運転手は別にこのような車に乗りたいわけではなく、他に車がないために仕方なく使っているのだが、そういうこともあり、非常に丁寧に、大切に管理をしているそうである。代替することができないということは、人々のその所有物に対しての行動形態を大きく変える。
 居心地も悪く、安全性も低く、燃費も悪い、このようなクラシック・カーに、我々をはじめとした観光客が好感を抱くのは、そのノスタルジックな時代性を感じさせるだけでなく、その運転手達が大切に扱おうとするその心に共感を覚えるからではないだろうか。
 
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