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クリチバではリオのオリンピックの盛り上がりが感じられない [クリチバ]

 ブラジルのクリチバに来ている。同国ではオリンピックが開催されているが、クリチバにいるとまったくそのような盛り上がりが感じられない。どうも、家ではテレビに釘付けになっているようだが、それは日本でも同じである。まあ、プールが藻で一夜にして青から緑になったり、汚臭漂うコパカバーナでトライアスロンの遠泳をさせられたり、テレビカメラが会場の建物の上から落下したりと、いろいろと問題の多いオリンピックではあるが、自国で開催しているのだから、なんかこうホスピタリティのようなものがプンプンしてもいいのではと思ったりするが、そういう意識もなさそうだ。リオデジャナイロは盛り上がっているようだが、他の都市は今ひとつ、というのが実態のようである。そもそも、このオリンピックは50%の国民が開催を反対していた。おまけに大統領が罷免させられるという国の緊急事態。オリンピックぐらいで、気分が晴れるか、というのが人々の気持ちなのかもしれない。
 とはいえ、棒高跳びでチアゴ・ブラス・ダ・シウヴァ選手が金メダルを取ったという番狂わせは、結構、ニュースになっているようだ。ファベラ出身の女子柔道の金メダリストの話も人々を感動させているようだ。
 まあ、そのようないいストーリーも多いわけだが、どうも南米最初のオリンピックはあまりうまく行っていないようだ(出所:http://www.sbnation.com/2016/7/15/ 12122676/olympic-games-2016-rio-zika-security-budget-brazil)。最初の大きな問題はジカ熱であろう。そしてヨット・レースなどをするグアナラ湾に安全レベルを越えた廃棄物が存在することが昨年の7月に発覚する。さらに2015年にはブラジルの経済は前年の4%ほど縮小する。また、2015年12月にはオリンピック会場と都心とを結ぶ鉄道整備事業がオリンピックには間に合わないことが明らかとなり、代わりにバスを走らせることになる。今年4月にはルセフ大統領が弾劾され、その後、罷免される。同月にはオリンピックのためにつくられたリオの自転車専用道路が崩落し、2名が死亡する。5月にはサッカーのスター選手のリバルドが「ブラジルにオリンピックに来ることは再考した方がいい」とインスタグラムで発信する。5月になってもオリンピックの試合のチケットは1/3が売れ残っていた。
 ということで、改めてオリンピックを開催することのリスクの大きさを感じる、今回のリオ・オリンピックである。ただ、人々は感動をすると嫌なことを忘れるという傾向がある。長野オリンピックもあれだけの赤字イベントであったが、感動させてくれたからいいや、という気分に人々もなっていた。
 ただ、クリチバではあるが、この盛り上がりのなさは気になる。感動によって、まあ、いいか、という気分になかなかブラジル人はなれないような、そういう印象を受けている。

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