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ちもとの有名なかき氷を食す [B級グルメ雑感]

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都立大学駅のそばに住んでいる。ここには、全国的に有名なかき氷を提供する「ちもと」という和菓子屋さんがある。私は、都立大学に6年前に越してきたのだが、その時からずっと、このかき氷を食する機会を探っていたのだが、なかなか実現できずにいた。これは、このかき氷を提供するのが7月中旬から9月初旬までの短い期間であるということと、私は東京の夏が嫌いなので8月や9月初旬はほとんど東京にいない、ということが最大の理由、さらに付け加えると、ちもとは喫茶スペースが小さいので、もうこのかき氷を食すには、開店前に並ばなくてはいけなく、それがなかなか億劫だったということがある。
 しかし、いつまで都立大学に住んでいるかも分からない。このままだと下手したら一生、ちもとのかき氷が食べられないかもしれないと焦った私は、今年の夏こそは絶対食べてやる、という強い意志を抱いたのである。さて、そして、その決行日を8月3日の水曜日に設定した。前日は早く寝ようとしたのだが、なかなか寝付けなかったのだが、バシッと8時前には起き、開店の10分前の9時50分にちもとに到着した。天気は曇りがちで気温もそれほど高くない。これは、あまりかき氷を食べたくなるような日じゃないよな、という私の予想に反して、店の前には既に50人以上の行列が出来ていた。驚きである。さて、しかし行列の最後尾に並ぶと既に店の人が待ち構えていて人数を確認してくれる。私はどうも36組目らしい。しばらく待つと、他の店員に待ち時間を教えてもらった。なんと15時30分!ということは、もうほとんどぎりぎりだったということである。あと15分ぐらい遅れたら、すなわち開店以降に来たらその日はありつけなかったのかもしれない、ということを知る。平日でもこの人気である。週末だったら何時に来ればいいのだろうか。ちもとの人気恐るべし!である。
 さて、ということで家に戻り、少し仕事をして15時30分に戻る。注文はおまかせ(1000円)である。さて、まず目につくのは、その大きさである。それはETでも有名になったワイオミング州のデビルズ・タワーのように重力に逆らって隆起したかのような形状をしているのだ。なんで、崩れずにこんな形状が維持できているのだろうか。それは、おそらく凍っているからだろう、と推測する。冷温なので、原子が結合しているのであろう、と化学がさっぱりな私は当てずっぽうな推測をする。
 この巨大な岩塊のようなかき氷は、ミルクと抹茶が半々に、まるでマジンガーZのあしゅら男爵のように綺麗に二つに分かれてかけられている。このかき氷は最初のスプーン入れで崩壊するのでは、というこちらの心配をよそに、しっかりとその形状はスプーンを入れても維持している。その氷は、まるで原子を発見するために何回も割ったかのように一つ一つが小さく、それらが綿飴のように柔らかになっている。そのせいだろうか、氷だけでも、とてつもなく美味しい。それは、おそらく一般的に人々が抱いている氷とはまったくの別物である。氷の硬さのようなものが一切なく、それは口に入れるとしゅんと溶けていく。ただ、溶けていく瞬間に身体から熱を猛烈に奪っていくので、空調が効いている店内では身体が冷えすぎる。これは特別なかき氷である。さて、しかし、このちもとのかき氷を他店のそれと決定的に違わせるのはこの氷ではなく、この巨大なる興隆するかき氷の麓に、まるで金塊の金のように眠る和菓子群である。巨大なるかき氷を食べたものだけが、それを褒美として口にすることができる。噂には聞いていたが、その和菓子群は寒天、小豆、白玉といったオーソドックスのものの中に、最近、富に有名になった八雲餅や水ようかんが入っている。食べ終わって、身体は冷え切ったが大変満足をした。これからも一年に一度は、食べてみたい。並ぶ価値は十分にある。 
 


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