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加藤寛『日本再生最終勧告』 [書評]

 慶應義塾大学の名誉教授であり、また日本の経済政策において理論と実践面で多くの貢献をされてきた著者の遺作。「原発即時ゼロ」を見届けない限り、死んでも死にきれないと言う著者が「本書は私の遺言である」というだけあって、その主張は強く、説得力がある。本書は5つの章から成り、1章から4章までは日本の電力政策の歩みを概観し、原子力政策が進められてきた背景を浮き彫りにすると同時に、その非効率性、非民主主義性を明るみにする。そして最後の章では「自立分散型電源社会」をどうすれば実現できるのか、現状の課題とその対処法を提示している。さらに城南信用金庫理事長の吉原毅と東京大学大学院教授の江崎浩との対談、また特別寄稿として曽根泰教慶応義塾大学大学院教授の原稿が付け加えられている。
 本書を読むと、原発がいかに無駄であり、正義がないことがよく理解できる。公共政策を勉強するものにとってもためになる点が多く、お勧めできる。


日本再生最終勧告 ‐原発即時ゼロで未来を拓く

日本再生最終勧告 ‐原発即時ゼロで未来を拓く

  • 作者: 加藤寛
  • 出版社/メーカー: ビジネス社
  • 発売日: 2013/03/08
  • メディア: 単行本



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