江弘毅『街場の大阪論』 [書評]
「所謂「まち」あるいは「まちづくり」についての話は、そのスタンスが経済軸からのものであるのと、そうでないのではぜんぜん違った内容になってくる。すなわち街を「消費の場」および「ビジネスの場」としてとらえるのか、あるいは「生活の場」や「遊びの場」として見るのかの違いである。」
伝説的なまち情報誌「ミーツ・リージョナル」の編集長を長年、務めた著者の視点は、圧倒的に後者である。まちを消費の対象として分析し、カテゴライズする世の中の流れで、まちの魅力が分かるないやろ、と言う彼の舌鋒は鋭い。消費の記号といった表層論では捉えられないまちの魅力を、論理的に解説する彼の考えに触れていると、自分もまちで何かしたくなるような気分にさせられる。本書は、まちを消費の場、ビジネスの場にさせてなるものか、といった気持ちを高揚させるアジテーション的な役割も果たしていると思う。
伝説的なまち情報誌「ミーツ・リージョナル」の編集長を長年、務めた著者の視点は、圧倒的に後者である。まちを消費の対象として分析し、カテゴライズする世の中の流れで、まちの魅力が分かるないやろ、と言う彼の舌鋒は鋭い。消費の記号といった表層論では捉えられないまちの魅力を、論理的に解説する彼の考えに触れていると、自分もまちで何かしたくなるような気分にさせられる。本書は、まちを消費の場、ビジネスの場にさせてなるものか、といった気持ちを高揚させるアジテーション的な役割も果たしていると思う。