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「街的」ということ – お好み焼き屋は街の学校だ [書評]

 関西を中心とする街雑誌『ミーツ』の前編集長が著した新書。情報化、カテゴライズ化されている街に対する違和感、消費のランドスケープとして街を捉えるようにすることが、いかに街の理解を遠ざけるか、街を楽しむ作法から離れていくのか、ということを指摘している。それは、街は消費する対象ではなく、街にいかに受け入れられるかを考えて、自分を街の仕様に合わせることこそ、街を楽しむポイントである、と述べている。
 また、魅力ある街は「何かやろう」という人が前触れなく突然出てきて、「自分でつくった店」を出汁、そこで「自分が好きなもの」をつくったり見つけてきたりして、「自分で流行させ」、そしてそのような店が集積することでつくられる、と言う。
「それは行政による再開発や鉄道会社の駅ターミナル造成、はたまたショッピングモールやファッションビルなどが建って、それが引き金となってできた類の街とは全く違った「仕方」で」できている、と言及する。
 非常に鋭く、街の本質を解説している本であると考えられる。


「街的」ということ――お好み焼き屋は街の学校だ (講談社現代新書)

「街的」ということ――お好み焼き屋は街の学校だ (講談社現代新書)

  • 作者: 江 弘毅
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/08/18
  • メディア: 新書



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