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難民をまるで危ないものを見るように思ってしまう日本人 [グローバルな問題]

「日本の家」には、知り合いの日本人を連れて行った。シリアの難民がいるので、あそこに難民も来ているよ、と教えてあげたら、まるで危ない人がいると言われたような反応をしたので、私もちょっと驚いてしまった。別に難民は危険な訳ではないし、シリア難民でドイツに来られて生活をしているのであれば、相当、裕福であるし知的レベルも高いはずである。まあ、この知り合いほどは賢くはないかもしれないが、平均的な日本人よりはしっかりしている筈だ。さて、ここで指摘したいのは、この知り合いを批判しようとしている訳では決してなく、ドイツやアメリカでもそうだが、世界的にはタブーであるような差別的意識を多くの日本人が平気で抱いていることに関しての杞憂だ。
 日本人の、特に団塊の世代とかに共通して見られる差別意識として、黒人は危ない人達であるというものがある。先日も、アメリカのある地域が貧困であることを指摘するのに、無邪気に黒人が多い、とかを外国人に述べていた日本人の学者がいたが、こういう指標を使うのは相当、気をつけないと行けない。少なくともカラード・ピープルとかマイノリティとか言って、ブラック・ピープルという言葉を避けるのがエチケットであると思われる。私とかは、あなただって非白人で変な英語をしゃべる人にしか見られていないのにな、と心の中でそういう発言を聞くと思ってしまう。
 支配層にある白人に媚びている気分もあるのかもしれないが、そういうのは、よほど親しくても有色人種としては言わない方がいい。移民とかも難民とかも、我々がドイツ人に対してとかく意見を言う筋合いはない。難民をほとんど受け入れない国が、積極的に受け入れる国に何を言うことができるのか。
 ちなみに、私がどうして、こういう考えを有しているか、というと外国で生活をすることを余儀なくされたからである。前述したような考えをもって、外国で生活することはほとんど不可能である。現地の人とある程度のネットワークと信頼を勝ち得ようとするのであれば。

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