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ドイツ人の研究者達と打ち合わせをして圧倒される [グローバルな問題]

 ライプツィヒにてドイツ人の研究者達と共同研究の打ち合わせをする。ドイツ側は7人である。そこには、研究所の所長もいた。さて、テーマは既にできている論文の案に関して、最終提出する前にいろいろと意見を出し合うということであったのだが、皆、非常に積極的に発言をする。若手もどんどんと意見を述べる。結構、皆、しっかりと傾聴している。納得がいかなければ所長の意見に対しても反対であると述べる。反対された側も納得がいかなければ反論をする。しかし、お互いが意見を出し合って、最終的にそのコミュニティとしての方向性を導こうとする。大変、建設的でドイツの凄みを知った思いである。
 私の意見も結構、聞いてもらえた。ただ、皆、この会議のために相当、予習をしていたが、私を含めて日本人サイドは予習をほとんどしていなかったために、あまり議論に参加できなかった。この点も反省すべきところだ。あと、このレベルでの会議になると英語はほとんどネイティブでないと無理かもしれない。私のように海外で10年近く生活しているとどうにか対応できるが、そうでないと議論に参加するのは難しいかもしれない。それほど議論をするレベルでの言語というのはマスターするのが難しいと改めて思わされる。また、マスターをしたとしても、この議論をしっかりとやるための流儀や予習をしっかりとすることなども必要であり、これはぬるま湯の研究環境に置かれている日本人にとっては辛いことなのではないかと思う。
 日本とかだと、ちょっと反対意見をされると面子を潰されたと立腹する人が多い。そういう立腹する人が、結構、国際派を謳っていたりするから私としては不思議である。おそらく日本に向けての国際派ということなのであろう。真の国際派は、そういうことを超越していると思われる。ただ、話に中身が伴わないとダメである。しっかりとした意見は、自分に都合が悪くても受け入れる。そして、コミュニティとしての最終的な判断とする。多くの対立を戦争という愚かな手法で解決しようとしてきた長い歴史への後悔が、このような対話術をつくりあげたのかもしれない、と思わせるほど今日のドイツにおける会議は見事であった。学ぶところ大である。
 

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